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2005/08/16

非常勤職員さんの涙 その1

 今日のお昼、ある省の食堂で非常勤職員さんが涙を流すのを初めて見た。
 労働相談に耳を傾けているときで、彼女は「…こういうこと、誰にも話せない。信頼に足る人ほど、ものすごく忙しくしているから」と呟き、涙をポロポロと落とした。僕は、コンビニで買ってきたパンに手をつけることができず、いま彼女の胸いっぱいに広がっているものを想像せざるを得なかった。

 彼女は、この間、メールでやりとりしてきた霞が関の事務補助員さんだった。匿名のメールが本名に変わり、今日、誰にもわからないように別の省庁の食堂で会った。この1年間、たくさんの非常勤職員と会って話をうかがってきたけれど、今回もいつもの通り、メール相手と初めて会うときはぎこちないものだった(笑)。頭を下げて挨拶(あいさつ)、着席、深呼吸…、「どうも、国公一般の担当をしている○○です」。

 霞が関の非常勤職員の要求は、「働きやすい職場にしてほしい」という簡単なこと。セクハラ、パワハラ、いじめはやめて!! なのだ。彼女の悩みも変わることがなかった、……職場の「異常さ」を告発するものだった。正確に言うと、上司を筆頭にして係員までの「異常さ」だ。いまのところ、詳しく書けないけれと、異常な職員を批判できない、職場丸ごとの「異常さ」だった。
 怒りを通り越して、呆(あき)れてしまうほどだった。
「……わたしが一番許せないのは、上司や年下の係員たちの、わたしたち非常勤職員に対する暴言やいじめ、執拗(しつよう)な監視なんです。彼らは、ほとんど仕事していないときがあります。ふと思い出したように、憂さを晴らすようにいじめをするんです。こちらが必死で仕事しているとき、彼らがのんきに携帯でメールチェックしているのを見るのは、本当に情けないです」

 僕は、相談相手には悩みだけでなく、労働条件がちゃんと守られているかを必ず訊くのですが、彼女の場合、連日のように午後8時ぐらいまで残業させられていて、残業代が払われていないことがわかりました。仕事も「事務補助」の枠をこえて、正職員となんら変わらない内容だった。
 彼女は言う、「サービス残業でもいいんですよ、だって、同じ仲間たちの手伝いをするんですから」。なんとスマートな女性(ひと)なんだろう! でもね、国が、非常勤職員にサービス残業をさせるなんて違法というか、当局の言っていることに反していることなんだ、納得しちゃ駄目だよ。
 そう言うと、また彼女の目から涙がポロポロ落ちた。
「わたしの悩みは……、信頼に足る正職員の人ほど忙しかったりするので、こういうこと、なかなか相談できない。わたしたちを人間とも思わない人たちの職場のなかで、もうギリギリなんです」
「……もう辞めたいです。辞めることと引き換えに、相手に言いたいこと言いたい」
 僕は、彼女の泣き顔を見ながら、この8月に乱発された、当局の無責任な発言を思い出さざるを得なかった。
 
 ああ、書きながら怒りのボルテージが上がってきて、暴走しそうだ。
 今夜は、ここまで。

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コメント

はじめまして。とある省で私は一昨年まで非常勤職員として働いていました。
誰にも言えなかった愚痴を聞いてください・・・。

とにかくセクハラがひどかったです。
入省した頃は霞ヶ関のお役所で働けるという希望があったのですが、見事に引き裂かれました。
隣の課で挨拶程度しかしたことのない課長から、毎日のように「愛してる」メールが届き・・・親睦会と称する飲み会に行けば何故か男の職員(上の人)の隣に座ることを強要される。
そして課長や課長補佐、係長などからは「○○ちゃ~ん」と呼ばれ、まるでホステスでした。
ある職員さんからは「どうせ結婚相手を探しに来たんでしょ?」とも言われました。
退職してから知ったのですが、課長補佐(既婚)は私のことを「絶対にモノにするから、他のやつは手をださないように。」と公言していたそうです。

こんなあからさまなセクハラが横行している
職場は他にあるのでしょうか。

投稿: はるはる | 2005/08/19 午前 03時44分

 セクハラ・パワハラとか民間企業でもあるんでしょうが、霞が関のそれは、ちょっと突出していると思っています。
 霞が関の職場全体が、少数キャリアを頂点にしたヒエラルキー(階級)社会ですから、非常勤職員制度をその底辺にすえて、あらゆる矛盾が集中するような構造になっていることが透けて見えます。今回、話を聞いて知った「壊れた上司」は、自分が異常だという自覚(病識)がないのです(笑)。

 しかし、はるはるさんが現職のときに僕と会えていたのなら、霞が関を変える何かができたのかもしれないと思うと、ちょっと残念…。
 今後ともよろしくお願いします。

投稿: 国公一般担当者 | 2005/08/21 午前 09時01分

ご丁寧なお返事ありがとうございました。
私も現職のときにお会いできたらと
思いました。
でも、誰にも言えなかったことなので
聞いて頂けて、それだけですこし心が晴れました。
聞いて頂いてありがとうございました。

これからも非常勤職員のために
頑張ってくださいね。かげながら応援しています。

投稿: はるはる | 2005/08/25 午前 07時20分

 はるはるさん、返事、ありがとうございます。はるはるさんの話を、明日の大会で紹介し、霞が関の「異常さ」を訴えさせていただきます。
 はるはるさんは、霞が関を離れれば、多分、民間で働いているのでは、と思います。もし、あなたの身に何かあれば、(全労連系の)組合が動いてくれます。一人でも入れる全国一般とか首都圏青年ユニオンとかあります。負けないでくださいね。何かあれば、メールくださいね。

投稿: 国公一般担当者 | 2005/08/26 午前 12時12分

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