人事院を4500人で包囲!
台風接近ってんで、どうなるかと思った7.26中央行動だったが、蓋(ふた)を開けてみれば、全国各地と霞が関から4500人の公務労働者が人事院前に集結、ホームページの写真にあるように参加者は祝田通りの両側の歩道に収まり切れず、日比谷公園まで広がることになった。
雨は断続的に降ったりやんだりしたが、宣伝カーの上から人事院に訴える国公労連役員、ブロック国公、現場で懸命に働いている職員たちの口からは「雨が降ろうと槍が降ろうとわれわれが退(ひ)くわけにはいかない!」との強い決意に満ちた言葉が放たれる。全国で巻き起こる公務員バッシングに押されるかたちで賃下げが強行される事態に対して、仲間たちは、事実と道理で反駁(はんばく)していく。
8月初旬と言われている勧告に向け、人事院は、国家公務員給与の全体5%引き下げ、住んでいる地域によって給与に格差をつける「地域手当」、「実績」反映の査定昇給制度の導入をたくらんでいる。この間、国公労連との交渉で、人事院は「全体の公務員水準は官民均衡している」と認めながら、政府の圧力に屈してなんとしても公務員給与を引き下げようとしている。国公労連調査部によれば、このままでは、30代後半以上の職員では最大7%の賃下げ、地域間の最大格差は、なんと18%まで広がる事態となる。同一労働同一賃金の大原則が、国の職場から破られようとしている。
ようやく民間春闘で2%賃上げが勝ち取られ、景気が整い始めている経済状況で、人事院がやろうとしていることは、果たして国家公務員の労働基本権の代償機関に値するものだろうか?
いつもは集会などでその姿を見ることのない、国土交通省の管理職ユニオンなるところの参加者がマイクを握って(人事院に窓越しに)問いかけた。
「年末の2カ月、われわれ管理職の残業時間は500時間をこえたが、休日出勤手当18万円支給でお茶を濁すしかなかった。その上、年間ベースで約10%の賃下げと合わせて退職金250万円ダウンとなれば、将来の生活設計が成り立たない。また、新しい査定昇給制度によって管理職は、部下の評価と自己評価との板ばさみになり、本来チームワークである公務に相対評価を下すとなれば、いったい職場はどうなってしまうのか?」
雨は激しくなるが、顔を背ける仲間はいない。シュプレヒコールは、いままで聞いたことがないほど気迫のこもったものだった。組合に入っていない本省庁の若い職員たちが「なんだ、こいつら、何事か?」みたいな表情で通り過ぎていくが、やがて自分たちの労働条件をめぐってのたたかいに気がついたのか、バツの悪い顔で同僚と顔を見合わせる。
やがて4500人の群集の波は、総務省・内閣府(経済財政諮問会議)・財務省前へとそれぞれ別れて新たな行動配置につく。赤、黄色、緑の組合旗、「許すな 総人件費削減」と書かれた赤と緑のゼッケン、音楽家ユニオンによるバンド演奏などが加わり、霞が関は、いっとき騒然とした雰囲気になった(笑)。
そのとき僕の携帯電話が鳴る。
本部から、いま僕が抱えている労働相談の団体交渉について相手側から至急連絡取りたいとのこと。僕は雨の入る片目をつむり、「これからがいいときなのに、まったく忙しいな~」と呟く。
ここ数年で最高の動員を達成した中央行動だと思いながら、僕は、人事院前を離れたのだった。
もう少し行動に参加していたかったけれど、苦しんでいる職員を裏切ることは絶対に出来ないから…。
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コメント
休日手当で万を超えるお金を我々はもらったことがない。休日4時間の部活動指導で1200円、6時間で1800円。これでも、教員は子どもたちのために働いている。
超勤の手当てもなく、4%の教職調整額が支給されるだけ。これで、7%(中高年)の賃下げなど認められるか!全国の100万を超える教職員がどれだけ無給労働を行い、その中で身体も、心も病んでいるか…。
投稿: hide | 2005/07/26 午後 09時09分
公務員の労働3権の制限の変わりにあり、公務員の立場となってその言を代弁すべき人事院が、マイナス勧告をすること自体間違っている。人事院は不用。
公務員人員削減のため、人事院をなくすべし!
投稿: | 2005/07/28 午後 06時54分
7・26行動の写真に私がいる!宣伝カーの上から写真を撮っていらっしゃいましたね。
投稿: hide | 2005/07/29 午前 09時48分