2008/01/23

ある天下り団体の予算決算書

 こんにちは。

 労働組合のオルグの仕事は、これまで「聞く」「書く」「読む」「伝える」という4要素で成り立つと思っていましたが、最近は、「調べる」という能力も求められるのでは? と感じています。


 昨晩、組合員と打ち合わせをしたのです。
 要求項目を確認し、団体交渉を申し入れる日時を決めました。組合員は、相手方からのいじめなどを覚悟しつつ、気持ちを強く持つと決意しました。
 団体交渉につなげる場合、労働組合側に大義というか正義がある、ということを学ぶことが不可欠です。社会的な常識、法律、世論……、あらゆる角度から学んでいく必要があります。

 昨晩は、

 僕が彼女に話したことは、「あなたの働いている天下り団体には、こんなにお金があるんだよ、知ってた?」ということでした。
 入手した予算決算書を開き、それぞれの項目に書き込まれた莫大(ばくだい)な金額を示しながら、「この日本国から、こんなに税金が流れている……」「どんな事業を具体的に行っているのだろうか?」「領収書の情報公開はできるのかしら?」。

「こんな薄っぺらな報告書で、国民への説明責任を果たしているつもりかしら??」

 労働組合オルグには、労働法の知識だけでなく、予算決算書の読み方、ひいては経済学そのものを学ばなければならない、と痛感しているのです。

「うちには、残業代を支払うお金はない」
「解雇の理由は、経営上の理由です。赤字続きなんですよ」

 このような相手方の口撃(コウゲキ)に反論するためには、相手方の予算決算書を入手し、経営状況の特徴をきちんと分析しなければなりません。


 年始、日本社会は世界同時不況に陥る、と書きましたが、それは昨年末の『週刊東洋経済』の大特集「この一冊で全てがわかる 『サブプライム』危機と真相」07年12/1号を読んだからでした。経済学者のスティグリッツ氏のインタビューが出色でした。


 ああ、悩みに悩みましたが、新築マンションを買わなくてよかった(笑)。

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2008/01/18

写真で追う霞が関の早朝宣伝

 ブログ読者から、霞が関の中央省庁で行っている早朝宣伝の様子を写真で見たいというリクエストが寄せられたので、今週16日水曜日の財務省・外務省前宣伝をデジカメで追ってみました。

朝の財務省
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宣伝の始まり
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外務省前でも始まる
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演説の始まり
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どんどん配布する
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さらに配布する
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マジで完配!!
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2007/07/09

死にたくなければ霞が関には行くな(組合に入ろう)!!

 こんにちは。

 お昼休みに経産省横の虎ノ門書店に行ったら、「週刊東洋経済」最新号が売っていた。特集「ニッポンの公共サービスと公務員」。パート1では、霞が関の実態に迫り、パート2では「安い給料と重い責任、非常勤公務員の現実」を追っている。思わず、3冊買った。

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 福田昭夫・国公労連委員長のインタビューとともに、僕も少しだけコメントしましたが(笑)、本音は「死にたくなければ霞が関に行くな!!(組合に入ろう)」「定員削減が続く霞が関では公務サービスが遂行できない!!」だった。

 Toyo2_2

 「不夜城」霞が関の実態、天下り先に投じられている年間10兆円の国費、キャリアとノンキャリとの桁(けた)違いの出世レース、国家公務員の死因の第二は自殺(一位はガン)、長期病欠理由の一位は精神疾患、キャリア受験者過去最低、来庁者から「ぶっ殺すぞ」と言われている社保庁の年金相談員は時給800円、郵便局、公立保育園の実態……、今号の「週刊東洋経済」は、全体として「公務解体」というテーマで迫っており、全国の国家公務員はみずからの足もとを確かめる意味でも買うべきだ。

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2006/08/02

スクープ! 霞が関のサービス残業代は129億円。

 今夜は、どこの大新聞より早く特ダネを書きます。
 これから霞が関を目指す国試受験生の諸君は、よ~く読んで選択する省庁を考えるように(笑)。

 【霞が関=国公一般】霞が関中央官庁の22労働組合でつくる霞国公(山村欽一郎議長、組合員1万人)は2日、第14回残業実態アンケートの結果を発表した。アンケートによれば、霞が関の残業代の不払いが129億円にのぼることがわかった。平均残業時間は月39時間で、現在の超過勤務手当予算が1カ月約30時間しかつかないことから、その差9時間×4.5万人(霞が関の職員数)×12カ月×2683円(平均単価)という計算式で割り出した。

 2000人が過労死と隣り合わせ
 過去に過労死の恐れを感じたことがある職員は29.7%、現在感じている職員が4.5%いることがわかった。実員にして霞が関の職員約2000人が過労死と隣り合わせで働いていることになる。そのことを裏づけるように、過労死の危険ライン(厚生労働省ガイドライン)とされる月80時間以上の残業を強いられている職員が9.4%もいることが明らかとなっている。月100時間以上の職員は、なんと4.7%。これらの職員の年間総労働時間は3000時間を超える。
 
 残業になる最大の要因は、「定員不足」。同時に、管理職の業務の進め方に問題が……
 霞が関の忙しさは、おもに国会対策、予算取り、法律改正という「三種の神器」があるためだと言われている(笑)。しかし、アンケートに寄せられた職員からの意見は、「業務量が多い(定員不足)」「不合理な仕事の進め方」「管理者の退庁指導が弱い」「時間外の省内会議」などで、すべて管理職の責任において解消できるものだった。

 ワースト3省庁は、旧厚生省、旧労働省、経済産業省
 記者クラブで取材した新聞社は、「朝日」「毎日」「共同」「時事」「産経」、「NHK」など。
 各社の記者から「残業時間ワースト3の省庁を教えてくれ」「タイムカードは導入されていないのか」など鋭い質問が飛んだ。組合側は、「旧厚生省月91.6時間、旧労働省月79.2時間、そして経産省月51時間」と回答したが、「今回のアンケートには財務省や外務省、環境省の組合が入っていないことを考慮に入れてほしい」との補足があった。
 実は、各省庁には、いまだにタイムカードが導入されていない。人事院規則の建前では、管理職による残業命令が下され、職員は残業を行い、それをそれぞれが正確に「超過勤務命令簿」に書くことになる。
 しかし、職場の実態は、上司からの命令は下されないどころか、後日、それぞれの職員が月何時間超勤をこなしたかを管理者に自己申告し、その割合に従って超過勤務手当(予算)内で割り振り、それに見合った時間を「超過勤務命令簿」に書いて帳尻を合わせるという、ほとんど脱法・違法な行為が何十年にも渡って繰り返されてきたのだ。
 新聞記者から「それって厚生労働省の通達違反じゃないですか。手書きの自己申告は違反ですよ!!」という突っ込みが入ったのは言うまでもない(笑)。しかし、この記者は、国家公務員が労働者ではないこと=労働基準法が適用されないという大事なことを知らない。

 国家公務員の厳しい状況を国民に知らせてほしい 
 記者会見では、山村議長が霞が関の労働実態を国民に広く知らせてほしいと訴えた。
「長時間残業は、メンタル疾患を生み出す原因となっている。年間自殺者134人のうち32%がうつ病と判明しているし、ある省庁の精神科の受診は3カ月待ちとなっているのが実情だ。さらに家庭生活にも悪影響をおよぼしている。ある省庁の健康診断では、再検査を求められた職員は全体の50%を超えた。保険医は『国民平均が30%だから、霞が関が極めて異常かがよくわかる』と驚いている。こういう厳しい状況に国家公務員が追い込まれているということをマスコミのみなさんは国民に知らせてほしい」

 たぶん、マスコミは書かないと思うんで、読者のみなさん、この記事、リンク張ってくださ~い。

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2006/04/13

こころのメンテナンス

 いま、夜を徹して機関紙「国公いっぱん」第18号を作成しています(笑)。アドビのソフト「イラストレーター」と「フォトショップ」は使いやすいけれど、ときどきフリーズするからハラハラします、夜中、こうやって一人でコツコツ作業しているとさらに嫌~な感じもしてくる……。
 あんまり無理をすると、体を壊したり、メンタルな病気になったりするので、ちょっとセーブしなきゃな。

 ……というのも、今日読んだ、文科省の公益法人である労働科学研究所が発行する雑誌『労働の科学』5月号の特集が「こころのメンテナンス術」だったからだ。何度も書くけれど、国家公務員の長期病休者は6500人をこえていて、いま最悪の事態を迎えている。それを反映してか、特集のなかに、国土交通省の職員が体験記「悲観的にではなくうつ病を発展的にとらえる」を寄せていて、うつ病になったことのない僕だけれど、読んでて何だか泣けてきた。
 
 職員が伝えたいことを一言で言えば、うつ病になった自分を肯定的にとらえて、新しい一歩を踏み出す契機にできるかどうか、ということだろう。普通、病というものはマイナスとしてとらえがちだけれど、プラスに転化させる機会として理解するという。まったくすごい発想なんだけど、こころの病の場合、その体験から説得的に伝わってくるから不思議だ。また、小川宏さん(アナウンサー)の巻頭言「うつ病は完全に治る」も、こころの病になった者としての成長というか新鮮な優しさがひしひし伝わる文章で、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思った。

 文科省の公益法人もなかなかやるじゃん(笑)。

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2005/02/23

霞が関は「不夜城」だった!

 「広辞苑」によれば、「不夜城」とは、夜も日が出て明るかったという中国のお城のことを言ったらしい。日本においては、歓楽街を意味する。例えば、新宿の歌舞伎町のような。しかし、いつ誰が名付けたのかわからない、日本の中央官庁が集う霞が関――ここもまた「不夜城」と呼ばれているのだ。
 soumusho 午後6時半、国公一般の「(職員のみなさん)お疲れさま」宣伝は総務省前から始まった。国公労連史上初の取り組みだ。毎週水曜日は、政府自身が決めた「定時退庁日」だというのに、7時を過ぎてもほぼ90%の部署の灯りがついている(写真1枚目)。どんどん職員が出てくる。組合員が「お疲れさまでした」「国公一般です」「アンケートをお寄せ下さい」と訴えると、次々に手を差し出してくれる。地下鉄「霞が関」駅へ向かう庁舎の地下通路には、全建労(旧建設省の組合)の仲間5人が駆けつけ、「ここは、おれたちにまかせろ!」とばかりにリーフをまく。裏口には、店屋物(てんやもの)を運んできたオートバイが何台も停まっている。「これ、みんな職員さんの?」と聞くと、ヘルメットのお兄さんが「はい、夕食ですね。忙しくて、外に出る時間がないんですよ、きっと」と応える。
 庁舎前では、弁士が「体を壊す仲間が増えている。みなさん、長時間過密労働とサービス残業をなくそう。せめて今夜は定時で帰りましょう」と訴え、声に力がこもる。総務省の向かいの建物は、東京地方裁判所。ほぼ100%灯りがついている(2枚目)。tisai裁判所で働く職員の組合・全司法から6人の若者たちが参加する。「あたし、各省庁がどんなになっているのか、この目で確かめてみたいんですよ~」(青年協の女性役員さん)。 
 
 午後7時30分、「500枚用意してきたリーフとニュースがなくなっちゃうよ~」との声が寄せられる。「すごい反応だな」「いったん引き返して『それ、ください』と言う人もいたよ」驚いた僕は、部長の許しを得て慌ててタクシーに乗り、本部へ。演説を聞いていたタクシーの運ちゃんが、いきなり「官庁の連中は、トップダウンで決めるのはやめて、民間のNGO、NPOの提言に耳を貸さなきゃな。社長や学者連中を信じての諮問会議もいいけどよ、役人は、そもそも俺たちのようなドライバーを人間と思っちゃいない人種なんだから」などど言い、説教される。
 午後8時ごろの国土交通省(写真3枚目)kokudokoutu、厚生労働省(左下)、法務省(右下)。「これから仕事だぜ」っていう感じで、ほぼ100%灯りがついている。全運輸、全港建(どちらも国交省庁舎にある組合)の役員さんが、職員たちと対話を試みる。国交省だという職員が、リーフを開きながら、「本省がこんなんだから、地方の職員も帰れないんだよね。ほら、こっちが勝手な問い合わせとか地方にするから」とふてくされたように話す。
 kourou hpomu 
 

 


 

 
 午後9時になると財務省と外務省(写真6枚目)の正門は閉まるが、物々しい警官たちは、いつまでも仁王立ち。外務省の裏門には、ピザ屋の宅配カブが停まる。きっと、夜食だ。gaimu これを書いているパソコンに、外務省の職員からタレ込みメール(僕らの活動を見ていたのだろうか?)。メールには、「外務では、午前3時、4時まで働いてタクシー帰りは、当たり前です。それで当日の9時に出勤するのですから、信じられないでしょ?」と書かれている。そういえば、タクシーの運ちゃんは、「わたしらは、官庁連中の寄生虫みたいなもんですから」と笑っていたっけ…。霞が関の深夜タクシー代(1年間)は、実に60億円也。「なんで職員を増やさないのか?」って腹立たしく思いながら、財務省前(写真下)の宣伝へ。zaimu組合員は、遠足にでも行くような感じで、なんだか生き生きしている(笑)。組合旗もはためくし、職員への声かけも抜群にいい。地下に「仮眠室」が並ぶ財務省は、まだまだ眠る時間ではないよな。
 

 
 午後9時を過ぎました。経済産業省(写真下)は? というと、やっぱり灯り全開だったぜー!!! ちなみに後ろの灯りも経産省の建物ですから(ちょっと小さいか)。 keisan経産省の組合(全経済)の委員長みずからマイクを握って職員へ呼びかける。すでにリーフは、1500枚を軽くこえて配布。「わたしたちは、民間企業のみなさんと連帯して、この春闘をたたかっていくことを決意します」。配布していた僕のところへ、ちょっと酔った職員がやってきて言うのだ。「なんだかまた、俺たちの給与が5%もカットされるらしいが、もう我慢の限界だ。このアンケートに、こころの内の全部を書くからな。お兄ちゃん、頼むぞ」。

 午前1時の霞が関
 いま、午前1時ごろの「霞が関ウォッチング」から帰還しました。特徴的な写真をいくつかアップしますね。左から厚労省、経産省、国交省、総務省、外務省です。ほとんど電気がついています。一番下のが、財務省です。東京地裁だけが、ほぼ完全消灯でした。
 kourou2  keisan2 kokkou2 soumu2 gaimu2
 虎ノ門辺りに集中している大手メーカー、大銀行や証券会社は、軒並みシャッターに全消灯でした。こうこうと光っているのは、コンビニと牛丼屋ぐらいだったか。大きなビルの屋上の赤いランプが点滅していて、ちょっとさびしい。道路を走っているのは、ほとんど黄色と緑と白いタクシー。オレンジ色のテールランプが、まぶしい。厚生労働省前に並んだタクシーは、人事院(さすがに、ここは、ほぼ完全消灯でした)の角を曲がって地裁前までずっと続いているようだ(!)。
 午前1時15分、顔面蒼白(そうはく)の痩(や)せた青年が、ゆるんだネクタイのまま、合同庁舎から出てくる。携帯電話を耳に当てている。青い点滅。いまから誰かへの「帰るコール」なのだろうか? それなら「あまりに無理をしていないかい?」と訊きたくなる。zaimu2 もちろん財務省の消灯は、まだまだだ。(午前2時記)


午前5時の霞が関
 国公労連の本部を出たとき、ちょうど新聞配達のお兄さんが朝刊を置いていった。各紙の一面は、フジ対ライブドアの泥仕合の続報だった。会社を起こす資本金を自らの汗で勝ちとっていない連中のマネーゲームなど何の興味もわかない。
 果たして、夜明けが近い午前5時の霞が関の灯は、消えているだろうか? 
 祈りにも近い気持ちで(なぜなら、国の役人が当局の強いるサービス残業に唯々諾々と従っている現実そのものが、日本社会に悪影響を及ぼしているからだ。これは、キャリアがよく言っているらしい「俺が日本を背負っている」などというプライド(笑)で帳消しになるものではない)、もはやタクシーさえ少なくなった通りを歩いていく。途中、腹ごしらえをしようと入ったセブンイレブン前では、ホームレスがゴミをあさっている。そんな姿を黒い野良猫が見ている。
 比較する写真をアップします。左から厚労省、経産省、国交省、総務省、外務省です。一番下は、財務省。やはり電気はついていました。しかし、法務省は、ほぼ完全消灯でした。
  kourou3 keisan3 kokkou3 soumu3 gaimu3
 外務省前で警備をしている警官に、「お巡りさんは、超勤手当は出るんですか?」と訊いてみた。すると警官は、「自分たちの場合、夜の警備などは夜間手当が出ます。規定の時間を超した場合には、超勤も出ます」。「満額出ていますか?」と僕。「自分の場合は、出ています」(裏金だったりして…)との返事。僕は警官に「この霞が関の灯りを見てくださいよ。み~んな、サービス残業なんですよ」と言って、外務省はいわんや向かいの農水省の建物を指さしました。zaimu3財務省は、やはり眠らないつもりのようだ。あ、満月が出ている。taxi タクシーの数は減ったが、国交省前は、まだまだ数珠繋(じゅずつな)ぎだった。この10年間は「構造改革」と称しての規制緩和が急速にすすんだ時期だった。新規参入を強行されたタクシー業界は、いま1人あたりの売り上げが月10万も減っているという暗澹(あんたん)たる状況だと聞いた。「タクシードライバーは、連続12時間運転なんか平気でやらなきゃ食っていけないんだよ」(自交総連のドライバー)。翌朝帰りの役人と彼が乗るのを待っている運ちゃん。2人の気持ちを考えると、この国は、やはりおかしい方向へすすんでいると痛感する。ああ、朝が明けていく…。(午前6時過ぎ記)

 朝がまたくる(ドリカムの名曲)
 霞が関に向かう道。午前6時30分、もう十分明るいのだ。新橋・虎ノ門一帯では飽和状態にあるカフェ店は、すでにシャッターが開き、若い女性がパンを陳列棚に並べたりコーヒーの準備をしていて忙しい。ビルの玄関では、清掃のおばさんがモップがけをしている。まじめに働く人たちの思いが報われるような日本をつくりたい。asa新橋方面の空が乳紅色に染まっている。小さな鳥の群、その影が視界を横切っていく。太陽が出てくる。もはや霞が関の省庁舎の灯りをカメラでおさめることは難しい。だって、もう朝なんだもん(笑)。
 霞が関の「不夜城」が陥落する日は、いつの日か? その日を一日でも近づけるために、犠牲を最小限にするために、僕ら国公一般の活動は続くのだ。 

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2005/02/08

経産省の地下食堂にて

 今日は、ある省で働く国公一般の組合員と昼食をともにした。午後12時20分、経済産業省の地下へ向かった。ここには、共済組合が職員のための福利厚生施設としてつくった食堂が三つあるのだ。和食「花かすみ」、中華「食通天」、洋食「イプリモ」。どちらも明るい感じで、味もなかなかいい。今日は、和食を選ぶ。
 食事をしながら組合の話をするというのも、相席の人に申し訳ない気持ちもしたのだが、いろいろと解決しなければならないことも山積しているので、他人の目を気遣っている場合ではなかった。短時間ではあるが、ただでさえ忙しい本省の仲間との打ち合わせは、大切な時間なのだ。

 (これまで組合活動をしたことのなかった)彼の話を聞いていると、これまで行われてきた国公労連の組合活動が、非組合員の目にどのように映っていたのか、よ~くわかった。何かの要求運動をする場合、霞が関本省で働く職員がいる建物に向かって「○○反対」とか「○○せよ」とシュプレヒコールする場合、国公労連の側と本省職員との間に、ズレというか仲間意識の分断が生じかねないのだ。まるで本省職員が「敵」であるかのような印象。新しく組合活動をしようとする職員にとっては、こうしたイメージの払拭(ふっしょく)から始めなくてはならない。
 しかし、彼は「でも、組合に対する期待というか、ぶつけたい意見というか、そういうものは思った以上に、僕の周りにいる仲間のなかにあると思う。それもこれも、いまの霞が関が異常な働き方を僕らに強いているからだと思う。少しずつ理解を示してくれる仲間を増やしていきたい」と言う。加えて「単なる圧力団体として見られていたら困ったことになる」とも言う。僕は、彼の柔軟な思考に学ぶことが多い。

 国公一般が抱えている情報を彼に渡す。彼の掴んだ職場の状況を教えてもらう。こうやって、少しずつ少しずつ、楽観もせず悲観もせず、着実に着実に。霞が関の矛盾は、相当深いのだから…。

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2004/12/16

厚労省の合同庁舎26階から

 今日のお昼は、若い同僚4人で「馬車道」(ばしゃみち=厚生労働省の合同庁舎26階にある洋食屋)。
 ハンバーグとかスパゲティーが食べたくなったら、ここへ来るようにしている。僕は「デミたまハンバーグ定食」(540円)を頼む。何と言っても安くて美味(うま)い。いつか近いうちに、(このブログがネタ切れになったら)これまで闇のベールに包まれていた霞が関本省庁にある職員食堂の全貌(ぜんぼう)を、一つひとつ採点する日が来るだろうと予感しています(笑)。

 …って、そんなことを悠長(ゆうちょう)に書いている場合ではない。
 若い職員たちは、言うまでもなく明日の霞が関、ひいては明日の日本を背負っていく有望な役人たちだ。ところが、彼らの口から出てくるのは、「ここでは長くはやってられないスよ。公務員を甘く見てました」(新卒・厚生労働省)、「毎日、早く帰れて午後11時なんですよ、野球中継なんて見たことない」(24歳・厚生労働省)、「同期の連中に辛いこととか弱みを見せられないから、黙って仕事をやるしかない」(ある省庁・26歳)、「一足早く課長が帰れば、残された者たちで課長の悪口の言い合いで盛り上がる職場、はっきり言って異常です」(ある省庁・27歳)などなど、ぞっとするような言葉なのだ。「民間でもそんなもんだよ」という声が聞こえてきそうだが、たぶん、そういう会社は競争に勝ち抜けない。社員を大切にしない会社は潰れて、他の優良会社が伸びていくだけのことだ。しかし、霞が関本省庁には競争相手がいないだけ、早晩、立ち枯れというか、ぶすぶす腐ってしまうだろう(職員の横領が続出した外務省などは、既に腐り切っていると言ってもいいかもしれない)。
 あるベテラン職員が、僕にこんなことを言ったことがある。
「霞が関の腐敗の根源は、常識が通らないことではないか? 特に不払い残業だ。働いた分は、満額支給せよ、という当たり前のことが通らない。国家公務員は、国民のための公共サービスを提供すると同時に、国家権力の担い手でもあって、予算や補助金の決裁者でもある。当たり前のことが職場で通らなくなれば、いつの間にか職員たちの感覚も異常になっていく。異常な感覚で、自分の権力を濫用していく。外務省職員が何億もの裏金を貯め込んで馬を買っていた事件なんかは、その象徴じゃないかな」
 う~ん。人事院の調査でも、国家公務員の倫理観は、どんどん低下しているしな~。この仮説、あながち当たっているかもしれないな~。

 洋食屋「馬車道」から眺める今日の霞が関は、空は快晴でもあって、とても見晴らしがよかった。高所恐怖症の僕は、なかなかガラス窓の近くに近づけなかったけれど、女性職員たちは「すっご~い」「きれ~」などとはしゃいでいました。
 職員ではない(このブログを読んでいる)みなさんは、夜になると「不夜城」と化する、この異常な合同庁舎を、日比谷公園から見上げて驚いてください(苦笑)。灯りの向こうには、必死で歯を食いしばって働いている仲間がいることを想像してください。

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2004/08/18

霞ヶ関の食堂で

 今日は、昼休みを使って霞ヶ関で働く職員と懇談(というか、ただ雑談するだけだったんだけど…)。
 霞ヶ関には、各省庁に食堂があって、それぞれに個性がある。今日入ったのは、A省の食堂なのだが、なかなか良心的な値段で美味しい(結構、満員だった)。
 しかし、単なるだべりになるはずが、霞ヶ関で横行しているサービス残業問題へと話題が発展していくから、怖(こわ)いというか異常というか…。民間を厳しく指導している厚生労働省の建物からして、夜11時12時になっても太い帯となって電気が灯(とも)っているのは、よく知られた話。人は、霞ヶ関を「不夜城」と呼ぶ。向かいの経済産業省も、その向かいの財務省も…。超勤分の手当は、予算であらかじめ決められているので、それを使い切れば、あとは、ほとんどサービス残業で、みんなただ働きさせられているというのが実態なんだ。

 まったく、おかしいでしょう?

 職場の実態は、おいおい、このブログで明らかにしていくとして…。
 せっかくの同僚との昼飯も、こんな話題では気分転換にもなりゃしない。 

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