全力で手綱を握っていこう
連休明けの今朝、僕の机の上に「加入申込書」のファクスが置いてあった。
先週末、夜遅くまで労働相談に乗った若い非常勤職員からのものだった。
僕は、彼女に対して、「国公一般は、まだまだ当局交渉の実力が弱くて要求を叩きつけるまでが大変」とか「あなたが加入しても自動的には解決しない。入ってからが本格的なたたかいになる」などと意気地のないことを率直に伝え、「加入するのは、一日考えてから」とまで言ったのだった。
大学時代からこれまで、僕は、何人の人を裏切ってきたことだろうか? 本当は、そういう男なのだ。
(実を言うと、最近も、信じてくれていた人の心を深く深く傷つけて、相手の信頼を見事に裏切ってしまったのだ。その人は、もう二度と僕と会うことはしないだろう)
ただ、僕のただ一つの、なんとか生きていける手綱は、労働組合の活動のなかでは、(いまのところ)相手の気持ちを裏切ったことがないという事実だけだ(もしかしたら、その手綱さえ、早晩、裏切りの斧によって断ち切られるのかもしれないのだけれど……)。
その代わり、裏切られる経験は、何度もしていますけど(笑)。
さっき夕食をとった後、霞が関の書店で、何気なく文芸誌『文芸』を手にとって読んだ。僕の好きな作家・吉田修一さんの特集で、パラパラとめくっていく、その瞬間瞬間、垣間見える吉田さんの優しいフォトグラフに触れていたら、なんだか涙が出てきた。
国公一般に加入してくれた、若い彼女は申込書に、こんなことを書いていたんだと思い出して。
「がぶり寄りさんと話をしていたら、私の解決のために協力してくれることを確信したので」
「本当なら、こんな問題が起きる前から加入していたのなら……」
僕にできる対処の方法は全部やりたい。
国公労連本部と単組のみんなの知恵と力を集めて、彼女のために動きたい。
みなさん、よろしくお願いします。
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コメント
誰を信じて、何を信じて・・・・分からなくなりました。でもこのHPを見て自分なりに考えて、このまま汚い大人にはなりたくない!!って思いました。だって、自分のための人生じゃん。
涙して、押し黙るために生まれてきたわけじゃない。だから勇気を振り絞って相談しました。
お願いします。
セクハラをこのまま見逃したくないの。
第2第3の被害者をだしたくない。
力と勇気をください
投稿: 瀬戸際 大泣き | 2005/10/11 午後 11時23分
諦めるのは簡単。だから、負けないで!
投稿: 負けないで! | 2005/10/15 午後 05時11分
地方公務員です。霞ヶ関にセクハラがあるということは想像できませんでした。私の国家公務員の人たちは、真面目な人たちの集まりというイメージがあったので以外でした。真面目なイメージの組織こそ意外と裏では黒いことが行われているのかもしれませんね。〔セクハラは一部の人だと思いますが。〕もし、大きな組織に立ち向かうときは一人では負けてしまうと思います。組合をうまく利用して交渉し事実を明らかにして内外の人たちに伝えていくことが、第2・第3の被害者を生み出さない道になると思います。一番初めに声を出して行動する人の勇気は同じ被害にあわれている方に希望を与えることが出来ると思います。でも、はじめの一歩の勇気が一番難しいんですよね。〔私もその勇気が欲しいと思っている一人です。〕陰ながら応援してますので負けないで下さい。
投稿: 勇気を消さないで! | 2005/10/19 午後 10時30分