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2005/10/31

だまされないために

 仕事を終えたあと、労働者(なんだか古くさい言葉ですが、しかし、僕もあなたもきっと労働力を売ることでしか賃金が稼げない労働者に違いありません。その労働者)にいろいろな教育を施してくれる学校へ行きました。別に夜学とかではなくて、この学校は、働く者が、この複雑な社会のなかで騙(だま)されないように、賢く生きるためのコツや知恵を講義というかたちで教えてくれるのです。
 今夜は、労働組合の歴史と「働きがい」がテーマでした。

 講師の方が、最後に紹介した詩にすごく感動したので、ここに紹介しますね。
 僕のように、ぐだぐだ長く書く言葉でなく、こんなふうに短い言葉で豊かに表現されると、本当に前向きに頑張れるような気がします。

 「今日はきのうの続きだけれど」
                   みつはしちかこ

 今日はきのうの続きだけれど
 朝ごとに目覚めるように
 いちにちは 日々に新しい

 きのうのぬくもりを肌に
 今日のつめたい服を着よう

 ちょっとひざまづいて
 祈りに似た気持ちで
 手早く服を着よう

 窓をあけて
 きのうとは違う
 新しい季節の顔に
 あいさつを送ろう

 雨でもよし 風でもよし
 曇りでも 嵐でもよし

 わたしの今日は
 これから始まる


 みつはし・ちかこさんは、1941年生まれ。
 詩集に『ときめきに呼ばれて』『涙のとなりに』など。
 この詩の出典は、『あなたの名を呼ぶだけで』から。

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2005/10/25

第3回大会宣言

 先週の金曜日、組合員さんから「風邪、流行っているから気をつけて」と言われ、「大丈夫っスよ、馬鹿は風邪ひかないって言いますから」と答えたのだが、土日と発熱し、昨日も病院に行ったりして休んでしまいました。大会の後始末、『調査時報』の原稿、交渉、打ち合わせなど、仕事は山積していて大変です。手抜きというわけではないですが、仕事前に、国公一般の第3回大会宣言を載せておきます。最後段、作家の五木寛之さんの影響を受けています(笑)。

 大会宣言

 「どこの省庁にいても」「正職員でも非常勤職員でも」「一人でも」加盟できる労働組合として2年前に誕生した国公一般は、この1年、霞が関における月2回の定時退庁宣伝と年間30件におよぶ労働相談を通して、二桁の組合員を増やしてきた。
 この歩みを、ある者は、「徒労だ」と冷笑するかもしれない。しかし、われわれは、ここではっきりと宣言する――国公一般は、一人ぼっちで苦しみ、途方に暮れている仲間の心に寄り添い、ともに手を取り合って悲しみの根源にあるものと全力でたたかってきた組合であることを。われわれの歩みは、小さくとも固い信頼で結ばれた確かな歩みであることを。

 霞が関で働く正職員からの労働相談は、若手キャリアを含めて深刻である。
 ○○省の留学帰りの若者は、部下を怒鳴り散らしていじめる上司のもとで2度目のうつ病に罹患していた。「僕は、国民のために役立っているのでしょうか?」「これ以上休んだら、食っていけない。ゆっくり仕事ができる部署に異動する方法を教えてほしい」。国公一般と出会い、「僕がおかしいのではないことがわかった。本当に安心した」と言ったはずの彼は、しかし、面接相談の日時を決めたあと、いっさい連絡が取れなくなってしまった。
 非常勤職員の労働条件と職場環境は、正職員のそれよりももっと悲惨である。
 ○○省本省の職場で一方的に強行された日給1000円の賃下げは、30歳で月15万円の手取りを切る非常勤職員にとって死活問題であった。集団的な説明会を要求しても拒否され、挙げ句の果てに、正規の同僚から「あなた方は、机や椅子と同じですから」と言い放たれた者の悲しみは、想像を絶するものがある。しかし、われわれは「あなた方」の笑顔を忘れはしないだろう――労働相談のあと、「任期切れまであと1カ月、わたしに何ができるかわからない。けれど、まだ見ぬ後輩たちのために何かやれるはず」と記名した加入届をヒラヒラさせて笑った「あなた方」の顔を。
 われわれは忘れてはならない。彼女たちの職場では、セクハラがあり、パワハラがあり、大量の解雇が日常的に行われていることを。われわれは、国公職場で働く20万人の非常勤職員に向けて訴える――一人ぼっちで苦しんでいるのは、あなただけではない。あなたを支える仲間は、頭を上げた先にきっといる、と。

 いま政府・当局は、幻想に支えられた圧倒的な議席の威を借りて国家公務員の総人件費を大幅に削減しようとしている。15年で3割だの、10年で半減だのと威勢よくぶちあげる政治屋に霞が関の現実を見すえる勇気はない。日夜分かたず正職員と一緒にただ働きをしている非常勤職員の悲しみに寄り添おうとする想像力の欠片もない。政府の「身」を切った後に彼らがやろうと画策しているのは、われわれが真っ先に守らねばならない国民生活への大増税だけなのだから。

 政府・当局の総人件費削減と公務サービスの切り捨てという二大攻撃に対して、国公一般は国公労連の単組の先陣を切ってたたかう。霞が関における長時間・過密労働とただ働き残業を規制し、予算削減による非常勤職員の賃下げと解雇を絶対に許さないたたかいと切り結びながら、どんな困難にも負けることなく、われわれはしぶとく団結の絆を固めていくことを宣言する。
 われわれのたたかいは、大河の一滴である。国公一般が流した小さな汗と涙の一滴は、名もない微々たる一滴に違いない、だがそれは、やがて目を細めんばかりに眺めることになるであろう大海原へと注ぎ込む大河へと連なっていくものだ。われわれは、負けない。

 以上宣言する。
                                     2005年10月20日
国家公務員一般労働組合第3回定期大会

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2005/10/12

机と椅子と同じなのか?

 今日、人事院に寄った後、厚生労働省、法務省、総務省、国土交通省などなど歩いてまわり、最後に財務省に向かった。財務省の主計がはまっている廊下をテクテクいくと、予算前だからか、ずらっと並んで待っている人たちの姿がある。公共事業関係の部屋の前には、ひときわ多くの人がいる。僕は、心の中心で「公共事業と防衛費をバッサリ削って社会保障にまわしてくれよ~」と叫ぶ(笑)。

 さて……、笑えない話を耳にしたので報告しておく。絶対に阻止しなくてはならない、笑えない話だ。
 これから各省の予算が決まっていくのだが、その作業のなかで、非常勤職員の賃金単価や手当などが大幅に減らされる可能性が出ているという話なのだ。
 瞬間で僕は思い出す――今年3月、いきなり農林水産省のある部局で働く非常勤職員の日給が千円も減らされたという事件があったことを。通勤手当を出すことと引き替えだったのだが、全体的に見ると大半の非常勤職員が大幅な賃下げになっていた。こういうことが、霞が関では一方的に、何の説明もなく、立場の弱い非常勤職員に対して強行されているのだ。
 職員たちが団結して当局に理由を訊くと、笑わせるぜ、「予算が減らされたから」だと!!
 ある職場では、一つのフロアで働く非常勤職員全員が解雇されるという大事件もあった。民間企業では、絶対に許されないことだ。民間企業を監視するべき国の職場で、こんな無法がまかり通っているのだ。
 ニュースを教えてくれた非常勤職員は、「総務の正職員から、『あんたたちは、机と椅子と同じ』なんて言われましたよ。こんなこと言う感覚、ちょっと信じられません」と唖然(あぜん)としていた。

 非常勤職員の賃金は、こういうカラクリなのだ。
 まず、非常勤職員の給与は、給与法第22条で、「各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡(けんこう=つりあい、バランス)を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する」とある。……これだけしか根拠が書かれていないのだ(!)。正職員の給与が人事院勧告で決められ、一応、人件費として俸給表にて明らかにされる一方で、非常勤職員のそれは、勧告もなければ民間企業との比較もない、職員に対する説明もなければ、そもそも人件費から出ているのではなく「庁費(いわゆる雑費)」から出ている。つまり、事務所の電球とか鉛筆とか……、「机と椅子と同じ」発言の根拠がここにあるのだ。
 簡単に言うと、各省が勝手に掴み金のなかから非常勤職員の賃金を適当に払っているということだ!! その証拠に、各省各部課局によってハローワークに出される求人票の条件が違うし。そうなると、国全体で非常勤職員を何人雇っているのか、正確な人数が把握されていないという疑念も出てくる(総務省は毎年の在職状況統計表を明らかにしているが……なんたって、総務省は、各省の報告まかせだからな)。

 こうなると、50倍の難関を突破した彼女たちのモチベーションが下がるのは当然だ。大手町かどこかの大手企業で派遣で働いた方が、タイムカードはあるわ超勤手当は付くわ、そもそも就業規則があるわで、当然のことながら良いのだ。霞が関への幻想は、早晩、さめるだろう。
 すでに、霞が関になくてはならない非常勤職員の民間への大量流出が始まっている(かもしれない)。

 霞が関で働く非常勤職員のみなさん、みなさんの労働条件が危ないですよ~!! 組合と一緒に当局と交渉しませんか~!!
 (オオカミ少年ではありません)

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2005/10/11

全力で手綱を握っていこう

 連休明けの今朝、僕の机の上に「加入申込書」のファクスが置いてあった。
 先週末、夜遅くまで労働相談に乗った若い非常勤職員からのものだった。
 
 僕は、彼女に対して、「国公一般は、まだまだ当局交渉の実力が弱くて要求を叩きつけるまでが大変」とか「あなたが加入しても自動的には解決しない。入ってからが本格的なたたかいになる」などと意気地のないことを率直に伝え、「加入するのは、一日考えてから」とまで言ったのだった。

 大学時代からこれまで、僕は、何人の人を裏切ってきたことだろうか? 本当は、そういう男なのだ。
(実を言うと、最近も、信じてくれていた人の心を深く深く傷つけて、相手の信頼を見事に裏切ってしまったのだ。その人は、もう二度と僕と会うことはしないだろう)
 ただ、僕のただ一つの、なんとか生きていける手綱は、労働組合の活動のなかでは、(いまのところ)相手の気持ちを裏切ったことがないという事実だけだ(もしかしたら、その手綱さえ、早晩、裏切りの斧によって断ち切られるのかもしれないのだけれど……)。
 その代わり、裏切られる経験は、何度もしていますけど(笑)。

 さっき夕食をとった後、霞が関の書店で、何気なく文芸誌『文芸』を手にとって読んだ。僕の好きな作家・吉田修一さんの特集で、パラパラとめくっていく、その瞬間瞬間、垣間見える吉田さんの優しいフォトグラフに触れていたら、なんだか涙が出てきた。

 国公一般に加入してくれた、若い彼女は申込書に、こんなことを書いていたんだと思い出して。
「がぶり寄りさんと話をしていたら、私の解決のために協力してくれることを確信したので
「本当なら、こんな問題が起きる前から加入していたのなら……」

 僕にできる対処の方法は全部やりたい。
 国公労連本部と単組のみんなの知恵と力を集めて、彼女のために動きたい。
 みなさん、よろしくお願いします。

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2005/10/07

夜の労働相談

 いま、労働相談が終わりました。
 いつにも増して、国家公務員の職場の異常さがわかるものでした。

 こんな職場に誰がしたのか?

 国家公務員の労働基本権の代償機関である人事院は動くか? 
 当該省庁は、相談者を守るために動くか?

 結局、組合が動くしかないのではないか?

 事務所を出るとき、相談者の涙のような雨が街灯に照らされ破線となって降っていた。

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2005/10/06

二つの判決を読む(長め)

 この前、現実を知らない判決や判例、学説は、「くそくらえ」などと偉そうに書いたけれど(反省しつつ)、この間、立て続けに下された国家公務員に関わる判決について分析してみたい。
 
 一つ目は、先週9月27日、甲府地裁が下した国家公務員の過労自殺をめぐる判決だ。
 もう8年前になるが、厚生労働省の青年職員(当時23歳)が、連日の深夜におよぶ業務多忙と超過勤務から鬱(うつ)状態となり、自宅近くのマンションから飛び降り自殺した。遺族は、国を相手取って損害賠償責任を問うたのだ。旧厚生省の組合・全厚生は、人事院の公務災害認定を求める要求や裁判を支援した。亡くなった青年の同僚だった組合員は、僕に「亡くなる前の彼は、午前4時5時まで働いていた。彼の気持ちがわからなかったことが本当に悔やまれる」と言った。
 判決は、「被災者の時間外労働は、少なくとも被災直前の1か月で120時間を超え」、「監督者(国、あるいは管理職の上司)は、被災者を漫然と放置していた」と事実認定し、国に対し約7200万円の支払いを命じたのだった。そのほか、「(残業命令簿に)反映されていない超過勤務時間も相当にあった」とサービス残業の存在も(総務省は認めないが)明確に認定している。国の、国家公務員に対する安全配慮義務違反を断罪し、損害賠償責任を初めて認めた画期的な判決なのだ。
 本当に痛ましい事件で、亡くなった青年は帰ってこないけれど、この判決は、国家公務員が働く深刻な過労職場は霞が関だけでない、全国に広がっていることを知らせ、上司の適当な職場管理では駄目ですよ、ということを改めて訴えている。
 裁判では、きっと証人によって職場のリアルな状況が浮き彫りになったのだと思う。裁判所の事実認定は、極めて実証的で、国の逃げ道をすべて粉砕(ふんさい)している。これは、感情的なものが先走った判決ではなく、冷静に現実を見つめた判決だと思った。

 二つ目の判決は、9月29日に言い渡されたものだ。
 この裁判は、2002年8月の人事院勧告とそれにもとづく「給与法改正」によって、国は、国家公務員一人ひとりに対して、既に支払われている4月以降の給与に賃下げ遡及(そきゅう=さかのぼること)し、12月のボーナスで11月末日までの総額を減額するという驚くべきことを強行したわけだが、それに怒った国公労連が、そういうやり方は、民間企業では許されない「不利益不遡及原則(ふりえきふそきゅうげんそく)に反する脱法行為」として国を訴えたものだった。
 「不利益不遡及原則に反する」とは、のちのち決まった新たな労働条件を過去にさかのぼって適用し、賃金などを減額してはいけないという、最高裁で確立した法理のことだ。

 普通の感覚で見れば、国が国家公務員にやったことは、既に支払われた賃金の減額分をボーナスで減らすということで、紛れもなく、明々白々の法律違反ではないでしょうか?

 しかし、判決は、国がやったことは「期末手当の額を調整するものであって、既に発生確定した給与請求権を処分し、又は変更するものではなく」とする。簡単に言うと、支払った給与から直接ぶんどったわけじゃないと言うのだ。ただ、それではあまりに苦しいと考えたのか(笑)、判決は、こうも言っている。
 「経済的に見れば、……(ボーナスを減額調整することは、既に支払った給与からの減額ぶんどりと)同一の結果を招来するものであり、給与を生活の糧とする国家公務員にとって、相応の苦痛を与えるものである」
 このあと、ぐだぐだ言った後、とにかく国家公務員は民間労働者が苦しんでいるんだから賃下げぐらい我慢しろっていう感じで、国のやり方をかばっていくのだ。僕の心配は、国の、こんな姑息(こそく)なやり方が、民間に広がらないかということだ。
 
 僕らは、一審で負けていたが、高裁でもう一度争った。国家公務員は労働者なのだ、という思いを心の底に沈めてのたたかいだった。労働者である以上、国の一方的な不合理は許せないという思いだ。この判決は控訴棄却だが、僕には、リアルには感じられない。少なくとも、現実を見ているとは思えなかった。

 蛇足だが興味深いくだりもあった(笑)。
 判決は、国家公務員の性格について、こう判断しているのだ。
公務員においては、その業務は、国民全体の奉仕者として公共のために供するものであり、もとより利潤追求を目的とした経済活動ではなく、その給与は、上記のような市場原理が働く余地もなく、……
 この部分を、官業を食い物にしようとしてる財界と規制改革・民間開放推進会議の連中に、そっくりそのまま返してやりたいと思ったぜ。

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2005/10/05

いや~、組合は素晴らしい!

 今日、霞が関の組合発の、霞が関一日総行動に取り組みました。お昼休みのパレードには、雨にもかからず、約200人の職員が参加しました。ホント、すごいことですよ。マスコミの取材はありませんでしたが……。

 早朝のビラまき宣伝、お昼休みを利用しての霞が関一周パレード、定時退庁をうながす鐘鳴らし、追い出し行動(ある職場では、拍手が起きたそうです)、夜の「ごくろうさま」交流会、そのあとの二次会などなど、いま、僕、やっと帰局したのですが、一言で言って、労働組合は、素晴らしい!! と実感した一日でした。

 各省庁、各組合の状況は、後日、詳しく報告しますが、若い職員が言ったように、「なんやかんや言っても、たたかいの足場は、労働組合だ」ということを実感させる行動だったと思います。

 すいまらん、かなり酔っていますので、今夜は、ここまで。

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2005/10/04

明日は、霞が関一日総行動です。

 いま、横浜出張から帰局しました(疲れたな~)。

 明日は、「長時間・過密労働とただ働き残業をなくせ!」霞が関一日総行動なんですが、朝から雨みたいだ。
 ああ、せっかくのお昼休みパレードができないかも……、困った困った。

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2005/10/03

現実を見てから言ってください!(長め)

 国公一般は、人事院に登録した国家公務員の職員団体なので、基本的に民間企業の労働者は入れません。
 国家公務員の勤務条件は、国家公務員法や給与法などで詳細に決められていて、民間労働者に適用される労働基準法や労働組合法などの労働法規が、適用されません(!)

 だから、何度も書きますが、労働局が霞が関の「不夜城」を指導・摘発することは永遠にないのです。

 でも国公一般は、これまで、国の機関の外郭団体や補助金で運営されている(民間)団体、いわゆる天下り団体で働く(民間の)職員に組合に入ってもらい、労働相談を請け負って団体交渉し、いろいろと成果を出してきました。退職金の積み増し、退職強要の撤回などなど……。
 つまり、民間の労基法にもとづいての組合活動までしちゃっているわけだな。人事院に登録している国家公務員の職員団体が、民間労組なみの活動をしていいのか? そんなこと、果たしてできるのかどうか……、大学の恩師にメールで訊いてみたら、判例や学説、労働委員会の見解はそれぞれ分かれているらしいので、慎重にやるべきなのらしい(笑)。
 しかし、僕は、現実における実践が法律や判例、ひいては裁判官の心証(しんしょう)を変えていくと信じているので、使用者である相手が受け入れてくれる限り、民間の組合員とともに団体交渉を構えていく決意だ。
 簡単に言うと、現実を知らない判例や学説など、くそくらえなのだ。

 それで、いま、個人的に抱えている仕事の一つに、ある会社に対する、不払い賃金を請求している案件がある。
 今日の午前中、新宿にある労働基準監督署に行って、賃金を払わずに逃げ回る悪質な社長に対し検察は何らかの処罰をしてくれという、いわゆる「告発」というのを申し込みに行ったのだが、なんと40分も待たされたのだった。
 とにかく驚いた、労働基準監督署が入っているビルのフロアは、たくさんの相談者で溢(あふ)れていたのだ! 相談のブースは6つあったが、すべて塞(ふさ)がれていて、もうプライバシーも個人情報の保護も何もない……、不払い賃金の請求だの、解雇されて困っているだの、上司から暴力を振るわれているだの、相談者のさまざまな声が待ち合い席で待っている僕の耳に念仏のように聞こえてくる。偶然、ある民間組合のオルグの方と会い話をしたのだが、4人の若者たちが仲間を募って集まり、団結してサービス残業代を請求するのだと言うのを励まされながら聞いた。
 まあ、とにかく西新宿のLタワーにあるハローワークも同じなんだけれど、いま国の出先機関には、たくさんの国民が駆けつけていて窓口は殺人的な忙しさだということがわかる。そういう大変な状況を前にして、職員さんたちは、困っている僕たち一人ひとりを邪険に扱うことなく、相談に真剣に耳を傾け、ノートやメモに書き付けてくれるのだった。僕が抱えている案件も、40分ほど待たされたけれど、ちゃんと対応してくれた。
 
 とにかく、国の行政の、地方の出先機関は、本当に人が足りない……、そう思った。労働行政だけかもしれないけれど、税務署や法務局、社会保険庁や裁判所なども同じ状況ではないかと思う。少なくとも、霞が関にある東京簡易裁判所と地方裁判所などは、何千何万もの訴訟や申し出があり、この夏に、僕が少額訴訟を起こしたときに対応してくれた事務官は、「私たちがマニュアル的な対応しかできないのは、仕事がたくさんあり過ぎて丁寧に付き合っていたら時間がないからなんです。本当に申し訳ありません」と言い、頭を下げたことを思い出す。

 ……で、ここまで書いてきて、次のようなことを言っている政治家がいることを紹介したいのだ(笑)。

 自民・片山氏「国の出先機関、廃止含め抜本整理必要」  「共同通信」
 自民党行革推進本部の公務員制度改革委員長を務める片山虎之助参院幹事長は2日午前のフジテレビ番組で、国家公務員の総人件費削減に関し「国の役所の地方出先機関が一番、労働生産性が低い。現業以外は全部やめた方がいい」と指摘、出先機関の廃止も含め抜本的に整理すべきだとの認識を示した。
 同時に「まず(国家公務員の)仕事の整理を思い切ってやる必要がある。公正な第三者機関的なものが仕事の仕分け、洗い出しをやらないといけない」と強調した。

 

 何度も何度も書きますが、あんたら、現実を見てから言ってください!!

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