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2006/04/27

組合的ウェブ進化論(笑)

 最近の「がぶり寄り」は、なぜか知らないけれど異常なアクセス数の高まりである。

 それゆえなのか、いわゆる「迷惑メール」が来るわ来るわ……、昨日なんて、「お礼」とか「お疲れさまです」とか「お世話になります」とか、タイトルだけ読むと迷惑メールとはわからないメールの山積のなかに、「初めまして」っていうタイトルの、本物の非常勤職員さんからのメールがあったものだから、ホント、参った参った(笑)。
 
 鈍感な僕は、いつものようにバシバシ上から削除していって、見事にそのメール、見落としていました(苦笑)。
 お昼過ぎになって、書記長から「……がぶりちゃん、セクハラに苦しんでいるという非常勤の彼女のメール、ちゃんと対応しなきゃ駄目だよ」と言われて、初めて「エッ、何、それ」って感じで、慌てて「削除済みアイテム」をのぞき、まったくどうしようもない「迷惑メール」ばっかの汚泥の海から、大切な大切な、非常勤職員が送信した白く輝くメールを見つけ出したのだった。

 とんでもない、セクハラ職場を告発するメールだった。最近はもう、驚かなくなりました。
 
 それで、早速、彼女のところに返事のメールを送った。
 すると夕方、彼女からメールが届いて、
 そのあと、「国公一般に入りませんか、月1000円です」と書いて再度メールを送ったら、
 彼女から「入ります、入ります」という返信がすぐ届き……、
 こんな風にして、国公一般の組合員が増えるという不思議な時代感覚を改めて感じたのだった。

 いま、遅まきながら梅田望夫著『ウェブ進化論』(ちくま新書)を読んでいるのですが、彼は、ブログの本質について「新しい連帯感の再構築」と語っていて、それは、僕の実感と重なるものだ。
 なんだか連合も「消費増税反対」の運動をネットで展開し、著名なブロガーとの共同・団結を呼びかけ、脱・デモの運動を展開する方針らしいし(「毎日」4月19日夕刊)、なかなか面白い時代が到来したものだと思う。

 しかし、組合運動の本質は、人間と人間との連帯というアナログ感覚は忘れちゃいけないな、とも思う。

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2006/04/26

日米両政府の海兵隊グアム移転費「合意」に抗議する(談話)

 日米両政府の海兵隊グアム移転費「合意」に抗議する(談話)

 訪米中の額賀防衛庁長官は4月23日、ラムズフェルド米国防長官と国防総省で会談し、在日米軍再編で焦点の一つとなっていた在沖縄米海兵隊のグアム移転経費について、総額102億7千万ドル(約1兆1千900億円)のうち、59%にあたる60億9千万ドル(約7千億円)を日本政府が負担することで合意した。この合意も踏まえ5月初旬には、在日米軍再編にかかわる「最終報告」が取りまとめられることになる。

 国公労連は、今回の「合意」が二重の意味で問題だと考える。
 一つは、海外の米軍基地強化費を出す根拠は、我が国の法体系にも日米地位協定にもなく、外国の領土に軍事基地を建設する費用の負担は、税金の不当支出に他ならないことである。「米軍再編特別措置法」をつくるなどの手だてを講じて、費用負担に道を開くことは、恒久平和を宣言し、財政民主主義を規定する憲法に照らしても許されない
 二つには、この「合意」が、アメリカの軍事戦略に日本を組み込み、日米安保同盟の軍事同盟化をさらに進行させ、自衛隊と米軍の一体化をも目的とする在日米軍強化の突破口とされていることである。沖縄・名護市への普天間基地の移転や、岩国の米軍基地の「機能強化」などとグアムへの海兵隊移転は一体不可分のものである。
日本政府は、沖縄からの海兵隊員8千人のグアム移転が沖縄の負担軽減のためであるかのように描き、移転費用の負担はやむをえないかのように説明しているが、それは在日米軍基地再編の全体像を隠蔽したためにする論議に他ならない。

 国公労連は、アメリカ政府言いなりでまとめられた今回の「合意」に厳しく抗議し、その撤回を強く求める。
 在日米軍再編経費の日本負担は、海兵隊のグアム移転費のほかに、沖縄の新基地建設、米軍部隊の移転などに伴う米軍基地施設の追加提供などで、総額3兆円に達するという指摘もある。小泉内閣は、財政難を口実に「小さな政府」づくりをすすめ、公務員の大幅削減、医療・社会保障の切り捨て、消費税率の大幅引き上げを狙っている。アメリカ最優先でこれまで以上に経費負担を増やせば、国民生活予算をますます圧迫し、さらなる痛みを国民に押しつけこととなるのは明らかである。

 加えて、強調しなければならないことは、岩国市における住民投票の結果にも示されているように、米軍基地再編にかかわる自治体と住民の多くが、増強や移転に反対していることである。主権者の「意思」の上に、政府間の「合意」を置くことは、民主主義を蹂躙する全体主義的な対応である。日米政府が、暴挙を繰り返す在日米軍基地の再編を強行しないよう強く要請する。
 国公労連は、在日米軍基地の再編強化反対、憲法9条を守れ、米軍基地も軍事同盟もない日本をめざす運動を大きく発展させるため、引き続き奮闘する決意である。

                             日本国家公務員労働組合連合会
                             書 記 長  小 田 川  義 和

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2006/04/25

今日の日程など

 どうも、こんばんは。
 霞が関的には、これから本格的な仕事です(笑)。

 書くことがいっぱいあるのだけれど、忙しいので今日の日程でお茶を濁(にご)しておきます……。

 午前中  朝一番で弁護士と打ち合わせ(東京・四谷)
       東京都労働委員会で第2回あっせん(新宿・都庁34階)

 昼休み  友人の送別会。有楽町でパスタ

 午 後  千代田青年ユニオンの団体交渉に参加(汐留の巨大ビル)
 
 さて、いよいよゴールデン・ウィークが近づいてきましたね。
 みなさんは、何をして楽しみますか?

 僕は近場の温泉宿を何泊かとって、とにかく読書三昧の予定です(笑)。

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2006/04/24

チョコカステラの味

 年度末、国公一般は、数としては少ないけれど非常勤職員らの「解雇」を阻止し、雇用を守った。「任用」が適用される非常勤国家公務員、労働基準法や派遣法が適用される派遣職員、そして請負職員……三者三様の労働条件のもとでの雇用を守ることは容易ではなかったけれど、粘り強い交渉力を最大限に発揮してきたのだ。雇用を守ったときは、まさにワールドカップに出場しているチームのキーパーのような喜びを感じたし、他方、クビ切りを許してしまったり、労働条件の大幅な引き下げを許してしまったケースでは、本当にガックリと肩を落とした。

 そんなこんなで今日、国公一般がかかわった非常勤職員から手紙が舞い込んだ。
 年度末の3月のある日、信じられない労働条件の引き下げを一方的に宣告され、彼女は国公一般に電話をかけてきたのだった。国立情報学研究所の「雇い止め」事件の判決をネットで読んで、「非常勤は道具じゃない!!」と勇気づけられたと言い、「こんなの、絶対に納得できない」と怒るのだった。
 この案件は、(僕が別の労働相談で動いていたので)書記長が対応したのだが、彼女と職場との関係やその周辺の聞き取りなどきめ細かな対応を続けているのがわかった。時間はどんどんなくなる、交渉日をどうするか、誰が出ていくか。しかし、一番大切なことは、「あなたが組合に入って交渉しなければ、解決しない」ということに尽きる。

 彼女の手紙は、「みなさまのお陰でどうにか元気が戻ってきています」と書き出され、「みなさまに出会うことができなければ、いつまでも私は自分自身を取り戻せずにいたと思います」とあった。
 非常勤職員の思いが惻々(そくそく)として胸を打つ手紙だった。

「人間は人間として生きていてもいいんだ、という日本国憲法の方が、国家公務員法よりもまさっていると思います。いつか私もみなさまのように、国家公務員法によって差別され苦しめられている非常勤職員……、悲しみから立ち直ることに時間がかかっている仲間のためにお役に立てるときまで勉強を始めたいと思います」

 書記長が大きな包みを出してきた。
「彼女が手紙と一緒に送ってきたんだ」
 その包みは、チョコレートカステラだった。僕は食べることはできないと思った。だって、結局、国公一般の懸命な交渉むなしく当局の強引な提案を撤回させることができず、彼女は大幅な賃下げを受け入れざるを得なかったからだ。国家公務員の職場に労働基準法が通じないという大きな「壁」を改めて感じた事案だった。
 書記長は、包み紙を破りながら言った。
「……彼女が立ち上がることで、どれだけの人が励まされ、解決のために動いただろうか。たとえ良い結果を勝ち取れなかったとしても、少なくとも彼女は国公一般という労働組合と出会い、学び、そして働き続けるんだよ。俺たちにとって、それ以上の成果はないじゃないか」

 げんきんな僕は、その言葉を聞いて切り分けられたカステラの二切れを口に入れた(笑)。こんな配慮までしてくれた彼女の事を思い出して、少し涙味というか、ほろ苦い感じがした。
 
 美空ひばりが歌っていますが、ホント、人間って素晴らしいですね……。

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2006/04/21

職場からセクハラをなくそう

 記事タイトルの原稿を、政党機関紙「しんぶん赤旗」くらし・家庭欄に書きました。
 今国会で審議される男女雇用機会均等法にも触れています。興味のある方は、ご笑覧ください。

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2006/04/19

公務職場のセクハラをなくすために

 記事タイトルの論文、女性雑誌『婦人通信』5月号に書きました。
 ご笑覧下さい。
 
 『婦人通信』編集部 03-3401-6147

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2006/04/18

マスコミとの付き合い方

 国公一般の担当者となって早2年……。
 この間、いろんなことがありましたが、あっという間の2年だったという印象が強い。ふだんは霞が関をフィールドに活動していますが、最近は東京国税局や気象庁がある大手町、はては各省庁の天下り団体であるところの独立行政法人や社団法人当局との団体交渉も加わり、ほとんど首都圏をかけめぐっている、という膨張一途の状態だ。

 100円ショップで買った名刺ホルダーはすでに4冊目に突入。
 改めて見返してみると、労働組合関係の方々の名刺が圧倒的に多いのは仕方がないとして、2番目に多いのはマスメディアで働く方々だった。大手新聞社から業界誌の記者、テレビ局のディレクター、フリーランスのライターから雑誌編集者、各政党の機関紙記者まで、実に多彩な顔ぶれで、その都度その都度の出会いとか知り合ったきっかけなどを思い出して、なんだか感慨に耽(ふけ)ってしまった(笑)。
 マスコミの方々が国公一般に注目するのは、国公一般という組合が、ひとえに国の権力機関の中枢である霞が関で活動し、その組織化を行っているからに他ならない。それがなければ、いっかいの組合オルグである僕(寝癖ボサボサ、目つき危ない、話せる話題は文学のみという貧困さ)など見向きもされないハズだ(笑)。そんな僕の前に、組合員からの告発やタレコミなどを含めて明らかになる霞が関の無法は広がるばかりで、少なからずマスコミの協力を得ながらその無法を阻止する活動にもとりくんできた。だからこそ、組合活動をすればするほど、霞が関がこのままでいいのか、いいわきゃないッ、という思いを強くするのだ。
 各省庁との団体交渉権はあるのに、組織的にはめっちゃくちゃ小さな組合である国公一般は、自前のニュースを月1回1000部ほど発行しているけれど、国民世論に訴えられるほどの力はない(笑)。そこで誠実に付き合っていかねばならないのが、僕が知り合ったマスコミの、とりわけ新聞記者の方々なのだ。その距離の取り方が本当に難しい、と最近感じている。報道する側のものの見方と組合側のものの見方が違う上に、報道の仕方も違ってくる。僕が「それは違うよ」と言ったところで、事実そのものが報道されれば、結局、組合側が意図したことと反対のニュアンスを帯びて国民に理解されることになったりする。
 しかし僕は、何度痛い目にあってもマスコミの方々の協力を得たいと考えている。なぜなら、マスコミのなかには、やはり凄(すご)いジャーナリストがいて、僕の意図をはるかにこえて物事を見通している方々がいるからだ。そういう記者たちをずっと信頼し続けたいと思う。

 ……というわけで、今夜は、ある新聞記者から「久しぶりに話を聞かせてください」との電話があり、普段はほとんど足を踏み入れたことのない自由ヶ丘にある韓国料理店に行ってきました。この春から国公労連で働き始めた若い女性書記にも声をかけ、3人でキムチ食べ食べ、マッコリ飲み飲み、この国の来し方行く末について存分に語り合ったのだった(笑)。
 しかし、あの記者、すごい記者だな~(笑)。

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2006/04/17

都庁南棟34階

 ゴシック大聖堂のような(笑)東京都庁南棟34階には、都の労働委員会のフロアがある。本日午前、僕、行ってきました。
 当局や会社との団体交渉が行き詰まったときとか、第三者の冷静な判断が必要になったとき、われわれ労働組合は都の労働委員会のあっせんに事案をかけることになるもので。

 『広辞苑』を引いてみる。
 ろうどう-いいんかい【労働委員会】不当労働行為を審査し、また労働関係の紛争が当事者間で自主的に解決できない場合にその調整(斡旋・調停・仲裁)に当る機関。労働組合法により設けられ、使用者・労働者・公益をそれぞれ代表する委員で構成する。

 今日、労働委員会のあっせんにかけたのは、ある省の独立行政法人(天下り団体)で働く女性職員の強制配転をひとまず棚上げしてください、と申し立てた事案。これまで当局と団体交渉を重ねてきたが、相手が初めて団体交渉をするっていう余りのウブさと労働基準法や労働組合法に対する無知さが加わって、ほとんど顧問弁護士に丸投げしそのまま回答してきたものだから、現状にそった実のある話し合いができないのであった(笑)。

 今年3月、組合員の女性は、突然4月から業務変更、配置転換を通告された。彼女は持病を持っており、その業務はできないとの診断書を提出したが、当局はまったくそれを考慮しないときた(笑)。団体交渉が始まっているというのに辞令を強制的に発令しようとする。普通は、民間企業なら棚上げするもんですよ、普通は。
 われわれ組合側は、強制配転の理由に合理性がなく(業務縮小と言いながら、実は、ベテランの彼女が配置換えされたあと、その穴に別の職員が入るという算段になっていたし)、これは撤回させるという目的のもと当局と話し合ってきたのだが、相手は「親心で配転を考えた」とか「配転先でも持病を悪化させずにできる業務がある」などと言い訳に終始し、配置転換にいたった合理的な説明を組合員にまったくしていないことがわかった。
 しかし、向こうにもプライドがあるので特別休暇を出して組合員を休ませ職場に出さないという手を使ってきたので、僕らは、本日のあっせんまで待ったというわけだ。

 しかし、都庁34階というのは(何度行っても)、高所恐怖症の僕には最悪な場所なのでした……(泣)。
 女性組合員から「いい景色ですね~」と言われても、僕は膝(ひざ)が震えて答えられない。だって歩道橋ですら下を見ずに真ん中をゆっくりとしか歩けない僕としては、大小のビルが重力に逆らってニョキニョキ、雲と地平線のあわいまで続き、遠く霞がかかっている、小さな鳥が悠然と飛んでいる。今回は、トイレから出てすぐの一面ガラスからそのまま真下が覗けて、そのまま腰を抜かしそうになったほどなのだ。

 そんなとき、ベテラン組合役員がやってきて、ぶるぶるしている僕に「会社側は、個人攻撃に持っていくのが常。われわれは彼女を守ることが第一。この強制配転を許せば、彼女の持病は悪化し、退職に追い込まれるかもしれない。配転にも理由が必要なんだ。そして、解雇という最悪なメダルの裏側なんだ」と真面目なことをささやく(笑)。
 瞬時に気が引き締まる(情けなっ)。
 そうして二人のあっせん委員が部屋のなかに入ってきた。

 組合のオルグとして絶対に負けられないたたかいのゴングが、耳の後ろでカーンと鳴った。

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2006/04/13

こころのメンテナンス

 いま、夜を徹して機関紙「国公いっぱん」第18号を作成しています(笑)。アドビのソフト「イラストレーター」と「フォトショップ」は使いやすいけれど、ときどきフリーズするからハラハラします、夜中、こうやって一人でコツコツ作業しているとさらに嫌~な感じもしてくる……。
 あんまり無理をすると、体を壊したり、メンタルな病気になったりするので、ちょっとセーブしなきゃな。

 ……というのも、今日読んだ、文科省の公益法人である労働科学研究所が発行する雑誌『労働の科学』5月号の特集が「こころのメンテナンス術」だったからだ。何度も書くけれど、国家公務員の長期病休者は6500人をこえていて、いま最悪の事態を迎えている。それを反映してか、特集のなかに、国土交通省の職員が体験記「悲観的にではなくうつ病を発展的にとらえる」を寄せていて、うつ病になったことのない僕だけれど、読んでて何だか泣けてきた。
 
 職員が伝えたいことを一言で言えば、うつ病になった自分を肯定的にとらえて、新しい一歩を踏み出す契機にできるかどうか、ということだろう。普通、病というものはマイナスとしてとらえがちだけれど、プラスに転化させる機会として理解するという。まったくすごい発想なんだけど、こころの病の場合、その体験から説得的に伝わってくるから不思議だ。また、小川宏さん(アナウンサー)の巻頭言「うつ病は完全に治る」も、こころの病になった者としての成長というか新鮮な優しさがひしひし伝わる文章で、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思った。

 文科省の公益法人もなかなかやるじゃん(笑)。

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2006/04/12

「非典型」労働者の組織化、その可能性の中心

 こんばんは。

 記事タイトルの論文を書き下ろしましたので、ご笑覧下さい。
 本日発売の労働運動の業界誌『季刊 労働者教育』(労働者教育協会発行、800円)に掲載されています。

 労働組合の組織率が2割を切ったいま、この病んだ時代のなかで、僕たちは労働運動の何に希望を見いだすべきなのかを書いたつもりです。タイトルは、批評家の柄谷行人さんの本からパクらせてもらい、元「日経」記者の大塚将司さんの影響を受け、蛮勇(ばんゆう)をふるい「団塊の世代」批判を展開しています(笑)。

 連絡先は、労働者教育協会 03-5842-5641。

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2006/04/11

「非常勤職員は道具ではない」By 山口裁判長。

 遅まきながらの分析記事になるけれど、先月の3月25日に下された国立情報学研究所非常勤職員雇い止め事件の判決(東京地裁民事36部・山口均裁判長)は、画期的なものだった。
 山口裁判長は、「非常勤職員に対する任用更新の当否ないし担当業務の外注化の当否については方針もあろうが、任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り違えるのとは訳が違うのである」とのべて、雇い止めを認めず、原告の労働者としての地位を初めて認めたのだ。

 これまで、数多くの非常勤国家公務員が理由を告げられることなく事実上の解雇=雇い止めされ、泣き寝入りを強いられてきた。非常勤国家公務員の仕事はハローワークで募集され、職員は入れ替わっても恒常的に存在し続け、ほとんど正規の国家公務員と変わらない内容だというのに、非常勤職員には、正規のような同様の厚い身分保障は叶(かな)わず、日々雇用(「明日から来なくていいよ」と言われたらお終い)という不安定な立場におかれてきた。
 判決を聞きながら、僕は、昨年末、セクハラ問題で交渉を始めたら任用更新を打ち切られた組合員の無念を思い出した。当局に行き、窓口で「雇い止めする理由を言え!!」と何度訴えても「理由は言えない」「契約満了だ」の一点張りだったことを思い出した。
 また、郵政の職場で働くゆうメイトや国立大学で働いていた非常勤職員など、ごく少数の労働者が裁判に訴えてたたかってきたが、裁判では「あなたたちは国家公務員だから、その任用については国に大きな裁量権がある。民間労働者と違う」と門前払いされてきた。
 勝利判決の報告集会で、ゆうメイトの裁判にも関わってきた伊藤幹郎弁護士は、「敗訴判決の山、死屍累々のなかでのたたかいだった。負けても負けても理不尽なことは訴え続けるんだ。『勝つまでやろう!』が合言葉だった」と表現した。

 山口裁判長が書いた判決文は、これまでの原告側敗訴判決を吟味し、その到達を見極めた上でのものだということがよくわかる。弁護団声明が「長年の闘いの積み重ねが、ついに、本判決をして厚かった法の壁の一角を崩させた」と書く理由だろう。一見、一人ひとりの力は無力で弱いと思われがちだが、そうではないのだと思った。
 判決は、クビ切りの権利を勝手気ままに行使してはならない、と言っている。これは、普遍的な法原理で、国家公務員非常勤職員に対しても適用される、と言っている。……泣けてくるではないか!!

 組合活動をしていて、僕は、「仁義」というものを信じるようになってきた。ヤクザではないけれど、人と人との血の通い合うような関係を「仁義」と定義するなら、山口裁判官の判決は、仁義を守ったものと言えないだろうか(笑)。
 最後に、僕が一番しびれた文章を引用する。

 「本件について見るに、国情研においては、原告ら非常勤職員に対して冷淡に過ぎたのではないかと感じられるところである。永年勤めた職員に対して任用を打ち切るのであれば、適正な手続きを践(ふ)み、相応の礼を尽くすべきものと思料する次第である」

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2006/04/10

フランスで止めた「小さな政府」路線

 週明けからクソ忙しいときに、僕のアウトルックにはどんどんメールが貯(たま)まっていく。
 一番大切な大切な労働相談メールの他に、原稿や校正の依頼、取材の件、都内のさまざまな労働組合の動向報告、各種お知らせが舞い込み、それらの2倍以上の迷惑メールがやってくる(最近、ブログのアドレスからくだらないメールが来ること来ること!)。

 そんななか、国際労働情報メールの速報メールがあって、チラッと読むと、自由・平等・博愛のフランス政府が新雇用制度を撤回し、100万人規模のデモンストレーションで反対していた労働組合・学生たちが「歴史的な勝利宣言」をあげたと報道していたのだ。
 ……す、すごい。

 フランス政府が固執した「新雇用制度(初採用契約=CPE)」とはどんなものなのか?
 調べてみると、1.企業が労働者を採用するとき、3年間社会保障負担分を免除する、2.企業が、その労働者を自由に解雇できる「見習い期間」を従来の3カ月から2年に延長する、3.この法律が適用する対象は、26歳未満の青年労働者、というものだった。
 よくよく考えると、CPEってのは、いま厚生労働省の「今後の労働契約法制のあり方に関する研究会」が議論しているテーマのなかの、「試用雇用期間制度」とよく似たものじゃないだろうか。
 僕の友人の弁護士に訊くと、彼は「この制度は、有期雇用での新採用ということだから、本採用拒否に対する判例法理はおよばない。だから、企業側が『雇用を継続しなかったのは期間が満了したからで、とくに更新する理由がなかったから』とか『たまたま有期で雇っていた人をまた改めて雇い直しただけ』というような詭弁を許すことになる」と言い、結論として「事実上、長期にわたる試用雇用を許すことになる」と言う。

 これが、労働法を学んだ僕の恩師の恩師にあたる研究会座長・菅野和夫東大名誉教授らが帰結したものだと考えると、ちょっと悲しい。

 友人の弁護士は続ける。
研究会の内容は、多国籍企業化のなかで労働者保護の労働法制を解体していく動きとも読み取れる。いわゆる資本のグローバル化=新自由主義化のなかでの労働分野における規制緩和のいっかんだろう。いま広がる雇用の不安は、国際競争力の増進を掲げて人的コストの削減を要求する財界に応じて小泉内閣が断行してきた『構造改革』そのものなんだから

 フランスの事態は、新自由主義政策=「小さな政府」路線=労働分野における規制緩和施策という大攻撃を、学生・労働者の連帯の反撃によって阻止したということだ。これは、すごいことだ。中南米政府の反ブッシュ潮流とともに大きく評価できる動きになるだろう。
 ……明日の新聞論調が楽しみだ。
 
 はたして日本でたたかう僕たちは、小泉内閣の労働保護法制解体の企てに対して、反撃できるだろうか。
 う~ん、これが大問題なんだよな。

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2006/04/08

長い出張から帰局……

 いま、長い長い出張から帰局しました。あ~、疲れた疲れた。
 しかし、めちゃくちゃ勉強になったというか、認識の発展というか更新というか、新鮮な仕事だった。
 後日、写真とともに報告しますね。
(出張先のホテルなどにインターネット設備がないと、こんなにも不安になるものかと改めて感じました。ブログも書けなかったし……)

 霞が関の電話労働相談は、結構、寄せられていたようです。
 来週から、また頑張りますよ。よろしくご指導下さい。

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2006/04/04

霞が関電話相談

 この春、国公労連は、霞が関電話(労働)相談を実施します。

 霞が関電話相談
 いじめ、セクハラ、体調の不良……職場のトラブルから、賃金などの労働条件、お気軽にご相談下さい。

 日時 : 4月5日(水)~4月7日(金)の3日間
       午前10時~午後6時

 電話 : 03-3502-6842(専用回線)

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2006/04/03

国の非常勤職員給与980億円、大半「物品費」で支出

 いまネットで読売新聞を読んだら、以下のようなスクープが発信されていた。
 ようやくマス・メディアが、霞が関の非常勤職員の扱いの酷さに気づいてくれた!!(泣)

 (読売新聞) - 4月3日14時33分更新
  国の非常勤職員給与980億円、大半「物品費」で支出 
 中央省庁が正規の職員とは別に雇用している「非常勤職員」に対し、2005年度、少なくとも計約980億円の給与が支払われていたことが3日、わかった。
 非常勤職員は計約13万6000人に上り、給与の多くは、物品購入などに充てる「庁費」の名目で予算要求されており、これまで総額は明らかにされていなかった。
 政府は今年度から5年間で国家公務員の定員5%削減(約1万7000人)を目指しているが、非常勤職員はその対象外。予算上の制約もなく、不透明さが問題となりそうだ。
 民主党の渡辺周衆院議員が全府省庁に関係資料を要求し、同日午後、衆院行政改革特別委員会でこの問題を追及する。
 それによると、支払い給与の総額が最も多かったのは、厚生労働省(社会保険庁分などを含む)で、約4万8199人に約569億円が支払われた。
 国土交通省の1万2772人に対する143億円、国税庁の5891人に約75億円が続いた。それぞれ、事務の補助や、測量や製図作成の助手など行政の補助業務を行っている。
 総務省によると、自衛隊員や国会職員などを除く一般職員の国家公務員は05年7月現在約30万人で、人件費は年間3兆284億円。定員や人件費は、総定員法や政令などで年度ごとに決められている。
 ところが、非常勤職員については、各省庁の長の承認で自由に決めることができる。予算上、「非常勤職員手当」の名目で支出されているのは全体の2割(約201億円)程度で、大半は本来、物品などの購入に充てられる「庁費」で要求されていた。中には「家庭用品等試験検査費」や「感染症流行予測調査費」などの名目もあり、予算書からはその実態がうかがえない。
 各省庁でも、「地方組織ごとに管理しており、本庁では細かく把握していなかった」(国交省)というのが実情だ。
 非常勤職員の扱いを巡っては以前から、外部から監視が行き届かないため癒着を生む可能性が指摘されてきた。01年の外務省の外交機密費流用事件では、詐欺容疑で逮捕された外務省職員の知人が非常勤職員として雇用され、週2回の勤務で月約50万円という破格の待遇を得ていたケースも明らかになっている。
 非常勤職員数は、1986年度の19万9215人から03年度の23万2069人まで、20万人前後で推移。04年度には国立病院などの独立行政法人化に伴い、13万9695人に減少したが、渡辺議員は「非常勤職員分も人件費として予算に計上すべきだ」と指摘している。

 いまから、民主党の渡辺議員のところに電話しよっと。

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