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2006/12/27

ユニオンに入って残業代を請求しよう。

 こんにちは。

 昨晩の記事を書き止めにしようと思っていたのですが、いったん書いてアップしたものの、諸事情から下書きにした記事があったことを思い出し、あらためて事実確認した上で、この記事を再アップします。

 これまで僕がサポートしてきた牛丼チェーン「すき家」で働くアルバイトたちの粘り強い団体交渉で、大きな前進が切り開かれました。
 ユニオンの専属オルグの河添(かわぞえ)さんからメールが届きました。

 年末のあわただしいときですが、転送・添付・トラックバック歓迎のブログです(笑)。
 牛丼の「すき家」で働いている青年たちを知っている方は、首都圏青年ユニオンの活躍ぶりを伝えてあげてください。

(ここから)
 首都圏青年ユニオンの河添(かわぞえ)です。

 牛丼チェーン「すき家」を経営する株式会社ゼンショーが、11月分給与(12月8日振込み)から、全アルバイト従業員(約6000人)について法定どおりの割増賃金を支払い始めました。

 「すき家」では、1カ月の労働時間の総計が175時間を超過した場合にのみ割増25%分をつけるという、まったく法的根拠のない計算方式を採用していました。
 当然のことながら、こうしたやり方は、明白な労働基準法違反であり、多額の未払い残業代を毎月毎月発生させる仕組みになっていました。

 この問題は、首都圏青年ユニオンが今年の7月に会社側に指摘し、9月に是正を約束させていたのですが、会社側は、組合員以外、まったく実行に移していなかったようです。しかしながら、この間の首都圏青年ユニオンのマスメディア等の追い風も利用しながらの追及に、ついに観念したというところです。

 しかしながら、ゼンショーは過去2年分の未払い残業代の支払いについては「根拠が明らかでない」とまったく、それこそ明らかでない(苦笑)回答を続けています。大事なことは、東京の組合員には、2年分の残業代が支払われているということです。

 この問題を徹底して追及して、なんとしても他のアルバイトさんにも過去2年分についても認めさせるたたかいを強めます。

 御注目を!
(ここまで)

 
 読者のみなさんの知り合いで、「すき家」で働いている方がおられたら、「ユニオンに加入すれば、過去2年間分の残業代を支払わせるかもしれないよ。全国で働くアルバイトたちがユニオンに入り始めているよ」と伝えてくださいませんか。

 来年の通常国会において、会社は残業代を支払わなくてもいいという労働法改悪が待ちかまえていますが、ことはホワイトカラーワーカーだけの問題ではありません。労働者全体の労働条件を引き下げていく財界の策動は、絶対にぶっ潰さなければなりません。

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2006/12/26

今年もお世話になりました。

 こんばんは。

 今年の「がぶり寄り」は、今夜で書き納(おさ)めいたします。
 労働相談は、年末年始も受けつけておりますので、左側のメールフォームから送信下さい。

 来年の国公一般は、1月10日(水)から内閣府前での早朝宣伝を開始します。
 同日、第3回執行委員会も行いますので、執行委員の方は、忘れずに年越し下さい(笑)。

 

 さて、今年1年の(極めて個人的な)反省なんですが、やっぱり、結婚できなかった……ということでした(苦笑)。
 この前、地下鉄銀座線の新橋駅で入手した東京メトロのフリーペーパーを読んでいたら、「蝶々」とかいう女性が「作家の村上龍さんが、『35歳を過ぎて結婚していない男は、なんらかの問題がある』と言っていた」と書いていましたが、一読した僕は、「こいつら、人権侵害甚(はなは)だしいこと言っとるな~~ッ」と大変憤慨(ふんがい)したのですが、しかしいま、自分の胸に手をあててよ~く考えてみると、あくまで僕の場合なんですが、やっぱり、僕っていう人間は、かなり問題がある……ということを、悔しいけれど、認めなくてはならないな、と思っております。

 僕という人間を形成してきたのは、平気で嘘(うそ)をつく、平気で自分を偽(いつわ)る、相手の信頼を堂々と裏切る……、一応は反省してみるが、心から反省しない……、そういう、まったくどうしようもないことばかりなのでした。ただただ、労働組合運動のフィールドにおいてだけは、そういうことがないように心がけている、そのことで毎日が必死なのでした。
 
 こんな男が結婚できるわけない(!!)。

 さて、話はかわりまして(笑)、「天声人語」的なコラムで今年の幕を引きたいと思います。


 今年もあと僅(わず)か、心に残った言葉をいくつか紹介したい▼「本省で死にたくなければ、労働組合に加入して自分の意見を主張すること」。「不夜城」と呼ばれる霞が関で組合の役員になった女性の言葉だ。彼女は「組合に加入して自由になった」と言う▼「王侯貴族と奴隷の関係だから悩みなんて言えない」。本省庁でサービス残業を強いられている事務補佐員の言葉だ。「王侯貴族」である課長は、非常勤職員の彼女に「トイレに行くときには報告せよ」と言い渡し、監視を強めていた。「霞が関は狂っている」と確信した一言だった▼今年3月、国立情報学研究所非常勤職員の雇い止め事件の判決は「(非常勤職員の任用更新の当否は)道具を取り違えるのとは訳が違う」「適正な手続きを践(ふ)み、相応の礼を尽くすべき」とのべ、初めて国の雇い止めを無効とした。感動したっ!!▼「次に入ってくる職員さんのためにも、私が辞める直前まで、国公一般と一緒に職場を変えていきたい」。初めて霞が関の非常勤職員が国公一般に加入したときの言葉だ。驚く僕の目の前に差し出された加入届と組合費千円札のまぶしさよ▼これらの言葉を力に、来年も元気よく活動を広げたい。

 読者のみなさん(なぜか、一日1000人近い方々に、このブログ「がぶり寄り」を読んでいただけるようになり、僕は、とても驚いているのですが)、よい年末年始をお過ごし下さい。

 今年、数々のコメントやトラックバックをしていただいたブロガーのみなさん、本当にありがとうございました。来年は、紹介していただいたブログにトラックバックが出来るようにしたいと思います。

 ではでは。

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2006/12/25

労働法に覚醒せよ。

 こんばんは。

 今日は、午前中、労働基準監督署に行き、監督官に相談。
 求職中の組合員4人が駆けつけ、不安や「おかしい!!」と思っていることを監督官に訴えました。監督官は、丁寧に説明してくれ、今後のアドバイスまでしていただきました。本当にありがとうございました。

 最寄りのJR駅に向かう道すがら、ある組合員が「労働相談から団体交渉へと進んで、これからのたたかいの道のりは決して短いとは思えないけれど、すべて初めての経験で、毎日、労働法とか勉強になっています」と呟(つぶや)いた。
 僕は、「そうだよね。普通は、こんな経験ってしないものね」と言い、「でも、この経験を、いつまでも忘れないでほしいんだよね」と言う。
「僕が労働組合の活動のなかに働きがいとやりがいを見いだすとするなら、とりあえず食える給料をくれるとか団体交渉が面白いとか、そういうことではなくて、さまざまな人との出会いのなかから、あなたのように働く者としての権利に目覚め、働く者の権利を行使する……、そんな労働者として学び成長する姿に同伴できるからなんですよね」
 組合員の彼女は、言う。
「雇用契約書が、こんなに大切なものだということを知りました。契約書にあいまいなことしか書かれてなければ、労働基準監督官も動けないということも……。わたし、今年の4月、いとも簡単に判子とサインをしましたけれど、そのときにボーナスのこととか契約更新のこととか突っ込んで聞かなきゃならないところがたくさんあったんですもの……」
「……でも、労働者一人ひとりは弱いから、おかしいと思う点があっても契約の段になったら、やっぱりサインしちゃうよね」
「初めてづくしのたたかいのなかで学んだことを、これからの暮らしに生かしていかなくちゃいけないよね」
「うんうん」

 若い組合員たちは、この10月末、会社からの突然の解雇通告を契機に、2人から6人へ、そして10人の大きな団結の塊(かたまり)へと成長していった。そうして、全員参加の団体交渉を2回行うなかで、会社は「絶対に払わない」と主張していたボーナスを3分の1まで払うというところまで追い詰めているのだ。
 そうして10人の若者たちは、師走の空の下、求職活動に必死だった。

 ……あと、もう少しだ。
 僕は、心の底からそう言ってあげたかった。

 労働者一人ひとりの力は、とても小さい。
 けれど、会社と労働者が対等に話し合える場は、労働組合法に定められている団体交渉しかないのだ。
 働く者が、そういうことを含めて労働法を学ばなければならない。労働法を学ばなければ、これからの狂った社会をサバイバルしていけない。「権利は、眠れる者を保護しない」と言われる所以(ゆえん)だ。

 ああ、そういう僕は、法律の勉強がまったく出来ていない(笑)。

 午後からは、職場で3件の労働相談を行う。
 一つは、不当解雇。
 二つは、元上司のパワハラ。
 三つ目は、職場の人間関係。

 ……この年末、なかなか大変になってきた。

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2006/12/24

イヴに気になる労働相談。

 こんにちは。

 みなさん、今日は、クリスマスイヴですね。
 今年のイヴは日曜日なんですね。
 どうりで東京・有楽町あたりで歩いているの、幸せそうな(オシャレした)カップルが多いわけだ。

 そんなときに、僕は、なんで職場で仕事をしているのでしょうか? それも一人で(笑)。
 
 その理由は、休日こそ労働相談が寄せられる日だから。

 メールの受信箱を開くと、ななな、なんと204通の未読メールが舞い込んでくる。
 そう、そうなんです……、年末とか年度末は、労働相談が増える時期なので、このメールの山から、相談者が必死の思いで送信してくれた相談メールを探し出し、週明けには、とりあえずの返信を返さなければならないのですね……。
 あなたの相談メールは、しかと受けとめました。
 しかし、いま、国公一般はたくさんの争議を抱えているので、もう少し、お待ち下さい。

 さあ、もう一仕事、がんばろう。

 あ、そうだ……、今夜は、2年ぶりに内幸町のスーツカンパニーに注文した冬用スーツ2着も忘れずにもらってこよう。
 ああ、そうだ……、クリスマス・ツリーをいただいたN子ちゃんにお返しとして牛革のガンベルトをハンズで買うの、忘れないようにしようっと(笑)。

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2006/12/21

お礼。

 こんばんは。

 今夜は、お礼です。

 この間、霞が関で働く非常勤職員の労働条件を調べていて、そのためには、民間で文書で渡されている、いわゆる「雇い入れ通知書」「雇用条件明示書」を集めていました。各省庁に電話を入れてメモしたところもあれば、このブログの呼びかけに応えて当の非常勤職員が国公一般のところにファクスや郵送してくれたものもあります。

 そのお陰で、結構集まりました。

 年明けから、分析に入りたいと思います。

 協力していただいた方々、本当にありがとうございました。

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2006/12/20

外務省前の攻防戦(第1ラウンド)

 こんばんは。

 今朝は、国公一般の定例の宣伝行動でした。
 いつも毎月第1水曜日は、内閣府前(本府、4号館前)で行い、第3水曜日の朝は、外務省・財務省前で行うことになっています。もう何年も続いている活動です。僕は、午前8時前には出勤し、機関紙「国公いっぱん」(外務省・財務省分それぞれ500枚)や緑色の組合旗や腕章(わんしょう)など宣伝資材を準備し、国公労連の街宣車(右翼ではありません、念のため、宣伝カーとも言います……)を霞が関へと回しました。

 午前8時30分、外務省前に組合員がぞくぞくと結集すると同時に、麹町警察署の紺色警察官たちが警棒をカチャカチャ鳴らしてやってきます。毎度のことですが、警察官が「どこの団体の方ですか?」「今日は、何時までやりますか?」と言い、僕たちは呆(あき)れた感じで「いつもやっているでしょうが、みなさんおなじみの国公一般ですよッ」「9時半まで、やらせていただきますよッ」と答える。警察官たちはローテーションで外務省前に配置されているのですが、配置換えのときに、お互いの班同士で、申し送りをまったく怠っているために外務省前の情勢を学ばないまま送り出される。だから、警察官たちは、僕たちに同じことを「尋問」し、僕たちは、毎回まったく同じことを答えるはめになる。まさに、役所体質、無駄の権化だ。

 ところが、今朝の麹町警察官は違った。
「外務省前での宣伝は止めていただき、農林省前に行って宣伝してくれないか?」と言ってきたのだ。さらに、「宣伝許可証はあるのか?」とも聞いてきて(笑)、「あなた方の宣伝を認めると、右翼も認めなくてはならない」という訳の分からないことを言い出す。そもそも農林省前ならいいとは、農林省をバカにした発言だ(笑)。

 国公一般の委員長は、警察官のお願いを即刻却下し、拡声器の電源を入れる。マイクを握って、「あ~、あ~」(笑)。
 僕は警察官に向かって「もう何年も外務省前でやってきているんですよ。あなたたち、知らないとは言わせませんよ」「僕らは、外務省に向かって労働条件を改善せよと訴えているわけで、右翼や極左殺人暴力集団などの政治団体とは関係ないんですよ。なんで今日に限ってこんなにたくさんの警官が妨害しにくるんですか?いい加減にしてくださいよ」とマイルドに問い詰める。
 警官の一人は、「わかってる、わかってるんですよ。し、しかし、署の方から言われているんだ。署の方針らしいんだ。われわれも仕方ないんだ」と言いながら、困った顔をする。
 そのうち、武闘派の副委員長が「なんじゃい、なんじゃい」と言いながら、警察官6人の群れに割り込んでいく。小競り合い寸前、一気に緊張感が高まる……(笑)。
「あんたら、外務省前で宣伝行動をしちゃいけないという法的な根拠を示しなさいよ。公務員の行動は法令にに従っておこなわれるんだから。何の法律の、何条に外務省前でやっちゃ駄目って書いてあるんだよ」
「……」
「われわれ国家公務員の労働組合は、サービス残業是正とかセクハラ・パワハラ止めよとか、そういう当たり前のことを主張しているだけでしょうが。あなたたち警察官は団結権も制限されて組合さえ作れないんだから、われわれは公務員として代弁してあげてもいるんだよ」 
 組合員はそれぞれビラを抱えて霞が関駅の出入り口に立ち、職員に手渡していく。委員長は、警察官に取り巻かれたまま、拡声器で演説を始める。僕は、委員長の肝のすわった態度に驚きつつ、敬服する。一方、武闘派の副委員長は、警察官のなかの偉いのかどうかわからない中心人物に、改めて警察法の趣旨(しゅし)を教え諭していく。
「あんたら、民主警察官というのはさァ……」

 警察法
 第1章 総 則
 第1条 この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めることを目的とする。
 第2条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
 2 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。
 第3条 この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。

 みなさん、ここの黒字強調部分は、重要ポイントです……(笑)。
 
 副委員長は、「みなさんのやっていることは、われわれ労働組合の表現自由を抑圧・制限することになりますよ。外務省前は駄目で、農林省前でやってくれとは、まったく筋が通らないでしょうが。それとも丸の内署と麹町署とでは方針が違うのか。それに、ここは天下の公道ですよ」と、どんどん警察官を理詰めにしていく。
 委員長が演説を終え、次々と組合員が演説をリレーしていくが、取り巻く警察官の数は変わらない。壁のように拡声器の前に立ちはだかっている。
 警察官が5、6人も立ちはだかって取り囲むと、何も悪いことをしていないのに、異様な雰囲気になるから、ホント嫌だよな~(笑)。副委員長が「あんたたちこそが、通行の邪魔になっている」と突っ込む。

 僕らは、どんどんビラをまく。職員が次々に手に取っていく。
 
 外務省と総務省との間を警備している(暇そうな)警察官に、僕が訊く。
「何で、今朝は、こんなに警察官がからんでくるんですか? まさか、外務省本省が麹町署に頼んだんじゃないでしょうね~~」
「(焦った感じで、首をぶんぶん振って)いやいや、それはありません。麹町署からの単独の指令です。とにかく、止めてくださいって言っているんですよ」

 ビラをまきながら、「組合側に大義あり、勝利を確認!!」と思ったけれど、現場を守る警察官が悪いわけでもなく、彼らも大変だよな~~と思い直した、外務省前の攻防戦(たぶん第1ラウンド)でした。

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2006/12/19

職場にクリスマスツリー(写真付)。

 こんばんは。

 今日は、朝から最悪でした。

 駅前の駐輪場に置いていた自転車が盗まれていたからです(!)。
 昨晩、かなり遅くなったので別の駅から歩いて自宅マンションに帰ったのがいけなかったわけですが、普通、鍵(かぎ)をかけている他人の自転車を盗むかな~(怒)。区が委託している駐輪場管理のおじさんに訊(き)いたら、「毎日のように盗まれているんですよ。鍵をかけようがかけまいが関係ない、とにかく盗む奴(やつ)は盗むんだよね」「うちの区は、23区のなかで一番空き巣の多い区だから、自転車なんかは鍵を二つか三つ付けた方がいいよ」と言うから、聞きながら僕、ション・レノンがイマジンしたユートピアってのは、あと100年は訪れないと確信する(笑)。
 
 ただ、おじさんの話で聞き捨てならなかったのは、

「盗む奴は、鍵を壊して乗るだけ乗って乗り捨てる。乗り捨てられた自転車は、放置自転車として回収される。通知を受けたあなたが、回収された自転車を取り戻すためには、別途5000円かかるんですよ」

 ……という言葉。
 え、何? 盗まれた上に自転車を取り戻すのに5000円必要だとは……(!)。
 僕が「そんなの、おかしい」と抗議すると、おじさん、管理者に対して盗まれたことを証明する用紙を申請すれば大丈夫、とのこと。同時に、警察に盗難届を出すように、とも。
 まったく馬鹿馬鹿しい。

 午後は、四谷にある東京法律事務所に行く。いま国公一般が抱えている労働争議についてのアドバイスをもらうためだった。さすがに若い弁護士は、要所を押さえた話をコンパクトにしてくれる。時間の節約、感謝。

 四谷のホームで地下丸の内線を待っているだけで寒い。
 いよいよ僕の嫌いな冬が来た。朝、自転車を盗まれたことが頭から離れず、憂鬱(ゆううつ)な気持ちになる。日曜日、前かごとストッパーを新しいものに代えたばかりだった、いくら古い自転車だといっても忌野清志郎さんの名曲「雨上がりの夜空に」を暗唱して歌えるほどの愛車だったのだ。畜生ー!! 悔しいー!! まったくムカムカがおさまらない。

 そのあと、大事な会議に入る。

 会議が終わって席に戻ると、僕のデスクの隣りに、大きな箱が置いてあった。宅急便だ。差出人を見ると、住所が書かれていないが、僕の知っている女性だった……。中身は、「クリスマスツリー」と書かれている(!)。
 大きな箱にはビニールが被されていて、それを剥(は)いで上から覗(のぞ)くと、生木のクリスマスツリーが現れた。小さめの緑の樅(もみ)の木、金色の星がチラチラあしらわれていて、サンタさんが赤い機関車に乗っている模型が白い鉢(はち)に刺されている。
 Tree
 鉢ごと移動させようとしたら、鉢受けのところに何か書かれているカードが!!

 誰にも知られないようにカードを抜き取り読む(笑)。

「HAPPY X`mas 国公一般 頑張っているみなさんへ。いつもお疲れさまです。職場のすみにでも置いてください。○○○子より」

 

 か、か、かかかかか、感動だ~~~。


 
 自転車が盗まれたぐらい、どうってことないでしょうが!!
 僕よ、ぐだぐだ言ってんじゃないよ(笑)。

 みなさん、今度の日曜日、クリスマスですよ、クリスマス!!!
(あ゛あ゛あ゛あ゛~、誰か、僕と一緒にケーキを食べてくれ~~~)

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2006/12/18

働く者が労働法を知らない矛盾。

 こんばんは。

 国家公務員の労働組合の活動を本格的に始めて気がついたことは、国家公務員は、これまで労働法を知らなくてもよかった(過去形)、ということだった。いま独立行政法人化とか非公務員型へ移行とか、従来、国家公務員が働いていた職場が民間労組法や民間労基法が適用される民間化にされることで、改めて労働法という法律を学び生かすという活動が始まっている。
 例えば、労使間で労働協約を締結するとか就業規則を決めるとかいう場合、早速、労組法や労基法は何を規定しているのかが問われる。過半数代表とか、なかなかシビアなことが書いてある。

 僕が担当している国公一般は、本省庁で働く国家公務員だけでなく、霞が関に派遣されている派遣労働者や業務委託されている企業の労働者など民間労働者を組合員として迎えているので、団体交渉の申入書(要求書)の起案や団体交渉の準備のために、僕は、国家公務員法だけでなく、労働組合法や労働基準法を勉強することになる。
 国公一般は、ルールに照らして要求できるという要求しか主張しないので、会社側の気持ちは別にして、絶対に負けることはない(笑)。これは、会社に対して最低限のルールを守らせるというたたかいで、いま一番大切な運動になりつつある。
 僕の友人は、「いま若者たちの足下は泥沼になっている。個人加盟の労働組合の存在意義は、その足下にブルーシートを敷くことだ。つまり、最低限、自分の足で歩けるような労働環境を作ること。それは、企業に対してルールを守れと迫っていくことなんだ」と言った。
 
 そうか……、大義あるのは、僕らの方なんだ。

 ただ、ここでも感じることは、民間労働者もまた労働法を知らない、ということだ。会社は、もっと知らない。
 トラブルになったとき、労働者一人で会社にかけあって撃沈する例が無数にある。日本国憲法には団結権が規定されていて、労働組合法には、労使が対等に話し合える場としての団体交渉について書かれている。そのルールにのっとって粛々(しゅくしゅく)とやればいいだけのことなのに、そのことすら知らされていない。政府・財界が、来年の通常国会で労働法を改悪しようとしているとき、労働者がみずからの権利である労働法を知らないという現実を、本格的に変えていかなければならない。

 労働法は、現代史と同じく、学校で教えられていないことが痛い。

 だれか、労働者のための学校を作らないかな~~。

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2006/12/14

「近代日本文学の終焉」批判序説

 こんばんは。

 今日、団体交渉中の会社Sから「内容証明郵便」が僕のところに届けられ(笑)、夜は夜で別の会社Bと団体交渉しました。書記長が出張しちゃうと、とたんに役員品薄の国公一般から出撃しなければならないのは僕爆撃機だけで、会社の会議室、ずらっと並ぶ役員さんとたった一人の僕、2時間あまり丁々発止(ちょうちょうはっし)やりやうのは、本当に疲れる。失敗すれば、会社から労働審判に持ち込まれたりして、今日のように突然に、内容証明郵便が届くことになる(笑)。

 こんな日々を2年半続けてきて、最近、分かったことは、日本の純文学が衰退する理由である(笑)。
 文芸誌『文学界』『群像』『新潮』『すばる』、そして『文藝』……、かつて僕が毎月愛読していた雑誌は、もうほとんど見えない彼方に遠のいてしまった。ニッポンの「批評家」柄谷行人は、日本は近代を達成したので(近代的人間は書き尽くされたから)近代文学は終焉(しゅうえん)せざるを得ない、残された物語は些末なことだ、と書いたが、そんなことが理由なのではない。

 日本文学が終焉する本当の理由は、日本の労働者には、純文学を読む時間と精神的なゆとりがまったくないということ、それだけである。日本の純文学がつまらないとか、すべては書き尽くされたとか、そんなことが大きな問題なのではない。戦後だけ振り返っても日本の純文学の質は高く、さらに遡及(そきゅう)して、近代的人間の端緒が、競争と情愛(福沢諭吉)のなかで人間同士が「他人とは何か?」と問い、それを探究することにあったとするなら、その問いの答えは未だに提出されていないし、いま「描き尽くされた」などと宣(のたま)うのは、文学貴族たちの傲慢(ごうまん)に他ならない。
 科学にならって言わせてもらうと、人間の姿が描かれれば描かれるほど、人間の闇(やみ)の部分は広がっていくものなのだ。

 
 昨日の労働相談で、僕は発見してしまったのだ。
 その労働相談は、ある省庁で働く契約労働者が、昼休み中に読書していた、あるいは作業ズボンの後ろポケットに文庫本をしまっていたという理由で「自宅待機命令」を受けたという事案なのだった。自宅待機命令を求めたのは会社の上司ではなく、実は、彼の同僚たちで、ひとりで本を読んでいる彼が「協調性が欠けている」「自分勝手な行動」と映ったらしいのだ。同僚たちは、会社に対して「○○氏の件での嘆願書」を出して、彼を自宅待機にしてしまったのだ(!)。
 昼休み中に何をしようと、そして、ポケットに何を入れようと、それは労働者の自由なのである。なのに、読書する彼を村八分にする集団性が、この日本社会に醸成しつつあったのだ。
 夜になって、僕は、ほとんど泣きそうになりながら、彼を事務所の外に送っていった。いつもの決めゼリフ「君はまったく悪くない。悪いのは、この狂った世界の方なんだよ」と言って……。彼の背中が新橋のネオンのなかに見えなくなったとき、僕は、アルバイト時代の僕が、この時代に袈裟(けさ)切りにあったような絶望を味わって、しばらく呆然(ぼうぜん)と立ちつくしていた。
 昼休み中の彼が一人読んでいた文庫本は、中上健次さんの『枯木灘』だったかもしれないし、遠藤周作さんの『深い河』だったかもしれないし、もしかしたらドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』だったかもしれない。
 

 極めて私事になるけれど、大学の法学部に入学したはずの僕は、近代日本文学の泰斗(たいと)・夏目漱石の小説と偶然に出会ってしまったことから、まったく授業に出ずに、日本と世界の小説ばかり読む日々を送った。そのお陰で、教養部の卒業試験ではドイツ語の単位が足らず、ドイツ語教授に「天皇制について論じなさい」というお題で小論文の追試をしてもらったし(笑)、法学部では、選択した労働法ゼミすら休みがちで、最後は、卒論を免除してもらったほど、とにかく小説ばかり読んでいた。
 
 卒業した僕は、大手メーカーや大手銀行のキャリアや上級公務員になっていく仲間を尻目に、一介のアルバイト生活に入り、新聞配達を筆頭に、倉庫番や引っ越し、古本屋さん、コンビニ、家庭教師、予備校講師、さまざまな仕事を転々としながら、漠然と、好きな本を読み、好きなことを書いて一生暮らせたら最高だよな~と思い、誰にも見せることのない駄文を綴(つづ)って、とにかく本ばかり読んでいた(笑)。
 予備校講師のとき、一度だけ労働組合について教えてもらったことがあるが、その労働組合は、全共闘くずれの自己顕示欲の強い講師だけが集まった「文句言い」の集まりに見えて、まったく魅力がなく、加入しようとは思わなかった。つまり、当時の僕は、働くルールを学んだり賃上げの運動なんかをする時間があれば一編の短篇小説を読んでいた方がいいという価値判断を下したのだった。
 お陰で、大学の4年間を含め14年の長きにわたって四畳半アパートで暮らし、愛した人とも結婚もできないまま、ここまで来てしまいました(笑)。

 あれから10年が過ぎて、僕は作家になることもなく、国家公務員の労働組合の、単なるオルグとして生きている。読書に投じる時間があれば、解雇された人やパワハラやセクハラで心傷ついた人の相談と解決に奔走する時間にあてたいと思っている。しかし、僕の「職場で傷ついた他人を何とかしたい」という思いは、紛れもなく近代日本文学が抱えた宿痾(しゅくあ)の痛みそのものだと自覚している。はるかなる20代の読書時代がなければ、いまの僕の心に芽吹いた痛みの感受精神はないだろうと思うし、職場を転々として働いた日々がなければ生まれなかった芽だ。現代日本のすぐれた作家たちは、一人の例外もなく、この痛みをどのように乗り越えればいいのかを豊かな想像力でのみ模索している。

 24時間灯りの消えない「不夜城」霞が関を毎夜のように見上げながら、ここに日本の純文学が読まれる空間はないという確信にいたる。大蔵省をすぐに辞した三島由紀夫さんは、きっとそう思ったに違いない。そうして、昼休みの間、ささやかな読書をする労働者を職場から弾き出そうとする、同僚たちの凶暴な集団性を発見するとき、近代日本文学の終焉の理由は、作家の精神性や創造性の枯渇とか小説という形式の賞味期限といった歴史性ではなくて、実は、われわれが働いている、この日本社会そのものが、純文学など排除してしまえと言わんばかりの暴力装置と化しているからなのだと気づくのである。

 われわれが本を読まなくなったから、ではなく、この狂った世界で生き残るには、純文学を読んではいけないのである。

 今夜は、ほとんど泣きそうだ。

 くだらない政治家、くだらない会社役員、くだらない省庁官僚……、お金も権力も、すべてを手にしているはずの彼らには、純文学だけがすっぽりと抜け落ちている。逆に、僕には何もないが、純文学だけがある(笑)。

 今夜は、ほとんど泣きそうだ。

 かつて、若き大江健三郎さんは、飢えている子の前で文学は可能か?と自問した。
 再び僕は自問する、純文学なんて読む時間な~い、読む余裕すらな~い、純文学など読んじゃ駄目~とされる日本社会で身を粉にして働く労働者の前で、やはり純文学は可能なのか?と。

 僕は、小さな声で答えたい。
 「……それでも純文学は可能だ」と。

 そのためにも、遅ればせながら、僕は法律を本格的に学ぶのだ(笑)。

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2006/12/13

恥を知れ!!

 こんばんは。

 今日の午前中、東京・お茶の水にある全労連会館に行き、労働運動専門誌『学習の友』編集部に原稿を渡し、ついでに全労連にも寄り、組織部の幹部の方とコーヒー飲みながら、今後の労働運動のあり方について意見交換しました(なんか、こう書くと、自分が偉い人のように見えるから不思議だな……)。

 午後、虎ノ門の立ちそばや「小諸そば」で、新メニュー「冬うどん」(これは、ふるさと愛知県岡崎市の八丁味噌を汁で溶いた味噌煮込み風うどんで、結構いけますよ!!)をツルツルと食べ、そのまま霞が関の東京高裁818号法廷に急ぎました。なぜなら、午後1時15分から、国立情報学研究所非常勤国家公務員「雇い止め」事件の控訴審判決が言い渡されるからなのでした。

 ブログ読者のみなさんなら、記憶に新しいと思いますが、今年3月に下された一審判決は、天地がひっくり返るほどの画期的な内容で、国の「雇い止め」を解雇権の濫用として違法と断罪し、原告である元職員の労働者性と損害賠償を認めるものでした。裁判長の、すばらしい文章は、今年のベストフレーズとして機関紙「国公いっぱん」12月号「今年を振り返って心に残った言葉」に引用してしまったほどでした(笑)。
 だって、これまで長いこと「雇い止め」を国の裁量の範囲内だとはねてきた裁判所が、とうとう任用関係においても、きちんとした手続きが必要なのだと初判断した判決でしたから。

 前置きが長い? それには、悲しい理由があるのです。

 さて、法廷818号室に遅れて入ってきた裁判官は、礼を交わすなり、主文朗読……、一審判決が明快に認めたはずの①労働者としての地位、②損害賠償、いずれをもひっくり返し(取り消し・棄却)、なななんと、理由も述べないまま、退出しようとした、そのとき(!)。

「恥を知れ!!」

 傍聴席から、我慢ならんという感じで支援者から厳しい一声が裁判長の背中にぶつけられました。すると裁判長は振り向き、声がした方に向かって5秒ほど睨(にら)みをきかせた。
 
 たかだか1分ほどで閉廷。

 僕たちは、廊下に出て控え室にぞろぞろ移動。30人をこえる支援者たち、日本最強の弁護団、マスコミの記者たちが、この最悪最低な判決内容について検討を加えていった。
 伊藤弁護士は、「最悪な判決だが、一審判決によって大きな光が見えたことは間違いない。その意義は、失われることはない」とのべました。この裁判には、たくさんの学者たちが意見書を提出、全労連は1万4000筆の署名を提出、支援の輪が全国に広がったのでした。
「これらはすべて、次のたたかいの武器となるはずです。がっかりする必要はありませんよ」(伊藤弁護士)
 続いて上条弁護士は、「最悪の判決を前に、一審の説得力は、ますます広がるでしょう。高等裁判所は、もともと実質的な審理をしようとしなかった。一審の効果はなくなるけれど、事実と道理に立った一審判決が出たという社会的事実は消えない。負けても負けても運動が続く限り、きっと勝てる」と力強く激励してくれました。
 
 そうこうしているうちに判決文を持って入ってきた黒岩弁護士、判決理由を読み上げながら、「……問答無用に切り捨てる形式判決です。これが法というものでしょうか?」と問いかける。僕は、ほとんど泣けてくる。判決は、任用行為だから雇い止めをしても解雇の濫用権をゆがめる余地はない、そもそも契約したときに任期満了を自覚できた、とのべ、原告側の主張を吟味するどころか高みから一刀で切り捨てていたからだ。実質的な判断をまったくしていないのですよ。
「上告して最後までたたかいたい。希望を捨てないでいきましょう」(黒岩弁護士)
 その他、「準備書面を読まずに判決文を書いたのではないか」「われわれの論に触れていない」「予想していた判決だが、本当に残念だ」「引き続き署名やカンパ、よろしくお願いしたい」などの声が寄せられました。

 冬の寒風吹きすさぶなか高裁を出た。
 霞が関を歩きながら僕、だらしのない僕、忙しくて停止していた法律の勉強を再開しようと心に強く誓ったのでした(笑)。それから、なぜかわかんないけど、韓国語も勉強しようと思ったのでした(笑)。

 「冬うどん、マシソソヨ~」

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2006/12/12

語る春闘。

 こんばんは。

 国公労連も国公一般も来春闘に向けて動き出しました。

 国公労連は、全国の国公職場のある自治体におじゃまして、1.国民の権利保障を後退させる公務・公共サービスの民営化や「市場化テスト」の安易な導入を行わないこと、2.公務・公共サービスを民間委託する際には、コストに偏重することなく、入札する事業者に対し、業務の質の確保をいかに図るか明らかにさせるとともに、雇用する労働者が自立して生活できる賃金を保障させること、の柱を議会請願してもらう運動にとりくみます。
 この運動は、各都道府県労連の春闘統一行動のとりくみとガッチリリンクさせて進めるものなので、まさに官民一体の春闘を実現していきたいと思います。

 最近の国公一般が抱えている団体交渉のひとつに、ある省が業務委託する会社の契約社員が部門ごと全員解雇されるという事案がある。解雇された若者たちの雇用契約書を読むと、なんと1カ月自動更新・1年任期という不安定な内容だった。妻子を抱えている青年労働者もいた。しかし、会社は「金がなくなった」「退職承諾書に判子を押せ」と迫ってきた。若者たちは、まさに突然、この師走の路上に放り出された……。
 
 省側は、これまで国家公務員が従事してきた仕事をどんどんセクション化し、業務委託へと出していく。理由は二つ、「定員削減で人間がいない」「予算がない」。これまでは、業務委託会社は、随意契約で業務を一手に引き受けることができ、なんとか甘い蜜を吸うことができた(省側から会社へ天下るなんてことは当然だった……)。ところが、財務省からの査定はどんどん厳しくなり、省側は、随意契約から競争入札へと業者選定のルビコン河を渡った。その際の基準は、ずばりコストのみ、これまでこだわってきた公務の質の維持などではなく単なるコスト……、どれだけお金をかけずに業務を丸投げできるかどうか、どれだけ安くセクション化した業務をたたき売りできるか、ただそれ一点へと収れんしていったのだ。

 団交相手の会社側は言う。
「部門ごと入札を落とせば、部門消滅型の解雇にならざるを得ない」
「省側から急にハシゴを降ろされた気持ちだ」
「われわれ経営側も苦しい。断腸の思いで解雇に踏み切らざるを得なかった」
「省側は、これまで口をすっぱくして言っていた個人情報の保持や内部機密の保持といった公務の質の維持から、とにかくコストだけしか見なくなった。われわれを出し抜いて入札をものにしたのは派遣会社だった。まるで労働ダンピングではないか」

 いま、全国の自治体に対して公契約条例を策定してほしいという関連業者組合の運動が広がっている。
 この春、国公労連がやろうとしているのは、国の業務をめぐって、きちんとしたルールを作るべきだ、安かろう悪かろうでは国民の安全と安心は守れない、という言わば「公契約法」制定運動の序章といったものだ。

 国公一般は、まさに市場化テストの本格始動によって、職場丸ごとの大量解雇阻止や不安定労働者の生活保障などセーフティーネットとしての役割を果たしていきたいと思っている。

 そのためには、僕は書くだけでなく、語れなければならない(笑)。
 自分や自分と近いところで偉そうに語るのではなく、国家公務員のことなど何も分からないような国民のみなさんに向かって、わかりやすく、バランスよく、やさしい言葉で、説得的に、具体的に、感情を込めて、心から、どんな質問にも答えるように努力し、そんな感じで要請行動や団体交渉にのぞんでいかなければならない。

 僕にとっての07春闘は、名付けて「語る春闘」。
 頑張るぞ。

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2006/12/11

独り言なんで無視してください。

 こんばんは。

 今日は、組合員にメールを出したり、資料をおくったり、はたまた「国公労新聞」新年号のインタビュー記事を速攻でまとめたり、夜は、とある省庁の労働組合の会議に出たりして、いまやっと帰局しました。
 しかし、まあ、今日も一日、元気に働いたな~という感じです。
 
 なんだか久しぶりに缶ビールを飲みたい気分になって、買ってきました(笑)。
 飲みながら、失礼します。


 さてさて、最近つくづく感じることは、近年の年功序列制と終身雇用制の破壊によって、遅かれ早かれ、正規職員で組織する企業内労働組合は、恐竜の運命をたどるであろう、という確かな予感……。国公産別で言えば、各省庁内の正規の国家公務員で組織する労働組合は、数十年後には、いまより、かなり小さい規模になるだろう、ということは間違いない。
 道州制の導入で、本省庁と地方とが分断されれば、それで命脈は尽きます。

 ただ、このとき、もっとも不幸なのは、各省庁の正規職員労働組合が、いま一番悲しい思いをしている非常勤職員を一方的に抱え込んで組織してしまっている、という大問題なんだな。
 ここからは、僕個人の意見なんですが、正規職員の組合に抱え込まれた非正規職員の組合員は、たぶん自らの要求を選ぶ(決定する)自決権を持たなくなる。最後の最後に、正規職員の組合本部が、予算を前にして、本省庁と勝手に手打ちしてしまうからだ(笑)。もちろん、正規の国家公務員労働組合には、地域で暮らす国民のみなさんと協同して非常勤職員の要求を実現していくという壮大な(ローカルユニオニズム的な)運動戦略は展開しようもないだろう。

 つくづく感じるのだよ……、国公一般が大きくなる可能性は、極めて小さいのだと。
 いや、原理的に述べれば、国公産別運動において、国公一般が大きくなる可能性は十分にあるのだが、各省庁別組合が、非正規職員を自前で組織していく以上、その展望はほとんどないということなんだな。国公一般は、結局、限りなく、民間の一般労働組合に近づいていく一方なのである(笑)。


 国公一般が結成されて4年も経とうとするとき、いまだに「国公一般の活動は、各省庁組合の組織拡大と競合する」とか「組織オルグは、費用対効果を考えるべきだ」とか抜かす輩(やから)が後を絶たないのだけれども、そういう輩には、……はいはい、もうしばらくで消えますから、僕の独り言、僕の独り相撲、あと少しだけ、黙って見守っていてくださいよ、としか返事のしようがない(笑)。

 

 賃上げ、賃上げって、なんだか悲しいね~。
 あんたのまわりの労働者がどんな働き方をさせられているのかをよく見てご覧よ(笑)。

 ああ、少し酔い過ぎた。
 ああ、法律の勉強、もう4週間やれていない(笑)。

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2006/12/08

ノンキャリ覆面座談会(笑)

 こんばんは。
 はっきり言って疲れています……(泣)。

 ただ、みなさんに読んでもらい記事がありますので紹介しますね。

 ノンキャリ覆面座談会--国家公務員の言い分

 Ⅱ種職員の悲哀を感じさせつつも、国家公務員バッシングへの「反論」となっています。
 

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2006/12/07

団体交渉で日暮れて……

 みなさん、こんばんは。

 この3日間は、ココログのメンテナンス期間だったので、記事も書けないわコメントも書き込めないわで、少しフラストレーションが溜(た)まっておりました。どんどんコメントを寄せてください。

 しかし、昨日の朝、内閣府のみなさんには、いち早く機関紙「国公いっぱん」でお知らせしたように、ある省の契約社員10人が結束して国公一般に加入し、勇気を持って「ボーナスよこせ」と訴え、いま団体交渉に立ち上がっていたりします。
 さらに、本日は、(もともと時間の問題でしたが)外務省と初めて話し合いを行いました。僕は、それぞれの準備や予備折衝などで、まさにテンテコマイだったので、この3日間、記事を本当にエントリーできたかと問われれば、無理だったかもしれない(笑)。

 まさに団体交渉で日暮れております……。


 さて、昨日の「朝日」3面には、看過できない記事が載っていました(黒字に注目!!)。

 派遣の直接雇用義務の撤廃、規制改革会議も答申へ
                              
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が今月末まとめる最終答申の原案が5日明らかになった。派遣労働者を巡る規制の抜本見直しが主眼で、企業が派遣労働者に直接雇用を申し込む義務を撤廃するよう提案、07年度中の実施に向け検討を急ぐよう求めている。
 また、労働組合の団体交渉権を、組織率が一定割合以上の組合に限る考え方を初めて打ち出している。

 労働組合の団体交渉権は現在、少数の組合員しかいなくても、使用者は正当な理由がない限りは団体交渉を拒否できないことに なっている。一方、米国では、過半数の労働者の支持を得た労組のみが交渉権を獲得する排他的交渉代表制がある。今回の原案も「使用者に過重負担を課すものとなっている」と指摘している。

 つまり、政府は、われわれ国公一般のような小さな個人加盟組合が団体交渉を行えないような、そういう労働法制に改悪しようとしているわけだ。その裏を言えば、われわれ国公一般のような個人加盟組合が、どんどん大きな省庁と会社と団体交渉をしてきて、ホントに大きな成果を上げているということに、相手側は相当ダメージを負っている、ということなのだ。

 「(少数組合の団交が)使用者に過重負担を強いるものとなっている」って、使用者の連中、お前ら、バカか? 
 お前ら、法律を堂々と破り、脱法行為を続け、セクハラ・パワハラを行い、不当な解雇をし、不安定雇用労働者を増やし……、さらに、正規職員の大組合が、そういう当局の違法行為を黙認してきたから、われわれのような小さな個人加盟組合が登場し、当局との容赦ない団体交渉で勝ち続けることで、均等待遇の流れや格差社会の問題点が大きく浮かび上がってきたわけだろうがっ。

 すべて責任は、お前ら使用者にあるんだよっ!!!

 そろそろ政府の規制改革・民間開放推進会議、それから経済財政諮問会議、そのなかでも、とくに御用学者で「研究学会の鼻つまみ者」と噂(うわさ)されている八代尚宏らのデタラメな議論に反論していかなきゃな、と思ったりしている。この男は、基本的に派遣社員として、あるいは契約社員としてフルタイムで働くこととはどういうことなのか、まったく分かってないくせに偉そうなことを言っているふしがある……(笑)。


 八代尚宏(やしろ・なおひろ)
 国際基督教大学、東京大学卒業。
 米メリーランド大経済学博士。経済企画庁、上智大学、日本経済研究センター理事長を経て現職(国際基督教大学教授)。経済財政諮問会議の民間議員。

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2006/12/04

公務員200万人がワーキングプアになる日

 こんにちは。

 各省庁との団体交渉で明け暮れる日々を送っております(笑)。
 一昨日、昨日と休日返上でニュース作りをしていました。

 その合間に、マスコミの取材に応じております。
 
 今朝、書店に並んだ『週刊東洋経済』の最新号(12月9日号)の特集「落ちる中間層――ワーキングプアより深刻なホワイトカラーの没落」

 そのなかの、ショッキングな見出し「公務員200万人がワーキングプアになる日」。全国の国家公務で働く非常勤職員のみなさん、必見の内容になっています。

 労働組合も頑張ります。

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