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2006/12/07

団体交渉で日暮れて……

 みなさん、こんばんは。

 この3日間は、ココログのメンテナンス期間だったので、記事も書けないわコメントも書き込めないわで、少しフラストレーションが溜(た)まっておりました。どんどんコメントを寄せてください。

 しかし、昨日の朝、内閣府のみなさんには、いち早く機関紙「国公いっぱん」でお知らせしたように、ある省の契約社員10人が結束して国公一般に加入し、勇気を持って「ボーナスよこせ」と訴え、いま団体交渉に立ち上がっていたりします。
 さらに、本日は、(もともと時間の問題でしたが)外務省と初めて話し合いを行いました。僕は、それぞれの準備や予備折衝などで、まさにテンテコマイだったので、この3日間、記事を本当にエントリーできたかと問われれば、無理だったかもしれない(笑)。

 まさに団体交渉で日暮れております……。


 さて、昨日の「朝日」3面には、看過できない記事が載っていました(黒字に注目!!)。

 派遣の直接雇用義務の撤廃、規制改革会議も答申へ
                              
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が今月末まとめる最終答申の原案が5日明らかになった。派遣労働者を巡る規制の抜本見直しが主眼で、企業が派遣労働者に直接雇用を申し込む義務を撤廃するよう提案、07年度中の実施に向け検討を急ぐよう求めている。
 また、労働組合の団体交渉権を、組織率が一定割合以上の組合に限る考え方を初めて打ち出している。

 労働組合の団体交渉権は現在、少数の組合員しかいなくても、使用者は正当な理由がない限りは団体交渉を拒否できないことに なっている。一方、米国では、過半数の労働者の支持を得た労組のみが交渉権を獲得する排他的交渉代表制がある。今回の原案も「使用者に過重負担を課すものとなっている」と指摘している。

 つまり、政府は、われわれ国公一般のような小さな個人加盟組合が団体交渉を行えないような、そういう労働法制に改悪しようとしているわけだ。その裏を言えば、われわれ国公一般のような個人加盟組合が、どんどん大きな省庁と会社と団体交渉をしてきて、ホントに大きな成果を上げているということに、相手側は相当ダメージを負っている、ということなのだ。

 「(少数組合の団交が)使用者に過重負担を強いるものとなっている」って、使用者の連中、お前ら、バカか? 
 お前ら、法律を堂々と破り、脱法行為を続け、セクハラ・パワハラを行い、不当な解雇をし、不安定雇用労働者を増やし……、さらに、正規職員の大組合が、そういう当局の違法行為を黙認してきたから、われわれのような小さな個人加盟組合が登場し、当局との容赦ない団体交渉で勝ち続けることで、均等待遇の流れや格差社会の問題点が大きく浮かび上がってきたわけだろうがっ。

 すべて責任は、お前ら使用者にあるんだよっ!!!

 そろそろ政府の規制改革・民間開放推進会議、それから経済財政諮問会議、そのなかでも、とくに御用学者で「研究学会の鼻つまみ者」と噂(うわさ)されている八代尚宏らのデタラメな議論に反論していかなきゃな、と思ったりしている。この男は、基本的に派遣社員として、あるいは契約社員としてフルタイムで働くこととはどういうことなのか、まったく分かってないくせに偉そうなことを言っているふしがある……(笑)。


 八代尚宏(やしろ・なおひろ)
 国際基督教大学、東京大学卒業。
 米メリーランド大経済学博士。経済企画庁、上智大学、日本経済研究センター理事長を経て現職(国際基督教大学教授)。経済財政諮問会議の民間議員。

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コメント

 朝日の記事は私も大変気になり腹立たしく思っていました。まったく、八代氏をはじめとする規制改革・民間開放推進会議や経済財政諮問会議に集まっている方たちというのは、徹頭徹尾、企業・使用者の利益追求のためならば、どんなこじつけでも言ってきます。素直な目で、世間を見れば今、働く者・労働者がどういう状況におかれていて、どういう対策が必要なのかは、わかるはずと思います。「労働ビッグバン」の施策などそのままやられたら、「人間生活大破壊」にしかならないと私は思います。
 国公一般のような形態の労働運動が未来を照らしはじめたかと思っていたときに、あの朝日の記事を見て、心底腹が立っていました。それほど大きくはない記事だったけど、ガブリさんが取り上げて、八代氏批判をしてくれて少し溜飲が下がりました。

投稿: yi | 2006/12/07 午後 09時38分

 yiさん、コメントありがとうございます。
 
 先日放映されたNHK「ワーキングプア2」は、ご覧になりましたか?
 今回は、働いても働いても生活保護以下の暮らしを強いられている女性たちの姿を追っていましたが、泣けてきました。そのなかで、八代氏が「なによりも経済発展だ」「経済成長なしに暮らしの向上はない」「中小企業も企業であり、利益がないところには存在しない」といった発言を繰り返していました。
 八代氏は、いま大企業が、バブル期よりも利益を上げている事実や地域で果たしてきた中小企業の役割をどのように考えているのか、訊きたくなりました。

 今後ともよろしくお願いします。

投稿: 国公一般担当者 | 2006/12/15 午後 03時32分

コメントいただきました。急いで勉強しないと、法律がどんどん変わってしまいますから、気をつけてください。憲法と労働法は変えられないようがんばりましょう。

投稿: siinoki-law | 2006/12/15 午後 07時05分

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