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2007/01/08

経営労働政策委員会報告「解説」

 昨日から職場に泊まり込んで仕事……。
 労働相談の対応やニュース作り。今週10日は、内閣府前で、年明け初の早朝宣伝です。
 関係者のみなさん、よろしくお願いします。

 さてさて、いま、だいたい仕事が終わったので、日本経団連の経営労働政策委員会報告をサクサクッと解説(批判じゃないよ)して、帰って寝ようっと……(笑)。

 日本経団連がまとめた07年度版の『経営労働政策委員会報告』を読む。
 財界はこの日本社会をどのように変えようとしているのか。経労委報告は、それを端的に語っているから面白い。
 サブタイトルは「イノベーション(革新)を切り開く新たな働き方の推進を」。今回の報告は、従来型の労働者の働き方にねらいを絞って根本から変えるという宣言だ。

 文中、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」というカタカナが何度も出てくるが、その意味は「労働時間の短縮や休暇取得に関することではなく、企業労使の、新たな自律的な働き方への挑戦」(23P)、注意深く読み進めていくと、企業戦略に適した人材を労使の個別管理で育成することだということが分かってくる。「個別管理」とは、言い換えると「多様化した管理」ということであり、想像するとちょっと恐ろしいけれど、労働者が内在するさまざまな個性まで会社が管理していくということなんだ。「ワーク・ライフ・バランス」と「個別管理」……、要注意のキーワードだ。

 過日、この「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を使って物議を醸(かも)してくれたのが安倍首相だが、ホワイトカラー・イグゼンプションを導入すれば、労働者は残業しなくなって早く帰宅するから少子化対策になると発言した。彼の発言のタネ本は、この経労委報告に間違いない(笑)。安倍首相の理解は浅かったけれど、骨の髄(ずい)から財界に○○を握られているのは確かだ。

 「個別管理」「多様化した管理」に関して言うと、財界は、管理職のみならず、労働組合に期待を寄せているのだから連合もなめられたものだ(53P)。「報告」は、安定した労使一体型の経営こそが、「企業内コミュニケーション」を充実させると主張している。

 要するに財界は、会社に文句を言うような労働者(労働組合)やトラブルメーカーは労働審判で即刻排除し、賃金が下がろうが残業代がなくなろうが過労死するまで黙々と働く労働者を孤立させて囲い込んでいく……(孤立させる必殺のカードは、おなじみ目標達成評価型の成果主義賃金制度だ)。評価とリンクした賃金制度によって労働者を競争させ、バラバラにして働かせる。バラバラになった労働者のすさんだ心をケアするのが、管理職と企業内労働組合だというわけなんだ(笑)。財界は、マジで、そんな「新しい」労務管理システムを再構築したいと考えている。

 それゆえ「生産性の向上如何にかかわらず横並びで賃金水準を底上げする市場横断的なベースアップは、もはやありえない」(49P)とか、労働基準法の労働時間(一日8時間・週40時間)の規制撤廃とか、「割増賃金の引き上げに断固反対」(42P)とか、「労働分配率の高低を一律に論じるべきでない」(51P)とか、さらには派遣労働者の直雇用義務撤廃(派遣労働者の永続化)とか……、まったく驚くべき提案が並んでいる。

 通常国会に財界の要求丸のみの労働法制大改悪案が上程される予定だが、政府・与党内から「経営者は人件費削減ばかりでなく、従業員が報われる雇用環境の整備にもっと力を入れるべきだ」という、法案提出に消極的な意見も出てきており、なお紆余曲折が予想される。

 しかし、露骨な内容の法案をまずチラつかせて(とりあえず)引っ込める、国民のなかに免疫が出来たころに再提出する……、これが電通に操(あやつ)られた自民・公明の常套(じょうとう)手段なんで、みなさん、気を引き締めて労働契約法案の「粉砕」運動を展開しましょう。

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