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2006/03/31

時間ともたたかい。

 フランスやイギリスやドイツで起きている巨大な労働者デモのうねり。韓国の労働組合の力強さ。国立情報学研究所で働いていた非常勤職員の「雇い止め」は無効判決の画期的さの分析。そして勝利判決を祝う会と二次会の素晴らしかった様子。連載の続きが途切れている「霞が関から数百人の非常勤職員が去る日」の記事、先週から今週にかけて敢行した3つの団体交渉、唯一残った原稿の締め切りが今日……、もう書きたいことが山ほどあるのにたくさんの仕事がある!!

 さっき、ある省庁で働く職員への突然の解雇通告という一報。
 団体交渉申入書(要求書)を書き書きして、ファクスで送る。これから、別の団体交渉。

 違法や不正とのたたかいと同時に、時間ともたたかいだ。

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2006/03/28

根深い公務における派遣法違反

 昨年から国公一般は、規約を改正し、公務に派遣されている労働者の組織化を始めましたが、公務における法律違反というか契約違反の事例が多くて、ホント、呆(あき)れるほどだ。
 そもそも労働者派遣業というのは、言い過ぎるのを承知で言うと、業務のエキスパート労働者をテキトーな期間限定で会社に有料貸し出しするというものだ。職場の管理や労働条件は、本当にテキトー。労使関係は派遣元会社と労働者の間にあって、働く現場での指揮命令は派遣先の会社の上司が指定されるという(あまり意味のない)二重性……。構造的に、派遣社員は、ほとんどモノ扱いとなる。派遣会社は、マージンを取りたくて仕方がないので、後先考えずに派遣する……という感じなのだ。

 今日の「読売」の「支えるきもち」欄は、労働組合「東京ユニオン」の委員長・関根さん(41歳)を紹介、「使い捨ては許さない」という見出しが躍(おど)っている。
 派遣社員をめぐる会社側の率直な意見として、「派遣はいわば必要なときに買った商品。なんで、将来にわたって面倒をみなくてはならないのか」という声を引用、団交に出てきた会社側弁護士の「面倒な責任がないから派遣を雇っているのになあ」という声をあげている(笑)。
 東京ユニオンに寄せられる相談件数は年間3000件、5年前に比べて倍増している。企業の意識が改まっていないことが原因だと分析している。

 国公一般の組合員である派遣社員から話を聞くと、そもそも派遣会社がちゃんと法律を守っている感じがしない。無知のまま働く者を派遣先に送り出している印象を受けるのだ。派遣先も派遣先で、派遣法の何たるかを理解していない。派遣社員がどんなに苦しい思いをしているのか知らない。国家公務のフィールドでは、事実の問題して、とんでもないことが横行している。それを、組合の指摘で初めて知るという職場もある。まさに無意識の犯罪者?って感じ。
 ああ、……怖い怖い。

 やはり、労働組合は必要なのだと改めて思う。
 東京ユニオンのようなベテラン組合じゃないけれど、国公一般は、公務における派遣職場の違法な実態を国民の前に明らかにして是正していく使命を負っていると思うのだ。
 徹底的にやらせてもらいます。

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2006/03/27

いま読んでいる本

 仕事がめちゃくちゃ忙しくなっていますが、いま読んでいる本の紹介。
 
 『東大法学部』(水木楊著・新潮新書)。
 文学が面白くなくなった一因は、東大出の小説家(川端、梶井、芥川、谷崎、三島、大江さんら何人も挙げることが出来ますが、そういう魅力的な作家)がいなくなったからですが、霞が関の官僚の世界にも言える気がしてきました(笑)。東大法学部は、すでに日本最高の知的エリート養成機関ではなくなっているという著者の意見の是非は置いておくけれど、財務省とか総務省交渉とかに出ると僕みたいな名大卒でも東大卒キャリアと肩を並べられるんじゃないか? 僕の方が非常勤職員の待遇とか国家公務員の労働条件の改善とか断行できるんじゃないか……と思ってしまう現実の官僚たちの無責任さが悲しい(笑)。

 『ウェブ進化論――本当の大変化はこれから始まる』(梅田望夫著・ちくま新書)。
 僕がこうしてブログを利用し、労働組合というものの光と影を描けるのも、軍事ツールとして発明されたというインターネットのお陰なのだ。ブログを通して言葉を発していくこと。これは、従来の労働組合運動にまとわりついた風通しの悪さというか見晴らしの悪さというか、そういう暗雲に対して、ネットに載せた僕自身の言葉を通して切り開いていく……、そういう新しい作業なのだ。要するに、言った者勝ちの世界が到来したのだ。
 アジテーション(扇動演説)が下手な僕でも、なんとかテキトーな言葉を駆使することが出来るお陰で、労働組合運動の氷河期の時代でも生き抜くことが出来ている(笑)。
 インターネットってのは、本当に「民主主義的」で「革命的」なのだ。

 『財務省支配の復活』(五十嵐文彦著・光文社)。
 これは、ただタイトル買いしただけで、ほとんど読めていない(笑)。

 『今日の芸術』(岡本太郎著・知恵の森文庫)。
 本気で組合運動を始めた僕が、どんどん文化・芸術の世界から離れていくのを見ていた友人から送られた文庫本(苦)。なんだかスゴイ本らしい。レーニンだったかゴーリキーだったか、とにかくロシアの偉い人が「芸術家の才能は、国民のもの」って喝破(かっぱ)したのだけれど、その言葉に岡本太郎さんはどのようにレスを返すのだろうか? ……とても楽しみだ。

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2006/03/24

たたかう人の笑顔

 本日午前10時過ぎ、東京地裁636法廷へ遅れて入ってきた原告女性を待っていた判決は、彼女の労働者としての地位を確認し、国の任用打ち切りのやり方を「誠実に行っていない」と認定するものだった。裁判官の読み上げる「主文」が、これまでたたかってきた女性(ひと)の緊張した表情を、一瞬のうちに、大きな笑顔に変えた。20人も入らない小さな傍聴席は、判決の画期的な内容にどよめいた。サポーターたちは、小躍りするのを抑えて喜び合う。
 言わずと知れた(このブログで再三書いてきた)、元国立情報学研究所の非常勤職員が、国による一方的な「雇い止め」は許されないと訴えていた裁判の判決日だった。
 よかった、本当によかった。

 僕のまどろっこしい文章は脇において、朝日新聞の速報をネットから転載しよう。

 「非常勤公務員の再任拒否は無効」東京地裁が初判断  
                               2006年03月24日20時01分
 任期付きで国立研究施設に採用され、13回の更新を繰り返した非常勤職員(39)が14回目に一方的に再任を拒否されたのは不当だとして、国(現在は民間法人)を相手に職員としての地位確認と未払い賃金支払いを求めた訴訟で、東京地裁の山口均裁判官は24日、職員側の主張を全面的に認める判決を言い渡した。
 労働問題に取り組む弁護士グループによると再任拒否された任期付き公務員の地位確認が裁判で認められたのは初めて。原告代理人の弁護士は「非常勤公務員の立場に理解を示した画期的な判決」と話した。
 原告は89年に国立情報学研究所(現情報・システム研究機構)に任期1年で採用され、更新を繰り返した女性。04年の民営化を前に03年3月、再任拒否された。
 民間では「次も更新できる」という期待がある場合の一方的解雇は「権利乱用や信義則違反にあたる」とのルールが確立しているが、公務員では任用側の裁量が民間より大きいとして認められてこなかった。
 判決は「更新を重ねるたびに増す愛着を職場に生かす重要さは同じ」と述べ、特段の事情がある場合は更新を拒絶できないと判断した。
(記事はここまで)

 記事は触れていないが、山口裁判官が強調したのは、国が任用打ち切りの告知をせず、再就職のあっせんや心配もしていなかったという「不誠実さ」だった。任用更新は、任命権者である国の権利(裁量)であるが、13回も更新を続けてきた非常勤職員、「次も更新できる」と思い、職場に愛着を持った彼女に対しては、慎重に審議し、誠実に行う必要があると断じたのだった。
 即座に、この判決が、現在の霞が関で働く非常勤職員に当てはまるものではないと思いつつ、しかし、素晴らしい判決だ。

 ……で、夜9時半、ある独立行政法人との団体交渉を終えて、JR品川駅で「朝日」夕刊を買ったのだが、この記事はどこにも載っていなかった。 今日から連載が始まった吉田修一さんの小説「悪人」を読みながらJR新橋駅へと向かったが、丸一日経っても、僕のなかの興奮はおさまらなかった。

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2006/03/23

公務員総人件費削減への反撃を強めよう(声明)

 ■公務員総人件費削減への反撃を強めよう(声明)
 ~06年春闘期における政府・人事院回答を受けて~

 本日、政府・人事院は、国公労連の06年統一要求に対する春闘期の最終回答を行った。

 その内容は、「行革推進法案」が国会に提出され、公務員の「総人件費改革」が強行されようとしているもとで、「人事院勧告制度の維持尊重」(政府・総務省)、「官民較差に基づく適正な公務員給与の水準確保」(人事院)など、従来の枠内にとどまっている。

今春闘では、大企業が史上最高の利益をあげ、膨大な内部留保をため込むもとで、トヨタのベア1,000円をはじめとして自動車・電機等の連合・大手組合も賃上げを実現するなど、財界の一方的な賃金抑制の流れを変えつつある。

 こうしたなかで、今回の回答は「11,000円(2.9%)」のベア要求をはじめとする組合員と家族の切実な要求に照らして、いずれも極めて不満で受け入れ難いものである。

 今春闘期の最重要課題の一つは、昨年12月24日の閣議決定(「行政改革の重要方針」)で政府が人事院に要請した、官民比較方法の「見直し」であった。

 国公労連は、官民比較方法の「見直し」による企業規模の調査対象「拡大」は、給与水準の引き下げという労働条件の不利益変更につながることから、調査することを含めて断固反対の立場で厳しく追及してきた。
しかし人事院は、「官民給与の比較方法のあり方に関する研究会」の「中間とりまとめ」や「給与懇話会」の議論もふまえて、「同種同等比較は維持する」としながら、民間給与実態調査は「100人未満50人以上の小規模企業も調査対象に加える」との最終判断を行った。

 勧告への対応については「引き続き検討」としているものの、企業規模の調査対象「拡大」について納得できる説明もせず、労働組合の主張を無視した形で強行したことは、労働基本権制約の代償機関としての人事院の立場を逸脱したものといわざるを得ない。

国公労連は、引き続き調査対象「拡大」の不当性を追及するとともに、調査結果を官民比較に反映させないよう、勧告に向けて交渉と行動を徹底強化するものである。

 また、休憩・休息時間の「見直し」と関わる所定内労働時間の短縮、長時間過密労働の規制やサービス残業の撤廃、男女ともに働き続けられる環境の整備、高齢者雇用制度の実効性確保など働くルールの確立、非常勤職員の均等待遇実現、なども重要な課題であった。
 政府・人事院の回答は、現行制度を是として各省に運用上の努力を求めるものがほとんどであったが、育児・介護を行う職員の短時間勤務制度に関して「勧告時点を目途に成案を得るよう検討を急ぐ」ほか、自己啓発等のための休業制度や厳正な勤務時間管理などについて、人事院から前進的な回答を引き出した。
 これらは、職場からのたたかいの反映であり、勧告期に向けて具体的な要求実現のために、運動と追及を強めることが求められている。

 政府は、「小さくて効率的な政府」をめざすとして「5年間5%の定員純減」をはじめとする総人件費削減の具体化を強引に推進し、公務員制度全般の「改革」検討を「宣言」する一方、労働基本権問題への具体的言及を避け続けている。
 賃金水準の切り下げはもとより、府省を超えた配置転換など、公務員労働者の雇用や労働条件の大幅な後退が狙われているなか、労働基本権回復は焦眉の課題となっており、争点整理も含めた反撃の態勢づくりが、この時期きわめて重要となっている。

 国公労連は06年春闘において、全都道府県国公と地域での春闘討論集会の開催、各級機関・職場での要求確認ととりくみの意思統一を背景に、9条改憲に反対する共同、地域総行動への結集や「くらし安心」署名の推進、地方議会請願・意見書採択運動など、外に打って出るとりくみを展開してきた。
 現在、全労連「もうひとつの日本闘争本部」が「小さな政府」に反対する世論構築をめざして、全国キャラバン行動を展開しており、6月初旬に想定される公務員純減の「実行計画」の策定阻止に向けて、運動を継続・強化する。
 また、医療制度や教育基本法の改悪反対、国民投票法の制定阻止などの国民的たたかいとも結合させ、「行革推進法案」「市場化テスト法案」反対の国会闘争に全力をあげる。

 5年に及ぶ小泉「構造改革」の正体が、「安心・安全の破壊」「格差の拡大」「地域切り捨て」であることが次第に明らかとなり、国民との矛盾が激化している今こそ、公務の公共性確保と国民生活を支える行政体制の確立をめざし、全国の仲間のいっそうの奮闘を強く呼びかけるものである。

                            2006年3月23日
                          日本国家公務員労働組合連合会
                           第8回中央闘争委員会
                         

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2006/03/20

国公の組合、ここにあり。

 このブログでも再三書いてきた日航907便事故裁判だが、今日、東京地裁は、被告となった二人の若い航空管制官に対して、無罪の判決を言い渡した。傍聴席からは、ワッという驚きと喜びの声があがった。本当によかった。全運輸という国家公務員の労働組合が一丸となって仲間を守った。科学的な知見に基づいて、とにかく国家公務員を吊し上げればいいという印象さえ受けた検察側の論述を追いつめた。

 全運輸の安藤高広書記長の談話を載せておきます。

 日航907便事故裁判の無罪判決にあたって
                              
 本日、東京地方裁判所は、2001年1月31日、静岡県焼津市上空で発生した日本航空907便と同958便のニアミス事故にかかわって、業務上過失致傷罪で起訴された国土交通省東京航空交通管制部の航空管制官2名(訓練監督者と訓練生)に対し、無罪の判決を言い渡した。
 この無罪判決は、裁判所が異例の実況見分を実施するなど十分な検証が行われたもとで冷静に下された至極妥当な判断であり、全運輸労働組合はこの判決を高く評価するものである。
 私たちはこれまで14回にわたる公判のなかで、この事故の背景に、管制用レーダーの異常接近警報(CNF)機能に不備があったこと、航空機衝突防止装置(TCAS)の搭載が義務化され僅か1カ月しか経過しておらず、TCASの回避指示と管制指示が相反した場合のパイロットの対応にかかる規程の不備があったこと、パイロットに対し高高度における航空機の上昇性能の情報提供が不足していたことなど、多くの複合要因が関連して発生した典型的な「システム性事故」であることを主張してきた。
 2002年7月12日に航空・鉄道事故調査委員会がまとめた報告書においても、11項目にわたって原因を指摘しているが、とくにTCASの運用方式については、事故の中心的要因として事故が再発する可能性があることから、国際民間航空機関(ICAO)に対し異例の安全勧告が行われたところである。
 一方で検察当局は、管制官の「航空機便名の言い間違い」が主原因であるとして、発生当初から、すべての責任を管制官個人に負わせ刑事責任を追及してきた。しかし、検察側の強引かつ不当な論理構築は次々と矛盾点を露呈、最後には論告求刑のなかで「TCASの回避指示の内容は万人でも予測することは可能」などと、なんら科学的根拠も証拠もない主張を強弁することに至った。
 判決のなかで、東京地方裁判所は、私たちの主張を全面的に認めたうえで、このニアミス事故により、乗客が負傷したことに対する刑事責任を管制官や機長という個人に追及することは相当ではないとの見解を示した。そうした見解に至った理由として、交通関係法規の遵守義務と刑法上の注意義務は必ずしも一致するものではないとの立場に立ち、管制間隔を維持するという管制方式基準の義務に違反したことが直ちに業務上過失傷害罪の過失があるとすることは相当ではないとまで判示している。
 以上の判決内容をふまえれば、検察当局は事故の再発を防止し、国民の生命と財産を守る観点から控訴を断念すべきである。
 全運輸労働組合は、日航907便事故裁判が航空労働者をはじめ、交通運輸関係労働者並びに公務労働者、関係諸団体、及び組合員の支援なくして「無罪」判決に結びつかなかったことを改めて心にきざみ、深く感謝、御礼を申し上げるとともに、今後とも事故の再発防止と航空の安全確保に全力をあげて奮闘するものである。
                                     2006年3月20日
                                     全運輸労働組合
                                     書記長 安藤高弘

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2006/03/17

たたかう者に、○(マル)。

 労働相談が相次いでいます。
 それで、昨日と今日、派遣元会社と派遣先に団体交渉申し入れ書(いわゆる要求書)を送りつけましたので、来週は、団体交渉のロードとなります。組合員とタッグで頑張ります。

 今夜は、霞が関のある省庁で働く職員の労働相談が入っています。
 相談が増えているということは、組合員が増えているということです。だって、国公一般としては、相談者が組合員になって当局とたたかう決意を固めなければ、サポートする自信がないからです。
 労働相談は、必ず組織化につなげる、これが原則です。

 もし、今夜の相談者が組合に入ったら、すぐに団交を申し入れなくちゃならない、……となると、来週の日程は、さらにタイトになる。しかし、年度末の労働契約が切れるかもしれないギリギリのとき、時間はない。全力で当局を追及したい。

 職場の上司に物申すこと、間違っていることは「間違っている」ということ、トラブルの再発防止をきちっとやること、悩んでいる仲間には手を差し出してサポートすること……、働きがいのある働きやすい職場にするためには、労働組合が大きくならなきゃだめ。その第一歩が、一人組合員が勇気を持って立ち上がることなのだ。

 まさに、たたかう者に、○(マル)。

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2006/03/15

国民みんなの問題だ。

 今日3月15日は、06年春闘の主要企業の統一回答日で、夕刊各紙の一面トップには各社の賃上げ額が掲載されている。トヨタ、日産などがベア(ベースアップ)に満額回答したことをもって「春闘復活」などと書いちゃう新聞もあるが、電機などは賃上げ格差が顕著で、全体として企業の経営格差が反映された回答という見方もでき、あるいは「経営陣となれあっているユニオンショップ組合の『お願い』作戦が『お情け』回答を引き出したわけで、労働者が勝ち取ったという感じではないよな」(談・僕の友人)という皮肉な見方をする人もいる。

 この春闘統一回答日に合わせて、僕たち国家公務員の組合は、お昼休みを利用して霞が関一周パレード(デモ)を計画しました。スローガンは、「長時間・過密労働を是正し、サービス残業をなくせ!!」の一本。そんで本日、春の知らせをひしひし感じる青空の下、なんと過去最高の350人の本省庁職員が日比谷公園霞門に集まったのだった。経済産業省の職員による超過勤務の実態告発、国会職員による賃上げ要求の訴えなどが続いた後、350人はおのおのプラカードや横断幕を持ってシュプレヒコール&アピールをしていきました。若い職員も多くて、企画した僕の方が励まされる行進だった。会計検査院の組合まで来てましたし(……感動)。

 昨晩、虎ノ門や西新橋を歩いている民間企業のサラリーマンに向けたスポットを書くために改めて資料を調べたのだけれど、国家公務員の自殺者は年間134人。1カ月以上の長期病休者は、6591人。そのうち約2000人が精神疾患だというから、現在の国家公務員の職場における健康被害は、本当に深刻だと言わざるを得ない。
 先週10日、政府は行政改革推進法案を閣議決定したのだけれど、その内容は①国家公務員の16000人の削減、②さらなる給与の引き下げというもの。一言で言えば、「国家公務員受難」法案だ(怒)。
 即座に、本省の仲間から「一番忙しい年度末に発表しやがって、政府って嫌味だよな~。この繁忙極まるとき、これ以上の定員削減で果たして乗り切れるのかよ」とか「連日サービス残業しているのに、また賃下げ? 参っちゃうね~」という呆れたような悲鳴のような声が寄せられている。新採職員も大幅かつ各省一律に抑えるというから、これから霞が関は、いったいどうなってしまうのか。

 ある新聞の社説の最後に、こんな一文があった。
「(公務員リストラなどで)切り捨てられた公共サービスの代償を払わせられるのは国民です。……この後に待っているのは庶民大増税です。小泉首相は『行革』で『国民の負担を軽くする』と言っています。これほどのごまかしはありません。……もはや公務員だけの問題ではありません。親と子、民間労働者、失業者、中小企業など社会的に弱い立場に置かれた国民みんなの問題です」

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2006/03/13

霞が関から数百人の非常勤職員が去る日 4

 先週土日と休日出勤したのに、論文、まだ一本しか書けていません(汗)。
 今日は、要求書づくりと某マス・メディアからの取材でテンテコ舞い。……というわけで、連載3回分のまとめ記事をどうぞ。

 
 (横見だし)物件費で採用 予算は大幅減 数百人規模で非常勤を入れ替え?
 (縦見だし)退職女性「使い捨てはもうゴメン」 総務省交渉で国公一般が「正職員との均等待遇を」

 今年2月、経産省のホームページに70にのぼる室課の非常勤職員(一室課あたり若干名~最大8人)の募集要項が掲載されました。厚労省(最低30人)や総務省(最低60人)も募集を告知しており、その総数は霞が関で数百人にのぼると思われます。

 非常勤を辞める決意をしたAさんは、「昨年12月に上司に呼ばれ、『春からボーナスと住宅手当をカットするけど働いてくれるか?』と頼まれました。でも、都内で一人暮らしができなくなるので転職しました」と言います。Aさんの手取り額は約16万円。諸手当が全廃されれば、13万円弱となります。

 「せっかく一生懸命働いてきたのに、その結果がこれでは『もうゴメン』という感じです」(Aさん)

 各省庁は、06年度予算で、非常勤職員の給与費目である「庁費=物件費」を軒並み大幅削減しました。政府の総人件費削減方針が、真っ先に立場の弱い非常勤職員を直撃したかたちです。
 国公一般は3月1日、国公労連の総務省交渉で、「非常勤職員はサービス残業までして働いている。このままでは大量離職は続き、恒常的な業務遂行ができない。大変な事態を避けるため、いまこそ均等待遇を」と主張しました。 


 以上 国公一般の機関紙「国公いっぱん」第17号のトップ記事から

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2006/03/10

行政改革推進法案に反対する(談話)

■国の行政サービス実施責任の放棄、公務労働者の雇用破壊に断固反対する(談話)
--「行政改革推進法案」の閣議決定にあたって--
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 政府は、本日10日、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(「行政改革推進法案」)」を閣議決定した。この法案は、国民の経済的格差を拡大し、安全・安心にかかわる政府責任を形骸化させ、疲弊した地域を切り捨ててきた小泉「構造改革」の継続、強化を宣言するものである。
 「構造改革」によってゆがんだ社会の現状を検証することもなく、財政破綻の原因とまともに向き合おうとせずに、歳入・歳出改革を最大の目的に、国と地方の公共サービス実施分野をリストラし、財政的基盤を整理し、あるいは国民の共有財産である国有財産を民間企業に売り払うことなどの具体化を迫る「行政改革推進法案」は、国民生活をさらに困難な状況に追い込み、「企業栄えて民滅びる」道に一気に進むものである。

 国公労連は、「行政改革推進法案」の決定に強く抗議し、その成立に反対するとり組みに奮闘する決意を表明する。

 「行政改革推進法案」は、情報化が進展し、人口構造が変化するなど、国内外の状況変化もふまえ、「国際競争力を強化」するために、政府が実施する事務・事業を「可能な限り民間にゆだねて民間活動の領域を拡大」すること、「行政機構の整理及び合理化等」で(国の)経費を抑制することを目的とし、それらの推進を「国及び地方公共団体」の責務としている。これは、憲法が定める基本的人権(例えば生存権など)の実現を国に求めている憲法の基本理念をないがしろにする「法の目的」であり、「行政改革推進法案」の問題点がここに凝縮している。

 「行政改革推進法案」の中心の一つである「総人件費改革」では、「公務員の純減」と給与水準のひき下げで、「国内総生産に占める(総人件費の)割合の半減」をめざすとしている。その上で、農林統計事務などの削減や職業紹介、社会保険料の収納、登記関係事務などについての民間開放の検討、国立高度専門医療センターの非公務員型独立行政法人化の検討などを求めている。「国際競争力強化」との関係で、国が実施すべき事務・事業ではないと一方的に決めつけ、それらの個別分野を列挙している。
 国の役割は、国民生活との関係で検討されるべきであるが、そのことを頭から否定するのが「構造改革」であることを具体的に示す内容である。

 また、給与制度の見直し検討を人事院に強制する内容も含まれている。人事院勧告を労働基本権制約の「代償措置」と強弁する政府が、法律を盾に勧告への直接的な介入をはかろうとするご都合主義も厳しく批判されなければならない。

 「行政改革推進法案」では、公務の大規模なリストラを宣言しながら、職員の雇用、労働条件については、職員の配置換えの「仕組み構築」に言及しているにしかすぎない。法律によって一方的に廃止される政策金融機関などに働く労働者の問題も含め、労働者の労働基本権や生存権を保障する具体策を全く示していない。法案でのリストラ対象となっている労働者に対する「国の使用者責任」の視点が欠落しており、極めて一方的な法案である。少なくとも、公務員の労働基本権回復や、公務関連労働者の雇用、労働条件保障の条文を同時に規定するのでなければ、民主主義国家における法律としての正当性に欠ける。

 国公労連は、以上のように、国民的にも公務労働者の立場からも、公務員の立場からも見過ごせない問題点をもっている「行政改革推進法案」を断じて受け容れることはできない。

 全労連「もうひとつの日本闘争本部」への結集をさらに強め、「小さな政府」の危険な本質を広く国民に訴え、「公共サービス商品化」に反対する共同のとりくみを広げるなど、同法案に反対するとり組みに職場・地域から全力をあげる決意である。
                         2006年3月10日
                         日本国家公務員労働組合連合会
                         書記長 小田川義和

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2006/03/07

原稿3つ、書けるか不安

 どうも、こんばんは。

 この連載では、非常勤職員が働いている職場実態と制度の歴史的な検討、法律的な問題点などを書いていく予定です。すでに国公労連の調査部や多くの弁護士さんたちが積み重ねてきた到達があるので、正直に言うと、組合ビギナーである僕などが新たに書き加えることはありません。あえて加えるとすれば、非常勤職員の労働条件と雇用をギリギリまで守るというパッション(情熱)だけでしょうか。

 国公一般の知名度と活動が広がるにつれ、担当者である僕のところに複数のメディアから原稿依頼が舞い込むようになりました。現在、3つの原稿を抱えていて、今週から締め切りの波状攻撃がやってきます(笑)。国民のみなさんの目を意識した文章を書きたいと思います。霞が関というブラックボックスを、誰にでも理解できる、わかりやすい文章で明らかにしていきたいと思います。
 しかし、いっぱい仕事があるなかで原稿書きをこなしていくのは至難の業。……書けるか不安。

 ……というわけで、連載は小休止しします。(霞が関の無法を暴くこのブログを楽しみにしている人は少ないと思うけれど)申し訳ありません。 

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2006/03/06

霞が関から数百人の非常勤職員が去る日 3

 先週の土日も出勤で大変だったわけだが、仕事を終えて深夜の僕は、この春、異動することになった仲間と四ツ谷にある居酒屋でクリ焼酎と黒糖焼酎を飲んでいたのですが、ふと明日のブログ……、非常勤職員制度の歴史的な経過を書くより前に、これまでの国会での論戦を貼り付けることで、(アンタッチャブルな)制度の無責任さを浮き彫りにしようではないか、と思い立った。
 メチャクチャ長いので、読む方は覚悟してください(笑)。

 第151回国会 外務委員会 (平成13年3月23日)
 非常勤職員の給与のテーブルがない、基準がない、契約書も存在しない! 
 細野委員 加えてもう一つ外務大臣にお伺いしたいのが、非常勤職員をきちっとした形で果たして採用できているのかどうか。もちろん最終的な採用権者は、私この任用のペーパーも見せていただきましたけれども、外務大臣ということになるわけですね。……何と滝田さん自身は週に2回勤務していて、日額給与が2万2千9百円、これは月額にすると大体50万円ぐらいになりますからかなり高額な給与になると思うのですが、それは、例えば専門家であれば必要であるという判断もあり得るでしょう。
 驚いたのが、いわゆる給与のテーブルがない、基準がない。どんなにここの部分の資料を出してくれ出してくれと申し上げても、最終的に残念ながらいただくことができませんでした。外務省サイドの結論としては、そういう客観的な非常勤職員を雇う給与に関するテーブルがないということをまず一つ指摘させていただきたいと思います。
 もう一つ言うと、基本的にこの非常勤職員に関して契約書も存在しない。単に辞令が一枚あって、いつからいつまで給与何がしで採用する、日額幾らだということが書いてあるだけで、契約書もないわけですね。諸々の状況を考えると、要は松尾氏が人選をして、松尾氏が給料を決めて、それがそのまま紙になって、何ら客観的な判断もされていないし、何ら客観的な外からチェックする機能もなかった。だからこれは生じた話であって、松尾氏が悪いとか滝田氏が不適切をしたとかいう話ではなくて、まさに外務省の非常勤職員の雇い方がおかしくてこういう問題が生じたと言わざるを得ないというふうに考えるのですが、外務大臣、いかがお考えでしょうか。
 河野国務大臣 ……こうした人間を採用したことはまことに不明でありました。
 飯村政府参考人 ……非常勤職員の場合、厳密な意味での俸給表、一般行政職のような俸給表はございません。

 第153回国会総務委員会 (平成13年11月6日)
 ハローワークの相談員は、交通費もなく健康診断も行われない! 
 春名委員 もう一回お聞きしますが、こういう相談員には、ほぼ常勤と同じような仕事をしている多数の人がいらっしゃるわけだが、通勤手当とか採用時の健康診断とか年一回の健康診断とか、常勤であれば当然のことなんですが、そういうことが施されているでしょうか。
 金子政府参考人 相談員の勤務条件に関します御指摘かと思います。まず、通勤手当、それから定期健康診断というお話でございましたが、各種の相談員につきましては、それぞれ処遇内容も制度によって一律ではございません。ということで、相談員制度ごとにそれぞれ設けられておりまして、勤務条件等も異なっておりますが、全体総じて申し上げますと、制度的にいえば、その業務について委託を受けている関係、委託関係にあるということでございまして、国との間にいわゆる使用従属関係はない、こういう立場に立っておりまして、そういう観点から、通勤手当の支給や健康診断につきましては、通勤手当を支給していないもの、あるいは健康診断を行っていないものが多いというふうに承知をしております。
 春名委員 これから25%定員削減でしょう。正職員が削減をされていく。しかし、行政への国民の期待は非常に大きくなって、業務もこれからふえていきます。そして、今私一つの例を挙げました、恒常的、基幹的な仕事についている非常勤も確実にふえてきていると。したがって、非常勤職員の占める位置はますます重要にならざるを得ないと思うんです。
 片山国務大臣 ……臨時的に、まあこういうことをお願いするということで、いわゆる常勤職員の勤務形態と違いますし、各省庁が予算の範囲で、それぞれの判断でやれ、こういうことになっているんですね。春名委員のいろいろな御心配はよくわかりますけれども、そういう意味で、これを統一的に調べて統一的に処遇するとか、健康診断をどうするかということは、私はなかなかなじまないと思うんですよ。

 第164回国会総務委員会 (平成18年2月16日)
 13万人をこえる非常勤職員、その人件費総額を総務省が把握していない!
 渡辺委員 総務省・人事恩給局からいただいた資料を見ますと、昨年の7月1日現在で、非常勤職員が13万4千人おります。一般的に多いのは、事務補助、アルバイトです。……公務員の人事の管理をする定員の外側にいる非常勤の職員は、この庁費という名目の中から出されるわけでございます。庁費というのは、ある意味では文房具を買ったりする、あるいは維持改修をするような、こうした物件費の中で、人件費として支給されているわけでございます。
 この点について、実は、人員の数については今総務省が13万4千255人というふうにいうんですが、では、幾らこれは総額でこの人たちに払われているのかと聞いたら、総務省ではわかりませんと。では、どこでわかるかと言ったら、恐らくどこの役所もわかりません、各役所がひょっとしたら把握していると。何でかと言ったら、事務補助の職員は局単位で採用しているからだ、積み重ねていって幾らもらっているかわからないと。
 名目としてこれに載っているんですよ、一般職国家公務員の在職状況の統計表に載っていて、この人たちに幾ら払われているんだと聞いたら、だれも知らないというんですね。どこの役所も管理していない。というよりも、多分、正式な金額が幾らかかっているか、支給総額がだれもわからない。これでいて果たして本当に人件費改革と言えるのだろうかということを御提言したいと思うんです。

 第159回国会 総務委員会 (平成16年6月1日)
 非常勤職員の制度は、本腰を入れてメスを入れるところに来ている
 山口副大臣 ……非常勤職員といいますか、ご指摘いただきましたように、常時勤務を要しない臨時的業務とかあるいは変動的な業務に対応するために、各省庁が予算の範囲内で業務の実情に応じてその都度採用して、必要な期間だけ雇用するものであるというふうなことでありますので……。
 伊藤委員 言うならば官庁でしょう、行政府なんですよ、行政府の雇用形態としては、あるいは予算費目としては、そういうふうなことで長年運用をやってきて広がっているんですが、これは正常な状態だと思われますか。……意外とメスの入っていない部分だと私は思っているわけです。
 例えば、中央省庁もさまざまでございまして、ある試験所がございまして、私の身近な例なんですが、そこの所長さん付の秘書役をしていた女性がいるんですが、その女性は物件費だったんですよ。人件費じゃないものですから、正規の公務員じゃないんですね。ところが、本人は秘書役という、非常にやる気を出して、その所長さんの部屋へ入っていきますと、まさしく秘書の役割を果たしていたわけですね。
 ところが、独立行政法人にどんとなったら、あすから来なくてよろしいと首になったわけですよ。本人わからぬわけですね、そういうことは。正規の職員だときちっとその辺の人事任用がはっきりしていますから本人もわかっていたんですが、その方はそういうことが全然ぷっつんになっているものですから、あすから来なくてよろしいとなって、本人はどうしようかしらというんで、別の職場を探したそうですがね。そういうケースが出るんです。
 ですから、これはある意味では雇用不安じゃないですか。団体交渉権はない、こういうふうに言いますと、いやいや団体交渉権は認めているんだと言うけれども、そうじゃない。団体協約締結権がないものですから、何も証文がないんです。
 そうすると、そういう人たちの雇用というのは非常に不安定になるというのは、一つの例ですが、これは全国で見れば相当やはり似たようなケースというのは出ているように思いますから、今御答弁いただいたように、この辺は政府としてもちょっと腰を入れて検討される必要があるんじゃないでしょうか。
 つまり、安全弁に使うというような、これはよくやっていますよ、もう戦後からずっと続いてきているわけです。あなた、どこ行っているのというと、県庁へ行っていますと。県庁で何しているのかといったら、お茶くんでいると。七年間もお茶くんでいるわけです、ずっと。これじゃ本当に人材活用、働きがいのある職場になるのかというのはだれが考えたって疑問ですから、これは本腰を入れてやはりメスを入れるところに来ているんじゃないか、私はこのことを強く要望いたします。

 ああ、延々と貼り付けながら、まさに政府・総務省は、非常勤職員制度の問題点を知っていながら何らの手も打とうとしていないことがわかる。まさにアンタッチャブルだよ。悪意ある不作為だよ。まったく……。

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2006/03/03

霞が関から数百人の非常勤職員が去る日 2

 この春、霞が関の職場を泣く泣く去る非常勤職員が、僕に告白した言葉は、実は、いま日本社会が直面している危機と重なる大きな問題だと考えている。改めて書き写して検討してみる。

 「上司から提案された賃金では、東京都内で一人暮らしをしながら霞が関で働くことが出来ませんよ。一瞬、どういうこと?ってパニクっちゃった」
「だって、税金その他、天引きされた手取りが15万円を切るようでは、生きていけないもの。(いわゆる日給月給制なので)もしかしたら生活保護費より低い月があるかもしれない」
 
 これ↓は、彼女が見せてくれたある月の俸給明細なんだけど。
 
 俸給支給額17万7600円 +住宅手当2万7000円=総額20万4600円。
 そのうち、天引きされるのは、短期掛け金 9020円、長期掛け金 14938円、所得税 4790円、住民税 3×00円 、その他 1449円で、手取りは17万円とちょっと。

 僕が「これぐらいなら、何とかやっていけるんじゃない?」と無責任丸出しで言うと、彼女は「来年度予算では、この住宅手当がなくなるらしいんですよ。それからボーナスも!」と、僕の知らなかったことを教えてくれた。
「そっか、この2万7000円が削られたら、痛いよね」
「そうなんですよ。民主党の議員が手当を削れとか何とか国会で質問したらしいんです
「何て言う議員か知ってる?」
「……わかりません。あくまで聞いた噂ですから。だけど、予算を切り縮めるという意味では、自民党より細かくネチネチやる政党ですから(笑)」
「ちょっと調べてみるよ」

 これまで支給されていた手当が全廃されると、彼女の手取りは確かに15万円を切ることになるし、祝日が重なる5月など10万円ちょっと、さらにインフルエンザなんかにかかって何日か病欠したら……、まさに就労できない人たちに最低限度の生活を保障する生活保護費を割り込む有り様となる。
 
 いま日本社会全体が直面している危機というのは、自立できない若者の増加、さらには出生率の低下などだと言われている。自立はしているけれど、結婚していない僕にとっては大きなお世話である少子化問題は脇に置いておくとしても、国のおひざもとである霞が関でフルタイムで働く非常勤職員が都内で自活できない現実を確認するとき、やっぱ、暗澹(あんたん)たる思いに駆られる。
 その場にいた別の非常勤職員は、「今回の労働条件の大幅カットで、ほとんど自宅通勤者だけが残るんじゃないですか。あと、夫がいて副業アルバイトの感覚で働いている方とか」と言う。
 前出の彼女は、さらに付け加えた。
「わたし、上司に言ったんですよ、『わたしの後に採用する人って、どんな労働条件なんですか?』って。そうしたら、その上司は『交通費や諸手当すべて込みで15万円にする』だって……。わたし、生意気かもしれなかったけれど、『それじゃ誰も来ませんよ』って言い返したら、何て言ったと思います? 『どんな条件だって応募してくる、生活に困っている子はいるんだよ、ハハハ』だって!! それ聞いて、霞が関ってサイアク~ッて思いました」
「わたしが辞めた後、わたしが残した仕事は、同僚だった事務補佐(注・非常勤職員の別名)たちが新たに抱えることになっちゃう。いま、霞が関では、正規の国家公務員だけでなく非常勤職員までサービス残業を強いられているのが現実だから、ホントに申し訳なくて、歓送会の時、泣けてきちゃった」

 そもそも非常勤職員制度とは何なのか、このあたりで再検討してみる必要があると思った。

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2006/03/02

霞が関から数百人の非常勤職員が去る日 1

 ブログ読者のみなさん、まずは経済産業省のホームページを開き、非常勤職員の採用情報を見てください。
 そこには、こんな感じ↓で○○室と○○課での募集要項が並んでいる(この連載が始まってから閉鎖されると困るので、しっかりと貼り付けておきますね)。

 非常勤職員の採用情報
                                 平成18年2月
                                 大臣官房秘書課
 現在、経済産業省において非常勤職員の募集を行っている部署は、以下のとおりです。
 課室名をクリックして下さい。募集内容がご覧になれます。
 なお、応募を締め切っている場合がございますので、あらかじめご了承下さい。

2006年01月採用
・資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課
2006年02月採用
・中小企業庁経営支援部経営支援課
・経済産業政策局地域経済産業グループ地域技術課
・経済産業政策局企業行動課
・経済産業政策局産業組織課
・商務情報政策局商務課
・貿易経済協力局通商金融・経済協力課
・原子力安全・保安院核燃料サイクル規制課
・通商政策局経済連携課
・資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力基盤整備課
・製造産業局自動車課
・貿易経済協力局貿易保険課
・産業技術環境局基準認証国際室
・商務情報政策局商務流通グループ取引信用課
・大臣官房政策評価広報課
・産業技術環境局基準認証政策課
・通商政策局北東アジア課
・商務情報政策局サービス政策課
・経済産業政策局産業資金課
・資源エネルギー庁長官官房総合政策課会計室
・資源エネルギー庁長官官房総合政策課会計室
・経済産業政策局調査統計部産業統計室
・産業技術環境局研究開発課
・産業技術環境局技術評価調査課
・商務情報政策局情報通信機器課
・貿易経済協力局貿易振興課
・産業技術環境局環境政策課
・原子力安全・保安院原子力発電安全審査課
・原子力安全・保安院ガス安全課
2006年03月採用
・経済産業政策局産業構造課
・産業技術環境局大学連携推進課
・通商政策局欧州中東アフリカ課
・大臣官房会計課
・貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課
・中小企業庁事業環境部取引課
・中小企業庁事業環境部金融課
・製造産業局紙業生活文化用品課
・資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課
・資源エネルギー庁業務管理官室
・経済産業政策局産業人材政策担当参事官室
・経済産業政策局産業資金課
・原子力安全・保安院保安課
・大臣官房情報システム厚生課
・産業技術環境局標準企画室
・資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備課
・商務情報政策局消費経済部製品安全課
・商務情報政策局商務流通グループ博覧会推進室
2006年04月採用
・経済産業政策局調査課
・大臣官房政策評価広報課広報室
・資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー対策課
・大臣官房政策評価広報課広報室
・通商政策局米州課
・製造産業局住宅産業窯業建材課
・通商政策局業務管理官室
・製造産業局車両課
・通商政策局企画調査室
・商務情報政策局サービス産業課
・資源エネルギー庁長官官房国際課
・中小企業庁長官官房広報相談室
・原子力安全・保安院原子力安全広報課
・経済産業政策局経済産業政策課
・経済産業政策局産業再生課新規産業室
・大臣官房広報室
・製造産業局航空機武器宇宙産業課
・製造産業局参事官室
・原子力安全・保安院核燃料サイクル規制課
・製造産業局繊維課通商室
・大臣官房秘書課
・通商政策局企画調査室
・貿易経済協力局貿易管理部農水産室

 数えてみると計70室課、募集人員は1~多くて8人(若干名というところもある)というわけなので、軽く総数は100人を超えていると思われる。賃金などの労働条件は、大別して2通り、大多数が「週2~3日、日給8,000円(交通費込み)/9時-17時30分/6ヶ月」、少数だけれど、「週5日、日給7,200円(交通費支給・社保完備・残業手当・賞与・退職金あり)/9時-17時30分/3ヶ月or12月」というところもあり(興味のある方は、探してみてください)。どちらも、時給1000円を切っているところがミソなんだけれど。
 
 他の省庁のホームページも当たってみてほしい。厚生労働省(最低30人)、総務省(最低60人)などがヒットするはずだから。
 ……となると、この春、霞が関では、非常勤職員(正確には事務補佐員と呼ばれている女性たち)が、数百人規模で辞めるという算段になる!! 
 僕は、霞が関も非正規労働者の使い捨て省庁オンパレードってわけで、その信頼度はガタオチ!!って感じてとても驚いたのだけれど、世間的にはたいした話ではないんスかね?

 もちろんその分、新たな女性非常勤職員が採用されるわけだが、その際、一つだけ辞めていった職員との差異があることを忘れないでほしい。
 
 それは、上記に引用した賃金その他の労働条件なのだ。
 この間、僕は霞が関で働く何人かの非常勤職員、去っていく非常勤職員からヒアリングを行い、それをしっかりと確かめた。
 職場を辞めることを選択した、ある女性(20代)の言葉が忘れられない。
上司から提案された賃金では、東京都内で一人暮らしをしながら霞が関で働くことが出来ませんよ。一瞬、どういうこと?ってパニクっちゃった
だって、保険料や税金その他、天引きされた手取りが15万円を切るようでは、生きていけないもの。(いわゆる日給月給制なので)もしかしたら生活保護費より低い月があるかもしれない

 もともと非常勤職員には2年とか3年とか、たとえ任用更新が続いても上限があるから、この春のようなシャッフルは、避けられない運命なのかもしれないけれど、それにしても、この規模は、僕には異常に感じる。
 だって、別のある非常勤職員は、「いろいろなことを覚えて、やっと仕事が楽しくなり始めた矢先に、事実上の解雇が待っていたなんて……」と残念そうにつぶやいたのだから。
 これで国民のための公務サービスは、恒常的・均質的に維持されるのでしょうか?

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2006/03/01

喜びの声メール

 一昨日、記事にした派遣職員の女性から、実は、喜びのメールが寄せられていましたので、機関紙「国公いっぱん」に載せる前に、アップしておきますね。
 図らずも、国公一般という労働組合の特徴をあらわしていると思うので……。

(メール、ここから)
 霞が関の某省庁で勤務を始めてからは我慢の連続でした。
 ストレスから体調を崩し、それでも何とか勤務を続けていた私に突然、契約期間途中での解雇が予告されました。
 国公一般の存在は知っていたものの、公務員の組合に派遣職員である私が加入できる訳がないと思いましたが、藁(わら)にもすがる思いで連絡したところ、当日すぐにがぶりさん(注・僕のこと)が会って下さり、すぐに相談にのって下さいました。
 その後、組合に加入させて頂いてからも、親身に何度もご連絡を下さり、決して他人事ではなく私の受けた怒りや苦痛を同じように感じて下さったので、心強い気持ちで交渉に臨みました。
 その結果、契約期間内の賃金は保障され、慰謝料までも支払わせる事が出来ました。さらに、これから派遣先会社の責任を問う交渉も検討してくれているということで、私も気を引き締めなくてはと思っています。
 派遣職員という弱い立場のため、泣き寝入りを余儀なくされるところでしたが、国公一般という組合の力で、私の労働者としての姿勢が会社に認められた事に満足しております。
 自分自身がしっかりと気持ちを持ち続けていれば、組合は絶対に裏切らないと信じる事が出来ました。
 がぶり(注・僕のこと)さんには、その後の転職もご心配頂きましたが、おかげ様で希望する職場に採用が決まり、すぐにご報告申し上げました。 
 前回の雇用形態が派遣職員であった為に契約期間が存在しましたので心細い思いをしてきました。今回は直接雇用である事を優先して新しい職場を探しました。今後は安定して勤務できる事を嬉しく思っております。
 また、後日分かった事なのですが、国公一般に加入する以前に相談にのって頂いた労働基準監督署の職員の方も国公労連の組合員の方だそうで、その方にも大変親身にアドバイスを下さいまして、先日ご報告と共にご挨拶(あいさつ)に伺った次第です。
 新天地でも国公一般の一員である事を誇りに、そして今回の苦しい経験をプラスに変えられるよう、勤務に励みたいと思っております。がぶり(注・僕のこと)さん始め、組合の仲間のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。
 今後の組合の発展を心よりお祈りしております。また一人でも多くの労働者の方が良い職場環境で勤務できる事を願って止みません。私に出来ることがあれば、何かやりたいと思います。
 本当にありがとうございました。

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