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2007/04/04

吉川参院議員VS特許庁(「社保」逃れ国会追及)

 こんにちは。

 Asahi_3

 霞が関のおひざもとにある経産省管轄の特許庁は、非常勤職員の募集に際して、1.有給休暇は与えない、2.社会保険・雇用保険には加入しない、3.交通費は支給しない……、などなど最低最悪な条件をのませておきながら、実は、社会保険加入要件を満たすような長い労働時間で働かせてきたのだった。

 もっと言うと、同一の非常勤職員を半年近く働かせたあと退職届を書かせ、2週間ほどのブランクを空けて再雇用するという脱法行為を繰り返し2年とか3年続けて働かせてきたのだが(人事院規則上、半年以上の継続雇用の職員には有給休暇を与えなくてはならず、しかし、それはやりたくないという理由で25週以内の雇用を繰り返し)、有給休暇を一日も与えず、雇用保険にも入らないという、信じられない脱法行為を続けてきたわけだった。
 
 さらに交通費を支給しない、ということだから、地下鉄初乗り運賃320円を引いた、非常勤国家公務員の手取額は、ななななんと14万円を切るというものだった。

 昨年の夏以来、こうした深刻な問題を国会議員先生に知ってもらい、「霞が関からワーキングプアを生み出すな!!」という国会質問をしてほしいと思い、議員会館を歩き回ったのだが、共産党の吉川春子参院議員しか我が事のように受けとめてくれなかった。
 はっきりと言っておくが、最大野党である民主党・渡辺周議員は、「会う、絶対に会うから」と何度も秘書に言わせながら、結局、僕と会ってくれなかった。いまの僕は、民主党なる「政党」に対して大いなる不信を持っている。こんな政党に「格差是正」などとは絶対に言わせない。

 それで今回は、吉川参院議員と特許庁キャリア、管総務大臣、人事院総裁との全バウトを掲載しておきたい(3月20日、総務委員会)。
 特許庁キャリアは、みずからの非を認めながらも、非常勤職員に最大35万円にものぼる保険料掛け金の遡及分をとにかく負担させようとし、さらに、今後は社会保険に加入しないで済むような労働時間に短縮する(実質3万円の賃下げになる)という、極めてあくどいことをやろうとしていることが明らかになった。

 国公一般には、他の省庁・部局で働く非常勤職員から「わたしのところも社会保険に加入していない!!」という告発が寄せられており、このまま特許庁が勝手なことを続けるなら、第2弾、第3弾の爆弾を破裂させるつもりだから政府・総務省と人事院は心して待ってろ、いいな(笑)。

 
 2007年3月20日(火曜日)、参院総務委員会

 吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 まず、特許庁にお伺いいたします。
 2006年7月1日現在の国家公務員一般職の数が29万8609人で、非常勤が14万9919人で、全体の3分の1が非常勤の国家公務員が占めています。国の行政は非常勤職員がいないと回らない状態です。
 そのことを前提に伺うわけですけれども、朝日新聞が2006年の11月27日、特許庁で270人の非常勤職員の社会保険加入漏れの社会保険庁の指摘を受けて是正したと、こういうふうに報道されています。この社会保険加入漏れの責任は特許庁にあると思いますが、どうですか。

 政府参考人(村田光司君・特許庁総務部長) 本件は、社会保険庁の調査によりまして、特許庁の非常勤職員のうちいわゆるアルバイト、臨時事務職員の一部につきまして、被用者社会保険、健康保険、厚生保険への未加入が明らかになったものでございます。
 特許庁では、従来、これらの臨時事務補助員の勤務形態について、被用者社会保険加入の義務がないものと理解し、アルバイトの方御本人にもその旨説明してまいったところでございます。
 しかしながら、社会保険庁運用基準の細部に関しましての私ども特許庁の理解が十分ではなく、結果的に被用者社会保険の未加入という事態が生じたものでございます。これに伴い、一部の臨時事務職員の方々に多大な御迷惑を掛けたことは大変申し訳ないと認識している次第でございます。

 吉川春子君 加入漏れの責任は特許庁にあるということを今おっしゃったわけですね。

 委員長(山内俊夫君) 指名があってからお答えください。村田総務部長。

 政府参考人(村田光司君) 失礼いたしました。
 先ほども御説明いたしましたとおり、社会保険庁の運用基準につきましての私どもの理解が足りなかったということに原因があるかと承知しております。

 吉川春子君 だから、理解がなかったのは特許庁なんでしょう。加入漏れの責任は特許庁にあるんでしょう。そこを明確に言ってくださいと言っているんですよ。時間ないので端的に。

 政府参考人(村田光司君) そのように解釈いただいて結構だと思っております。

 吉川春子君 資料を皆さんのお手元に、ナンバーワン、ツー、スリーと配っておりますが、まず資料1を見ていただきますと、特許庁の臨時事務補助員、アルバイトの勤務条件について、真ん中から下の方に、休暇、年次休暇は付与されない、有給休暇なしです。社会保険等のところは、社会保険、雇用保険には加入しないと、こういう条件で雇っています。
 そしてまた、資料2を見ていただきますと、これは社会保険加入漏れについてアルバイトの皆さんへのお知らせでございます。その内容は、過去の社会保険料徴収がなされなくなるわけではありませんと注意書きをいたしまして、過去2年分の保険料徴収をアルバイトの方に求めています。一番保険料の額が多い方は36、7万になるそうです。
 なぜ特許庁に責任があるものについて非常勤職員に過去の保険料の支払をさかのぼって求めるんでしょうか。これは特許庁がお支払いになるべきものではないですか。

 政府参考人(村田光司君) 先ほども申しましたとおり、私どもの方に社会保険庁の定める被用者社会保険基準の認識が不十分だったということは間違いございません。
 他方、法律、厚生年金保険法及び健康保険法の規定によりまして、保険料は労使折半で負担するということになっております。この規定との関係で、特許庁が、被用者社会保険未加入となった臨時事務職員の方々の個人負担分を肩代わりすることは法律上できないというふうに認識している次第でございます。

 吉川春子君 そんなことありませんよ。普通の状態で労使折半は、それはそうなんですよ。しかし、労が払わなかった原因が、特許庁がそういう認識がなかった、届けてなかったんでしょう、そういうことであるんですから。
 総務大臣、お伺いしますけれども、そもそも特許庁は社会保険に加入しないというふうに募集していましたし、社会保険加入漏れの責任も今お認めになったわけです。非常勤職員には責任はないわけです。にもかかわらず、過去の保険料をさかのぼって2年支払わされるということですけれども、こういう例が実は民間の企業で、東京ディズニーランドでアルバイト約1600名の社会保険加入漏れがありました。会社側は労働者と話し合った結果、労働者負担額、まあ会社負担額はもちろんですけれども、労働者負担額の2億1000万の保険料を支払いました。で、特許庁にミスがあっても国の機関ならこのミスは許されるということにはいかないと思うんですよね。大臣、どうお考えですか。

 国務大臣(菅義偉君) それぞれの府省庁が採用する非常勤職員及びこの非常勤職員の健康保険及びこの厚生年金保険に加入させるかどうか否かについては、それぞれ社会保険庁の運用基準に基づいて府省等が判断すべき問題であるというふうに思います。
 なお、この健康保険及び厚生年金保険の本人負担分を使用者たる国が払うということについては、健康保険法及び厚生年金保険法において事業主と被保険者がそれぞれ保険料の半額を負担すると規定をされておりますから適切ではないというふうに考えます。

 吉川春子君 これはまともな場合でありますよね、労使折半というのは。しかし、それを特許庁は見落としていたわけですから、それを更に賃金も安い方々に30何万払えって、過酷な状態じゃないですか。
 それで、資料の3を見ていただきたいんですけれども、「アルバイトのみなさんへ」と、これも特許庁総務部秘書課の文書ですけれども、勤務形態が1から10まであります。それで、その1から7までは社会保険の適用を受けないものですけれども、8、9、10は、これ社会保険料を払わなきゃいけないわけですね。
 この文書によりますと、この8、9、10は選ぶことができませんと、選んじゃいけませんと言っているんですけれども、その理由は特許庁、どうしてですか。

 政府参考人(村田光司君) お答えいたします。
 私ども特許庁におきましては、臨時事務職員の業務内容につきましては定型的な事務作業を担うものであると、こういうものにつきまして常用的な短時間勤務形態ということを原則といたしております。こういうことでございまして、このたびの指摘を受けまして、このように勤務形態を変更したものでございます。

 吉川春子君 ともかく、特許庁が忘れていて社会保険に加入していなかった、そして2年間さかのぼって30何万も多い人は取られる、そしてしかも、今後は社会保険の加入の労働時間についてはそれは選んではいけません、これはもう本当にひどい話ですよね。
 民間企業、ディズニーランドは払っているわけですよ、自分たちの落ち度だから。それが法律と何とかで払えないって、これは余りにも身勝手じゃないですか。国はこんなに働く人に対して冷たい姿勢を取っていいものでしょうか。私は総務大臣、そこは自分たちに落ち度があるんだから、やっぱり法律の規定というのはそういう落ち度のないときに労使折半と決めているんであって、落ち度のあるときは、国に対してだって公務員に対してだって損害賠償要求できるでしょう。損害賠償とは言えませんけれども、こういう問題について、やっぱり法律がこうなっているからという理由は成り立たないと思いますけれども、総務大臣、いかがお考えですか。

 国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたように、非常勤職員を厚生年金だとかあるいは健康保険に加入させるか否かについてはそれぞれの府省庁がもう判断をされることでありますから、私どもがこのことについて言及をする立場ではないということは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で、先ほど申し上げましたけれども、この本人負担分については、使用者、国が払うことについては健康保険法及びこの厚生年金法において事業主と被保険者それぞれ半額を支払うという規定になっておりますので、そのことが適当でやはりないのかなというふうに考えています。

 吉川春子君 自分が誤りだったと責任認めたわけですから、それについてはきちっとそれに対応するような行動を取ってもらわなきゃならないし、誤りがいかにもなかったかのように、しかもさかのぼって2年間まとめて払わなきゃいけないというのは、これは大変なことなんですよ。だから、そういうことについて、やっぱり非常に私は特許庁の態度、そして今総務大臣が、入れるか入れないかは百歩譲って各省庁が判断してアルバイトを雇うとしても、こういうミスを犯したことについて全く反省がないと、これは許されないと思うんですよね。
 
 それで、人事院にお伺いしますけれども、国のパート、アルバイト、非常勤職員に対する雇い方というのはもう本当にひどい状態でございまして、今ワーキングプアという話もありますけれども、この勤務表を見ていただきますと、みんな10万円前後なんですよね、1カ月で。これではとても暮らしていけないというような訴えも私どものところに寄せられていますけれども、で、しかも社会保険には入らない、有給休暇は与えない。で、しかもこんな社会保険に入れないために給料は安く抑えているわけですね。こういうようなやり方、しかもその人たちがいないと公務は回らないんですよ。
 人事院、やっぱり人事院規則にこんなことをやってもいいんだと、こういうふうに人事院規則に書いてあるんですか。

 政府特別補佐人(谷公士君・人事院総裁) 非常勤職員の勤務条件につきましては、常勤職員との均衡、権衡、あるいは民間準拠の考え方の下に、休暇等を中心としまして私どももいろいろ制度を考えてまいりました。しかし、基本的には、行政の様々な必要性に基づきまして、その従事いたします職務の内容、それから勤務時間等、非常に多様でございます。したがいまして、それらの雇用期間、勤務形態、あるいは様々な処遇ということにつきましては、各府省において予算の範囲内で御判断いただくということが基本になっております。
 特に、今御指摘のございました社会保険の関係につきましては国家公務員共済組合法の適用となっておりませんので、一般の国民の方と同じように厚生年金、健康保険の加入という対象になっておりますので、私どもとしてはその点については何とも申し上げられません。そういうことでございます。

 吉川春子君 こういうパート、アルバイトの働かせ方は人事院規則でオーケーだと、推奨すると、こういうふうには考えていませんよね、まさかね、人事院ですからね。
 私は、人事院が平成14年の8月8日に公務員制度改革に向かうべき基本的方向の中で、フレックスタイム制、短時間勤務等の拡大ということで、非常勤職員に関しては、現在まで十分な制度的整備がなされておらず、非常勤職員が、常勤職員とほぼ同様な勤務実態を有しながら、定員等の都合で非常勤として採用されているといった運用が見られるところであると。こうした現状を是正するために、非常勤職員の範囲の明確化や給与、勤務時間、休暇等の処遇や身分保障について、各省が十分連携し、制度的な整備を検討する必要があると、こういう積極的な御提言も出していますね。
 こういう立場に立って、人事院ももう少し御検討いただけますでしょうか。再度伺います。

 政府特別補佐人(谷公士君) 私ども、以前に申し上げましたような問題意識というのは現在も持っている、それはそのとおりでございます。
 ただ、この非常勤職員制度の見直しにつきましては、民間における正社員と有期雇用者、それからパートタイム労働者との均衡の問題でございますとか、それから公務における非常勤職員の位置付けの問題、それから財政上の問題、いろんな問題があるわけでございまして、そういう意味で関係の府省と十分議論して対応することが必要でありますので、私どもといたしましては、これらのことも踏まえまして引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。

 吉川春子君 引き続き検討していただきたいと思います。
 ともかく、国家公務員の3分の1が非常勤なんですよ。そして、その方たちの大多数がもう、言葉は私は好きではないんですけれども、いわゆるワーキングプアと言われて、働いても一人で生活できない、将来にわたっては社会保険も雇用保険も適用できない、そして現状としては有給休暇もわざわざ与えないんですよね、途中で解雇して2週間ぐらい間を置いて……。そういうようなことが、国が率先してやっている。民間準拠かもしれません。民間でそういうひどいことをやっているところはあると思います。しかし、国がそういうことをやってはいけないと思うんですよね。
 人事院総裁、こういう問題について人勧のときに報告でも勧告でも、やっぱり今パートをどうするかというのが最大の問題ですから積極的に対応していただきたいと思います。いいですね。

 政府特別補佐人(谷公士君) ただいま申し上げましたように、引き続き検討してまいりたいと考えております。

 吉川春子君 終わります。

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