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2006/05/09

教育基本法は憲法の理想を実現するためにある(上)

 今日は、内閣府前での早朝宣伝(機関紙「国公いっぱん」第18号を配りました!)を振り出しに、法務省→総務省→財務省と霞が関をテクテク歩き回りました。財務省の地下の仮眠室前を通り、その奥のトイレで一服しているとき、ふと「あ、僕、36歳になっちまってた……」と、自分の誕生日を気づかずに日々を過ごしていたことに思い至(いた)りました(笑)。

 うわ~、36歳だってよ~。

 もう十分、僕、いい大人なんで、これからの未来を担う子どもたちのことなど柄でもなく考えたりなんかして……、だから今夜から2日連続で、いま国会にかかっている教育基本法の「改悪」案の問題点を聞いた、三宅晶子さん(千葉大学教授)へのインタビューをエントリーしますね(聞き手は、国公労連教宣部)。

 ◇基本法は憲法の理想を実現するためにある

 --そもそも教育基本法とは何でしょうか。

 三宅 教育基本法はその前文にあるように、「憲法の精神にのっとり」その「理想の実現」のために作られたものです。「戦争する国家のための国民づくり」を進めた戦前の軍国主義教育を根本的に転換し、国民主権や基本的人権、平和主義など憲法の「理想の実現は、根本において教育の力にまつべきもの」(教育基本法前文)としています。
 ですから、憲法の精神にのっとらないで教育基本法を変えることは違憲であり、やってはならないことです。

 ◇「心」と「態度」のあり方まで細かく法律に書き込む

 --政府の「改悪」案のどこが憲法に反するのでしょうか。

 三宅 いちばん大きな問題は、憲法第19条の「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」に反することになる「愛国心」の強制です。

 --「愛国心」という明確な言葉は入りませんでしたが。

 三宅 「愛国心」という言葉は入っていませんが、本質的にはまったく同じことです。
 改悪案に新たにつけ加えられた「教育の目標(2条)」で、「伝統と文化を尊重し…我が国と郷土を愛する」態度を養うとしています。さらに、「豊かな情操と道徳心」「公共の精神」など「心」と「態度」のあり方まで細かく「教育の目標」として法律に書き込まれようとしていることが重大な問題です。

 --どういうことでしょうか。

 ◇「学習指導要領」改定で172校が愛国心通知表

 三宅 大綱的な基準でしかない「学習指導要領」に、「国を愛する心」の育成が2002年に明記されました。すると、小学6年生の通知表の社会科の評価項目に「愛国心」を盛り込んだ公立小学校が、「全国で少なくとも11府県28市町の172校」(朝日新聞03年5月3日付)にのぼりました。

 ◇教育現場を統制の場に

 もし、教育の最上位の法律である教育基本法に「国を愛する態度を養う」ことなどが「教育の目標」と明記されたならば、法的拘束力を持って、学習指導要領や教科書を変え、教師に対する職務命令や評価、処分をともなって、教育現場を統制の場に変えることになります。
 本来、憲法26条が保障する「教育を受ける権利」は、憲法13条「個人の尊重」や19条「思想及び良心の自由」を必須の条件としてのみ実現されるものです。「愛国心」だけでなく、「心」や「態度」など人格のあるべき姿を国家が法律で決めることは、そもそも法の任務からの大きな逸脱です。

 --「教育の目標」とされる「国を愛する態度」はどうやって評価するつもりなのでしょうか。

 三宅 「愛し方は人によって違う」というのでは評価できませんから、どう愛するかという表現の仕方などについて、国が基準を示して評価することになるでしょう。
 現在、東京都で「日の丸・君が代」が教育現場に強制されています。子どもは、「君が代」斉唱で起立するか、大きな声で歌うかで評価され、教員は起立しないと処分される事態となっています。学習指導要領に「国旗・国歌」を「指導するものとする」と一言入っただけでこのような状況ですから、改悪案が法制化されると、教育現場でどれほどの強制力を持つことになるかは容易に想像できます。

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