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2006/02/27

働く者の尊厳あるいはプライド

 たったいま、派遣先会社との合意書に印鑑を打ってきました。
 
 この事案は、昨年暮れ、霞が関のある省庁で働いていた派遣職員の女性が、派遣先理由による解雇に遭(あ)い、その撤回を求めてたたかっていたもの。派遣元会社との交渉、さらには派遣先会社との懇談(労使関係がないので団体交渉はできないため「懇談」)を続けるなかで、①解雇の撤回、②解決金の支払い、③謝罪などを勝ち取った。形式的には、200%の勝利解決だと言っていい。

 最初の労働相談で、彼女から事情を聞いたとき、僕が直感で許せないと思ったのは、①派遣先(○○省からの業務請負会社)は、派遣契約で定められた業務外の仕事を彼女に強制し、②指揮命令者は何ら労働環境の改善に動かず、③さらに彼女の人格をおとしめるような言動が恒常的になされていたということだった。
 彼女が会社とたたかう決意をしたのは、働く者としての尊厳あるいはプライドを傷つけられたことに我慢が出来なかったから。僕は、彼女に職場で起きたすべての事柄をメモに書き出すように言い、それをもとにして要求書を起案し、まずは派遣元会社に突きつけた。さらに、これまで国公一般の経験にはなかった、派遣先会社の責任を問う懇談の申し入れを行った。
 友人の弁護士に聞いたところ、厚生労働省の「告示」指針は派遣先が講ずべき措置を規定しているものの、労働組合が派遣先責任まで厳しく追及するというケースは、極めて稀(まれ)なんだと。しかし、国公一般との懇談の結果、派遣先会社はただちに組合の要求書にもとづいて調査を開始し、数千人に上る派遣社員との契約内容と業務の洗い直し、管理責任者の適正を再検討する面接の実施、不適正な職員の人事異動を行ったということが明らかになった。常務取締役の方は、組合員の彼女に深く謝罪した後、「組合からの申し入れで、我に返った思いだ。本当に返す言葉もありません。これは氷山の一角という認識をもって、今後の業務遂行に活かしていきたい」とのべた。そして、彼女の人格を傷つけた上司は、「あってはならないことをしました。申し訳ありませんでした」と頭を下げたのだった。

 組合員の彼女は、大粒の涙をポロポロとこぼしていました。悔しい思いでいっぱいなのだろう、相手が謝ってもなお、彼女は、用意された合意書3通への押印を打とうとしないのだった。
「わたしが組合に入って言わなかったら、あなたがたは、いまでものうのうのと不当労働行為を重ねていたはずです。わたしは、何度も何度も上司に助けを求めたのです。泣きながら助けを求めても助けてくれなった。嘘もつかれました。……(そんなふうに謝られても)信用できません」
 僕は、ほとんど見かねて、「……労働組合がある意義はね、組合が申し入れる団体交渉というテーブルを設定して初めて会社の偉いさんと働く者とが対等で話し合うことが出来ること、そこであなたは言いたいことを言えた。そして、一番大切なこと、会社は解雇を撤回し、労働環境の改善に全力をあげている事実だよ。あなたが、これ以上、会社の幹部が許せないと言い張って吊し上げたとしても、あなたの傷は癒(いや)されないはず。傷を負わせた相手を許すこと、そしてあなたの苦しみをまだ見ぬ後輩組合員たちのための優しさに変えてください。あなたがたった一人でも組合と一緒になって声を上げたことが、大きな会社を動かしたのですから」と彼女に言いました。しばらくして、彼女は涙を拭(ふ)きながら、「がぶさんが言うなら」と呟き、合意書にサインと判子を押しました。僕も胸が熱くなって泣けてきそうでした。

 僕は、一年半の組合活動のなかで多くの労働紛争にとりくみ、何回も合意書に判子を打ってきましたが、そのたびに働く者を人間として見ていない、ただのモノ=人材としてしか見ていない会社側に怒りを表明してきた。しかし、今回ほど彼女の辛(つら)い思いが伝わってきたケースはなかった。しかし、泣き寝入りをしないで派遣先会社まで追いつめ・改善させた彼女のたたかいは、今後の国公一般のたたかい方をバラエティーに富むものにしたと思う。これからは、容赦なく、労使関係のない派遣先に対してもどんどん攻めていくつもりです。 

 霞が関で働く非常勤職員や派遣職員は、お昼時、窒息しそうな職場フロアから離れて(笑)、別の場所で食事をとるのが普通なのだが、彼女は、昨年の春ごろ、そこでナンパのように「困ったことがあったら連絡してね♥」と言いながら非常勤職員たちに名刺を渡している僕に出会い、その名刺をずっと持っていたというのだが、当然、どうしようもない人間のクズである僕は覚えちゃいないのだった(笑)。
 しかし、そんなささやかな出会いが、こんなにも大きなとりくみへと発展していった、その原動力となった働く者の尊厳あるいはプライドの素晴らしさを改めて感じさせる事案でした。

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2006/02/24

日経新聞もすでに死んでいる(笑)。

 財務省に行くと、人事院が月一で発行している薄っぺらな雑誌『人事院月報』2月号があったので、中華食堂「さぼてん」で、担々麺を食べながら、パラパラ斜め読みした。すると、な、なんと、久しぶりに読み飛ばせない記事があった(!)。
 それは、「ひろば」という欄で、日本経済新聞の黒沼晋記者が「国民の不満、公務員の不安」というエッセーを載せていた。彼はエッセーで、われわれ官公労の間では大不評だった(笑)、昨秋から断続的に日経で一面連載した「官を開く」という企画の、自己弁護じみた話を展開していた。
 黒沼氏は、①国民負担を避けるために小さな政府が必要だ、②官の閉鎖的なシステムが続く限り真の改革はできない、③官をどう開くべきか、が連載企画のコンセプトだったと、まるで政治家のような執筆動機を開陳したあと、「形としての記事ではやや官に冷たいものになったという印象を持つ」などと書く。
 僕は、このブログで何度も霞が関の冷酷な現実から出発せよ、と書き続けてきた。黒沼記者は、エッセーの後段で、公務の現場でまん延する、うつ病休職者の現実に触れざるを得なかったようだ。キャリア官僚を含めて、うつ病など精神の病による長期病休者はこの10年で2倍となり、がんを抜いて約2000人となった現実に。
「ここ数年での(国家公務の)うつ病者数の増加は特に目立つとの声を複数の人から聞く。自戒を込めていえば、官たたきに走ったマスコミや政党にも責任の一端はある
 黒沼記者が、厚生労働キャリアに「何が問題なんでしょうね」と訊いたら、「しょい込んじゃうんですよ。みんな頑張って自分でやろうとするから」という答えが返ってきたという。そして、こんな風に締めくくっている。「(公務の)現場と読み手の感情の乖離を解きほぐすのには時間がかかる。マスメディアに携わる者として、押しつぶされるほどの大きな課題である」。

 公務員を5%削減しても財政赤字は増え続けるという事実、政府による公務員リストラキャンペーンの真のねらいは、消費税大増税への露払(つゆはら)いなのだということを、日経新聞は、もうそろそろ、隠すでないぞよ(笑)。

 紛れもなく昨年のベスト・ノンフィクションの一つである『日経新聞の黒い霧』(講談社)を書いた元日経のスクープ記者・大塚将司さんは、同書でスクープ取材の手法を語っている。①断片的な事実を寄せ集め、②推論を交えたグランドデザインを描く、③デザインの正しさを実証し、④リスクを負って記事にする。これが、取材相手から完全に独立したスクープを生み出す、と言うのだ。大切なのは、取材相手との距離感と、とにかく、……始まりも終わりも事実という現実から出発するということだ。ここには、読み手の感情だとか新聞社の「主張」だとか編集局企画部の「見込み」だとか、そんな恣意(しい)的な「たくらみ」は一分もない。
 『日経新聞の黒い霧』の白眉は、長年日経新聞を私物化してきた会長・鶴田卓彦――クラブ「ひら川」に年3000万円を越す社費をつぎ込んでいた男を、大塚さんらが懲戒解雇という会社の愚劣な攻撃に負けず株主総会で追放していくさまだ。飲み屋での大塚さんは、「仮にも日経は言論報道機関なんだ。それも、この20年間、米国流の経営手法や経済システムの導入を訴えている」といらだつが、「あとがき」では、こんなふうに書くことになった。
「かつての日経新聞はまぎれもなく“言論報道機関”であった。しかし、現在はその資格を喪失している。“情報サービス会社”へ堕落する転機はいつだったのか。それは1985年のプラザ合意だったような気がする」
 プラザ合意の歴史的な意味は、これから問われなくてはならない。
 『諸君』3月号に、大塚さんは「『全共闘世代』が日本を滅ぼす  大手マスコミに巣食う全共闘愚鈍世代よ、早く消え失せろ。定年延長? 冗談言うな。日本をダメにした輩が還暦後ものさばるのは百害あって一利なし」という激しい論文を載せている。一読し、労働組合にも通じる悲しい現実だと、僕は思った。

 この記事を書こうと思ったのは、別に冒頭の日経記者に反論しようと思ったわけではない。
 今朝早く目覚めて、ラジオから聞こえてきたニュース……、日経社員が自社情報を利用してインサイダー取引をしたというニュースを聞いて、暗澹(あんたん)となったからだ。新聞広告をめぐる「黒い霧」をいち早く指摘していたのが、大塚さんだったし。
 資本主義システムの最大の擁護者であるはずの日経新聞が、システム・サスティナビリティーの最悪の破壊者であるという矛盾!! ほとんどライブドアの堀江容疑者と同罪だ。

 霞が関と自宅の往復に使う電車のなかで、多くの人が読んでいる日本経済新聞。読み手は、もはや日経に事実にもとづくグランドデザインを期待していないのだとはっきりわかった記憶すべき日であった。読者が日経に求めているのは、新しい会社と商品の紹介、商品流通の情報と動向、役員人事、株価の推移などであって、権力を監視し、その腐敗を撃ち抜く言論などではない。連載「官を開く」が、あまりにも権力に近いところから書いているという僕の印象は、記者が言論機関としての矜持(きょうじ)を失っているという印象に他ならない。
 
 今後、黒沼記者は、現場と読み手の間で、「押しつぶされ」る事態(なんと大げさな表現!)には、絶対に陥らない。
 なぜなら、霞が関の厳しく悲しい現実を知っていたのに、それを連載「官を開く」で書かなかったから。そもそも日経は、現実と事実を最優先に報道するマスメディアではなくなっているのだから。日経が追うのは、アメリカ仕込みの人為的・意図的なストーリー(読み物)なのだから……。

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2006/02/23

霞が関は、すでに死んでいる(笑)

 名古屋大学在学中からテレビを見ない生活をずっと続けている僕は、申し訳ないけれど、トリノオリンピックとかライブドア事件とか、いま国会で泥仕合を演じているという偽メール問題とか、どんな盛り上がりなのかさっぱりわからない。ただ、新聞だけは精読しているので、例えば、偽メールで自爆した永田某議員が、ほとんど僕と同世代で、かつ東大出の元財務官僚だという経歴を読むと、俄然(かぜん)目が輝いてきて、「こんなくだらない人間が、国民の血税の使い道を決めていたのか~、ばっかじゃなかろうか~。やっぱ東大なんかに行かなくてよかったな~」と、興奮しながら、こうやってキーで打たせてもらっています(笑)。

 この二、三日、霞が関をくまなく歩いたのですが、ほとんど死んでいますね。エレベーターのなかで出会う職員たちの顔は、ほとんど土気色(つちけいろ)。血の気のある人なんかほとんどいない。ある隠れフロアを通れば、何人もの職員たちが、水で濡らしたハンカチを目に当てて爆睡(ばくすい)していました。前日からの泊まり組に違いないんですよ。仕事があるから、家に帰れないのです。
 必死で働いている努力と姿勢は買うけれど、はっき言って、組合に入らなければ、命の保証はないし、働きがいも失われる。今日、組合に加入したⅡ種の青年職員は、「組合員にならなければ、上司の言われるがままになってしまう。言いたいことを言える職場にしたい」と加入の動機を語りました。いまこそ、本省庁で働く仲間のみなさんには、組合に加入してほしい。 

 霞が関で働く国家公務員の労働組合の特徴は、国民のための行政サービスをいかにして確保するかというたたかいと、組合員には、国の権力機関で働く職員としての「強権」がどうしても課せられるという、極めて相矛盾した二重性のなかで活動することになる。
 以前、このブログで書いたことがあるけれど、当初は「国民のため」という大義名分で法案作成が開始されたというのに、その途中で各省庁の思惑が入り込み、果てはキャリア同士の権力争いが絡み合い、結果、どうしようもない法案が国会に上程されるという現実が、本当にあちこちにあるわけだ……。
 
 昨年の秋に決まった「障害者自立支援法」なんて、名前に偽りありだろが!(笑)

 「課長、この法律が国民を苦しめるような結果になったら、腹、切ってくださいよ
 僕の友人であるⅡ種職員の組合員が、たこ部屋(法案作成のチームに割り当てられるフロアの一角のこと)から解放されたときに言い放つ口癖というか決めゼリフが、この「詰め腹」発言なのだ(笑)。この発言は、霞が関本省庁で働く組合員のジレンマを象徴していると思うんだが、こういうささやかな「抵抗」こそが、いま必要なのだ。

 霞が関を、本当に死なせないために、ともに頑張りましょう。
 
 いま、組合事務所のテレビをつけたら、これから注目の女子フィギュアのフリーが始まるようで、初めて見る白い氷のリンクが眩(まぶ)しい、……ちょっとだけ見ようかな。いやいや、仕事を片付けて、出来るだけ早く飲みに行こうっと(笑)。

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2006/02/22

働く者のアイデンティティー

 昨日、何を間違えたのか、国公一般の労働相談に民間法人で働く女性がやってきた。40代ぐらいだったろうか。「気が動転して」「ネットで検索して」「とにかく組合という名の付くところで相談しなきゃと」彼女は、そう言ったけれど、どうして国家公務員の組合に駆け込むことになったのか、僕にはよくわからなかった(笑)。
 ただ、職場のある市ヶ谷から霞が関まで、わざわざ出向いて来られたので、僕は話だけでも……、と応接室に通しました。

 相談内容をまとめると、その日のお昼、社長から呼び出された彼女は、いきなり解雇通告を受けたという。そのまま気が動転して、「明日まで時間を下さい」と応えたという。仕事が手につかず、半休を取得して、すぐにネット喫茶で国公一般を探し出した。店を出るとき、経理の人に頼んで、初めて就業規則なるものを手に入れて読んだ。ネットで調べると、解雇するためには1カ月前に通告しなければならないこと、合理的な理由が必要なこと、そんなことを知ったという。

 僕「社長の言葉、それ、本当に解雇通告なんでしょうか?」
彼女「社長は、『この仕事、あなたに合わないんじゃないですか?』と言い、わたしから辞めるのを待っている感じでした」
 僕「解雇理由の説明がありましたか? 解雇できる場合が就業規則に書かれてますけれど、どれにも当てはまりませんよ」
彼女「とにかく、社長は、わたしの失敗をあげつらうんですよ。……資料のインデックスの貼り方が間違えているとか、文書の末尾の『以上』がしっかりと右寄せになってないとか細かく指摘されて……、とにかく、わたしには、この仕事が合わないと」
 僕「でも、あなた、もう2年もキャリアがあるじゃないですか。細かいことを言い出したら、社長だっていろいろあるでしょうし」
彼女「……はい。1年前、一度に5人の職員が辞めるという事件があり、わたしは残ることを選択し、彼女たちの穴を埋めるように必死で働きました。会社のために懸命にやってきたという誇りがあります」
 僕「これは、単なる退職勧奨ですから、それに負けないことが肝心です。気持ちを切り替えて、明日から出勤し続けてください」
彼女「本当に解雇ではないですか?」

 彼女は、「こんなこと初めてで……」と言うとハンカチを何度も目にあてる。僕は、解雇というトラブルに直面して初めて働く者は、働く者としてのアイデンティティー(存在確認)を自覚するという話を思い出した。働く者としての誇りというか尊厳に気がつくのだ。解雇に直面すると、それまで、なあなあで働いていた職場環境が一変して見える。これまで優しいと思っていた社長が悪魔に見える。働くことが苦痛に感じられる。しかし、働かねばならないという現実を痛感する。賃金を貰(もら)うことと同時に、職場を変えるということが大切な要求となる。これから、どのようにして働いていくのか、どんな態度を示して生きていくのか思案を始める。

 組合員でもない女性が、泣きながら「社長に解雇通告かどうかを確かめる勇気がない」とこぼすので、少し甘いと思ったけれど、僕が代わりに電話をすることにした。社長は、国家公務員の組合が出てきたことに驚きつつ、「解雇を通告した訳じゃない。退職をうながしただけ」と率直に認めた。僕は「解雇の理由らしきことは、まったくありませんからね」と念押しする。

 電話を切った後、僕は「正式に解雇通告されたら、連絡下さい。信頼できる民間の組合を紹介します」と言った。
「とにかく、働き続けたいのなら、気持ちの上で負けちゃ駄目です。社長は間違っていると批判しながら、自分はもう働けないと思うのなら組合は助けません。それは、かつて、捨て台詞だけ吐いて辞めていった5人の同僚と同じ事になりますから」
「……そうですよね。明日から働くことがなんだか怖く感じるし、意味が変わってきました。でも、相談して、だいぶ、気持ちが楽になりました」
 相談を始めて約一時間半の後、女性は笑顔で帰って行った。僕は、彼女の背中を見送りながら、霞が関で働く若い非常勤職員さんが働く者としてのアイデンティティー(存在確認)を獲得することは可能だろうか、と思いめぐらせていた。
 だって、20代の僕なんか、組合はおろか、働くことに意味などまったく見いだしていなかったからだ。しかし、振り返るとあのころ懸命に働いていたこと、そのことには、本当に大切な意味が込められていたのだ。

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2006/02/21

霞が関鮫、潜伏中。

 いま、霞が関で働く非常勤職員の労働条件や制度そのものについて、根本的に検討しています。そのうち、ズドンと爆弾を破裂させたいと思いますが(笑)。新宿鮫ならぬ霞が関鮫……現在、潜伏中。

 今週は、国会議員会館(民主、共産、社民)へ行き、議員秘書に訴え、日比谷図書館で各委員会の議事録を読みまくり、それから財務省主計局と会計課に問い合わせ、財務を振り出しにして各省庁で働く非常勤職員さんから実態のヒアリングを行い、今日の夕方は、労働相談2件に取り組み、もうクタクタになりました。

 組合員が頑張っているから、僕も頑張れるのです。

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2006/02/17

予算案を読む読む読む!!

 昨日、経産省→財務省→厚労省と、大沢在昌著『新宿鮫』よろしく霞が関鮫になって遊泳しましたが、とんでもない事実をつかむことになりました。
 これが本当なら、絶対に許せね~。

 それで、いま僕は、国会で審議されている予算案を読んでいるわけだ。この予算案に、財務省がムリムリ忍び込ませたもの、それを突き止めなくてはならない。
 しっかし、財務省のやり方は、汚(きたな)い。……数字とか見ていたら、ムカムカしてきた(笑)。

 読んでいる方、このブログ記事、全然、意味がわからないと思うけれど、いつか明らかにしますから。

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2006/02/15

あくまで予感ですが…。

 あくまで僕の予感というか、観念的な希望的観測なんですが、これからの時代がどんな時代になるのか、それを考えたとき、労働組合の運動が必然的に大きくならざるを得ないというか、……時代の大きなトレンド(潮流)になっていくような気がするのですよ(笑)。

 昨晩、文京・本郷で大先輩の組合役員とお酒を飲みながら、僕がこんなことを言い出したら、最初、大笑いされましたけれど、「……がぶちゃん、ちょっと待てよ、もしかしてホントになるかも」と言われました。

 その理由の第一は、いま働く者が使い捨てにされているという客観的な現実があること。小泉構造改革=規制緩和路線で、雇用の流動化が加速し、この霞が関でも任期付きの非常勤職員や派遣職員が増えている。労働条件が一方的に悪化するのを誰も止められない。最近、NHKのディレクター・松宮健一さんが上梓(じょうし)したルポ『フリーター漂流』(旬報社)を読むと、それが実感として理解される。
 この前、内部資料を入手してびっくりしたのだけれど、霞が関のある省庁の局長クラスを乗せているハイヤー運転手(派遣職員)の基本給は、ヒト月9万4000円だった(!)。朝8時半には、キャリアの自宅前に車をつけて、9時に乗せる、30分で霞が関に到着する……、運転手の詰め所では、配車の切符が回ってくるのを万全の構えで待つ、夜遅くまで待機することもある、とても神経を使う仕事なんだという。いったい、派遣会社は、その省庁といくらで受注契約し、いくらピンハネしているのか? 大問題だと思った。
 もちろん、国家公務員の運転手もいるから、正職員ドライバーと派遣社員である運転手の間には、埋めがたい溝が生まれている。そんなわけで、いま働く者たちは同じ職場で一緒に働きながら労使が違うため、個々バラバラにされている……、そこに国公一般という新しい組合――どんな雇用形態であっても、1人でも加入できる、当局や会社に対して簡単に団体交渉が打てるというニュータイプの個人加盟組合が登場することになった、その小さな組合が、解雇撤回や労働条件の改善などの成果を着実に出し、組織化を進めていけば、大きな信頼のセーフティーネットを広げることが出来るはずではないか。

 第二の理由は、そうした個人加盟組合の運動が大きくなりつつある、そんな予兆が生まれているということ。seinen
 いま東京都内では、首都圏青年ユニオンの分会結成が相次いでいる。昨晩の飲み会は、千代田青年ユニオン、江戸川青年ユニオン結成に続いて、文京青年ユニオンの感動的な結成大会に参加して後のことだった。20代の若者たちが、会社のひどい労働条件を何とかしようと手をつなぎはじめている。会社でたった1人でたたかっている組合員の団体交渉に、別の会社で働いている労働者やアルバイト、学生たちが同じ組合の仲間として、どんどん参加している。若者たちが次々に語る職場の様子や団体交渉の経験は、僕が学生のころにはなかった現象なのだ。
 国公一般は、そういう彼ら彼女らに学びながら、少しずつ組織を大きくしていこうと思っている。

 ああ、これを書いているたったいま、メールのチェックをしたら、エリート大学を出た霞が関のクールな住人から「組合の話を聞きたい」というメールが来た!!
 彼に返事を書く方が大切だから、これ以上、書くのは止めよう(笑)。

 ではでは。

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2006/02/13

霞が関は、無法でいっぱい。

 たったいま、霞が関の某省で働く派遣職員の労働紛争を解決しました。
 派遣元会社は、「顧問」を名乗る社会保険労務士を連れてきましたけれど、誰が見ても、違法は違法なんですよね(笑)、もちろん相談者の意向通りに解決しました。
 やったぜ、3戦3勝!!

 しかし……、連日のように、このブログを通して深刻な労働相談が寄せられる。まだまだ抱えている労働紛争は減らない。
 メールに切々と書かれてある彼女たちの労働条件を読むだけで、国のおひざもとである、この霞が関には無法がいっぱいだということを改めて認識する。
 だからこそ、と言うべきか、労働組合の存在意義というか、必要性をひしひしと感じるわけですが。
 
 ……霞が関よ、本当にいいのかな、このままで。

 若手キャリアのみなさんは、「改革」を言うなら、自分の足下をもっと見た方がいい(笑)。

 例えば、国民のみなさん、各省庁のホームページを見てほしいんですけど。
 どこの省庁でもいいのですが、そのホームページの目立たない、小さいところを注意して見ると「採用募集」のバナーがあるはず(笑)、それをクリックすると、「事務補助員」あるいは「アルバイト」、または「非常勤職員」の募集のお知らせ欄が出てくるけれど、そこには給与と業務内容、勤務時間など簡単な労働条件しか書いてない。
 
 とっても肝心なこと……、社会保険とか雇用保険の有無とか、休暇、退職に関する事項、契約更新の有無などがまるっきり書かれていないのですよ

 そもそも非常勤職員(アルバイト)であっても、労働基準法が適用されない、れっきとした国家公務員であることが明示されていないじゃないですか!!! 守秘義務など服務関係は、まったく国家公務員なみに課せられるんですから。

 求職しているみなさん、国家公務の職場はクリーンだと思って、だまされちゃ駄目ですよ~。
 うまく入省したら、まずは秘密裏に国公一般に加入してください。
 トラブルがあってからでは遅いですからね~。

 とりあえずの虎の巻三箇条を書いておきます。

 ①当局からは、きちんと労働条件明示書を交付してもらいましょう。
 ②有給休暇やセクハラ相談員の有無など、非常勤職員にかかわる、すべての国家公務員法の条文と人事院規則を教えてもらいましょう。
 ②万が一、トラブったら、1人で当局とやりあわない。絶対にやりあわない。そのときは、第三者である国公一般に通報し、みんなで団体交渉すること。

 さて、いまから僕は、明日、当局(会社)に提出する要求書をつくることにします(苦)。

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2006/02/08

一番最初にたたかうひと

 女性ユニオン(東京・渋谷区)から機関誌「ファイト」1月30日号が送られてきた。その名の通り、女性「性」にこだわって活動している組合で、女性がおかれている労働実態調査や世界の女性労働者との交流などを含め、1カ月に約40件の労働相談に取り組みながら、団体交渉や裁判をたたかっている。

 女性ユニオンがたたかっている裁判の一つに、「公務パート雇(やと)い止(ど)め裁判」がある。国家公務員の組合で非常勤職員の組織化に取り組んでいる僕が、ずっと気になっていた裁判だ。この間、傍聴や支援行動、シンポ報告などに参加してきた。
 この裁判の判決が、3月24日(金)午前10時、東京地裁636号法廷で言い渡される。3月30日(木)午後6時30分から判決報告集会も予定されていて、多くの人が、この裁判が問うている意味を理解してくれると嬉(うれ)しい。

 以下、原告Mさんの意見陳述を書き写しておきます(機関誌「ファイト」から)。

 私は、2003年3月末、13年11カ月勤めた国立情報学研究所から突然雇い止めされました。私に仕事上の落ち度があったわけではありません。私は、国立情報学研究所の仕事は日本の学問を縁の下で支える仕事と思って、真面目に働いてきました。また、仕事がなくなったわけでもありません。私が担当していた仕事は、雇い止め後も業務委託として継続し残っていました。
 雇い止めは、国立情報学研究所当局が、「非常勤職員は3年」と途中から一方的に方針変更し、私たちに知らせることも、承諾をとることもなく、勝手に実行しただけです。いくらなんでも、これは酷い、理不尽です。
 
 私は、雇い止めに遭うまでは労働組合に入ったことはありませんでした。労働者の権利について深く考えたことがありませんでした。まして自分が裁判するなどと考えたこともありませんでした。でも、当局から組合との交渉も拒否され、私には裁判に訴えるよりほかに残された道はありませんでした。

 裁判を起こして3年間、私は、裁判や労働組合を通じ、想像もつかないほど多くの人々に励まされてきました。また、私と同様に公務職場で働き雇い留めにあった人たちが多く存在することも知りました。生活のため仕事をしながら裁判を続けるのは大変なことです。特に、非常勤労働者が裁判へ訴えるのは、生活への圧迫を考えるととても難しいことです。生活や金銭的な理由その他、さまざまな理由で裁判をすることができない非常勤労働者は、大勢います。私と一緒に国立情報学研究所を雇い止めされた人にも、「決して許せない」と思いながら裁判ができず、悔しい思いをしつつ私を応援してくれている人がいます。私は、そうした人たちの思いを代表するつもりで今日ここに立ちました。

 私のこの3年間は、アルバイトの掛け持ちをして働きながら裁判をしていくという生活で、とても苦しいものでした。精神的にも、被告(国)が雇い止めの言い訳を主張するたびに、単に数字合わせとして簡単に切り捨てられた悔しさ、納得できない思いがこみあげてきて、繰り返し傷つき、非常に苦しみました。
 でも、裁判を通じて知り合ったある女性が、私をこう励ましてくれました。
「10回言っても届かなかったとしても、100回、1000回言い続けることで現実を変える力になると信じたい。1人が1000回言うことが無理であったとしても、同じ立場にあるものが、あきらめず、一緒に声をあげれば変わっていくはずです」
 私は、使い捨てにされた非常勤職員の1人として、何度でも声をあげたいとおもいます。

 私たち非常勤職員は単なる数字ではありません。
 心を持った人間です。
 公務職場で働く非常勤職員は、民間の労働者には認められている労働者としての最低限の権利すら認められていません。どうしてもこのことには納得できません。公務職場の非常勤職員に民間労働者なみの最低の権利があることを認めてください。人権を考えたら当然のことではないでしょうか。裁判官に心から期待し要望します。

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2006/02/07

いまもどこかで団交の声が。

 改めて組合紹介。
 国家公務員一般労働組合(国公一般)は、東京・霞が関の公務職場で働く国家公務員、非常勤職員、派遣職員で構成する組合で、国家公務員法、人事院規則に加えて民間労働法のもとで活動しています。
 政府の外郭団体(天下り団体)で働く職員や派遣労働者の解雇撤回などの事案は、民間労働法を駆使して団体交渉を行うので、国家公務員の組合でありながら、ほとんど民間の労働組合と同じような活動をしているわけです。
 雇用形態の多様化のもとで、ひところでは考えられなかった労働組合の活動が展開しているという事実。

 なぜ、こんなことを改めて書くかというと、一昨日の夜、こんなメールが寄せられました。
「お久しぶりです。ブログ拝見しました。お仕事忙しそうですね。私はバイト先が潰れてしまい給与も半分未払いのままです。みんなで裁判おこすか未払い賃金立替払いを申請するか話合ってるところです。またバイト探さないといけないですね、……それで」
 彼は、元霞が関の住人で、公務の職場に見切りをつけ、いま働きながら司法試験に挑んでいる若者(ナイスガイ)。バイト先の倒産(まだ、自己破産をしていないのがミソ!)で、数十人の仲間の、数百万円にものぼる不払い賃金をいかに回収するか、その相談メールなのだ。誠実だった彼らしいメールだ。
 僕の手がすいているときは、こうした民間企業の債権回収について、労基署の活用や霞が関の簡易裁判所に少額訴訟をかけて支払わせることをしてきたが、いまは抱えている事案で精いっぱい。
 こういう場合は、東京・大塚にある首都圏青年ユニオンのみなさんに回すというか、相談に乗ってもらうようにしている。逆に、霞が関にかかわる労働相談事案が、青年ユニオンから国公一般に回ってくることもあるのだから。公務と民間の垣根がなくなりつつあるが、なお労働組合の棲(す)み分けは、まだ必要なのかもしれない。

 他の労働組合との関係を密にしているから、僕のパソコンには、一日何通も団体交渉や組合結成のメールが舞い込む。そのメールを開くたびに、この東京の空のもと、どこかで労使が激しく団体交渉している様子が目に浮かぶ。そして、若者たちが、ほとんどボランティア・試行錯誤で新しい組合をつくって会社とたたかっている姿が見えて強く励まされる(国公一般の活動もその一つだからね)。マスメディアは、景気の話は報道するけれど、不安定雇用が広がる情勢のなかで、少なくない若者たちが勇気を持って連帯し、立ち上がっている現実を伝えない。

 いまもどこかで団交の声がする(談合じゃないよ)。

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2006/02/03

「若返り」を理由とした解雇は、絶対に認められません(笑)

 お昼時、失礼します。

 いままで、霞が関のある部屋で団体交渉を行っておりました。
 先週の記事で書きました、「若返り」「人心一新」を理由にして解雇通告された非常勤職員を守るための第2回交渉なのでした。
 前回、久しぶりに神様に祈ったものの、「解雇を撤回せよ」「非常勤職員は働く者としての尊厳を深く傷つけられている。謝れ!」「労働基準法に照らしても解雇の理由に全然ならない。お話にならない」と追及する僕らに対し、当局側はふてぶてしく「発言は撤回しない。職場の士気やチームワーク、業務の効率化などを考慮した結果、任期満了を通告したまで」などと、あらかじめ用意した文書を何回も機械的に読み上げる始末、……2時間に及ぶ交渉は、残念ながら決裂したのでした。
 今日の交渉が不調に終われば、東京都の労働委員会に申し立てる予定だった。

 今朝(交渉にのぞむ前)、僕はスピルバーグの新作「ミュンヘン」のエリック・バナよろしく「果たして勝てるだろうか? こんなことの繰り返しで果たして世界は変わるのだろうか?」と悩みましたが(笑)、ヘッドフォンから流れていた曲はウルフルズの新曲「サムライソウル」で、一気にコンセントレイション(集中力)が高まり、元気に霞が関の敵陣(フロア)へと出撃しました。

 ……んで、結果。
 交渉の冒頭から、当局側からこんな発言があった。
「前回の交渉内容を再考した結果、具体的に言った、言わないということも加味して、本人に言ったことは撤回する。また、(組合側が要求したように)07年度末までの雇用を継続すると理解していい」

 !!!!!!!!!!!!(驚き)
 僕は、隣りに座っていた非常勤職員の横顔を見る。彼女は、睫毛(まつげ)を二、三度細い指で拭(ふ)いた。……そして、安心したように笑った。
 そのため第2回交渉は、ものの15分で終わり、僕は初めて当局側からコーヒーを出してもらった。それを飲みながら懇談することになった。当局側は、前回の組合側の訴えを全面的に真摯(しんし)に検討してくれたのだった。
 気持ちがなごんだところで、当局側の偉いさんは言った。
「水掛け論はしたくないですから」(←水掛け論も何も、はっきり言ったんですよ、「若返り」って!)

 今年になって国公一般が抱えた不当解雇事件は、すでに2戦2勝。派遣職員のケースでは、職場のいじめによるストレス被害の慰謝料も勝ち取りました。
 この職場には、少なくとも1年間は組合分会の旗が立つ。

 今夜も来週も労働相談があります。頑張りますよ。

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2006/02/02

公務員が基本権獲得/韓 国

 いま、連合通信社からニュースが飛び込んできました。

 韓国の公務員に今年1月から団結権と団体交渉権が付与されました。争議権は保留とされました。
 韓国では軍事政権時代の法律を引き継ぎ、公務員は労働三権を剥奪されていました。このため、ILO(国際労働機関)が基本権付与を繰り返し勧告。教職員が99年に団結権と団体交渉権を付与されたのに続き、公務員も04年末の国会で関連法案が成立していたものです。公務員への労働基本権付与に伴って、02年に発足した公務員労組も合法化されました。

 昨年の夏、韓国・ソウルに行き、非合法組合であった公務員労組の役員と懇談したのだけれど、あのとき、みなさん違法なストを行ったという「罪」で警察に捕まったり、公務員身分の剥奪をされたりしていたというのに、とても元気だったことが思い出される。
 こうやって粘り強く労働基本権を勝ち取っていくところがスゴイことだなあ。詳しいところを突(つつ)けば、いろいろと問題もあるのだろうけれど。

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