語る春闘。
こんばんは。
国公労連も国公一般も来春闘に向けて動き出しました。
国公労連は、全国の国公職場のある自治体におじゃまして、1.国民の権利保障を後退させる公務・公共サービスの民営化や「市場化テスト」の安易な導入を行わないこと、2.公務・公共サービスを民間委託する際には、コストに偏重することなく、入札する事業者に対し、業務の質の確保をいかに図るか明らかにさせるとともに、雇用する労働者が自立して生活できる賃金を保障させること、の柱を議会請願してもらう運動にとりくみます。
この運動は、各都道府県労連の春闘統一行動のとりくみとガッチリリンクさせて進めるものなので、まさに官民一体の春闘を実現していきたいと思います。
最近の国公一般が抱えている団体交渉のひとつに、ある省が業務委託する会社の契約社員が部門ごと全員解雇されるという事案がある。解雇された若者たちの雇用契約書を読むと、なんと1カ月自動更新・1年任期という不安定な内容だった。妻子を抱えている青年労働者もいた。しかし、会社は「金がなくなった」「退職承諾書に判子を押せ」と迫ってきた。若者たちは、まさに突然、この師走の路上に放り出された……。
省側は、これまで国家公務員が従事してきた仕事をどんどんセクション化し、業務委託へと出していく。理由は二つ、「定員削減で人間がいない」「予算がない」。これまでは、業務委託会社は、随意契約で業務を一手に引き受けることができ、なんとか甘い蜜を吸うことができた(省側から会社へ天下るなんてことは当然だった……)。ところが、財務省からの査定はどんどん厳しくなり、省側は、随意契約から競争入札へと業者選定のルビコン河を渡った。その際の基準は、ずばりコストのみ、これまでこだわってきた公務の質の維持などではなく単なるコスト……、どれだけお金をかけずに業務を丸投げできるかどうか、どれだけ安くセクション化した業務をたたき売りできるか、ただそれ一点へと収れんしていったのだ。
団交相手の会社側は言う。
「部門ごと入札を落とせば、部門消滅型の解雇にならざるを得ない」
「省側から急にハシゴを降ろされた気持ちだ」
「われわれ経営側も苦しい。断腸の思いで解雇に踏み切らざるを得なかった」
「省側は、これまで口をすっぱくして言っていた個人情報の保持や内部機密の保持といった公務の質の維持から、とにかくコストだけしか見なくなった。われわれを出し抜いて入札をものにしたのは派遣会社だった。まるで労働ダンピングではないか」
いま、全国の自治体に対して公契約条例を策定してほしいという関連業者組合の運動が広がっている。
この春、国公労連がやろうとしているのは、国の業務をめぐって、きちんとしたルールを作るべきだ、安かろう悪かろうでは国民の安全と安心は守れない、という言わば「公契約法」制定運動の序章といったものだ。
国公一般は、まさに市場化テストの本格始動によって、職場丸ごとの大量解雇阻止や不安定労働者の生活保障などセーフティーネットとしての役割を果たしていきたいと思っている。
そのためには、僕は書くだけでなく、語れなければならない(笑)。
自分や自分と近いところで偉そうに語るのではなく、国家公務員のことなど何も分からないような国民のみなさんに向かって、わかりやすく、バランスよく、やさしい言葉で、説得的に、具体的に、感情を込めて、心から、どんな質問にも答えるように努力し、そんな感じで要請行動や団体交渉にのぞんでいかなければならない。
僕にとっての07春闘は、名付けて「語る春闘」。
頑張るぞ。
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