非常勤職員さん5人が加入!
はっきり言って、20代の女性に語りかけるのが苦手です(笑)。
それは、国公職場で働き始めた非常勤職員さんに組合加入を訴えるのが苦手ということでもあり、はっきり言って、このままでは組合の上司から「オルグの資格なし!!」と言われそうでこわいんですが……。
先日のお昼休み、ホームページの写真でも紹介しましたが、国土交通省のある職場で働く非常勤職員さんに組合説明会を行ったんですよ。多忙ななか、大事なお昼休みを組合なんかのために割いてくれるかな~って、まず、それが心配だったのですが、フロアで働く5人全員が参加してくれてホッとしました。
しかし、胸を撫で下ろしたのも束の間、若い彼女たちを前にして、僕は、なぜかカ~ッと火照(ほて)ってしまったのでした(笑)。
前日の夜遅くまで悩んで苦しんでまとめたレジュメには、霞が関の非常勤職員が一方的な賃下げやセクハラなどの人間関係に困っている実態(労働相談)が書き込まれているんですが、それを紹介している言葉が何だか自分の声じゃないような無機的な感じがして、まったく力が入らないのだった。
女性たちは、そんな僕の無様(ぶざま)な空回りぶりを見て、下を向いて笑いを噛み殺しているような感じ(!)。僕のこめかみを生ぬるい脂汗が流れ、手のひらには嫌な汗が絡みついている。20分ほど話したあと、「当局の無法な攻撃を跳ね返すためにも組合に入りましょう」と訴えたのですが(笑)、その時点で、僕、こりゃ駄目だ、大失敗、誰も入りゃしないよ~と確信していました。
そのあと続いた質疑でも、女性たちは下を向いて、「シ~ン」と静まり返って……。
そ、それが! その説明会のあと幾日かして、粘り強く加入を訴えたら、全員が入ってくれたのですよ。ホント、涙が出そうなほど嬉しかったです。ある女性は「あなた、どんどん墓穴掘ってましたね~」と笑っていました。
彼女たちから意見を訊くと、
「低い賃金=日給制なので祝日が多い月は、驚くほど賃金が下がる」
「年休の制限=入省して半年は休日がない、正職員にある夏季休暇がない」
「通勤手当が満額出ない」
…という不満から、
「不安定雇用=三年雇い止めは、困る」
という制度の問題までいろいろあったのだ。
一見、何の不満もないように見えた非常勤職員さんだが、その心の奥底には、やはり要求が渦巻いていることがわかった。
僕が、おそるおそる「なんで加入したんですか?」と訊くと、彼女たちは、「深く考えれば迷いもありましたよ」と軽~く笑いつつも、「加入を勧めてくれたことがうれしかった」「みんなの活動を少しでも手伝い、理解出来るよう新聞をしっかり読みたい」「ほかの職場や労働条件をもっと知りたい」「後に続く非常勤職員のためにがんばりたい」といった殊勝な感想が出されました。なんだか、僕は、グッときちゃって、逆に励まされてしまいました。
あと、国公共済会や青年協議会の魅力もあったことを書き留めておく。
今月行われた総務省人事・恩給局との交渉で、当局は、「非常勤職員の制度は、必要なときに必要なだけ雇用するということが原点だ。均等待遇よりは、正職員の仕事の見直しと定員の再配置という角度から議論をすすめる方向が必要だ」とのべた。それに対して僕は、「現状を認識してこそ制度の問題につながるのではないか。職場の現実は、定員が減らされ、業務が激増するなかで、非常勤職員は正職員と同じ戦力として公務を遂行している」と時間いっぱい使って食い下がった。
口下手な僕が、強く食い下がれたのは、彼女たちの存在があったからだ。
国公職場には、非常勤職員のほかにも多くの派遣・請負などの職員がいる。国公労連は、先の「非典型」集会で、「公務職場で多様な雇用形態で働く仲間との総対話をすすめ、創造的な国公労働運動に挑戦する」と宣言したが、過去のパラダイムを乗り越えるような、国公関連職場に働くすべての仲間から頼りになる産別センターへの脱皮をめざしたい。
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