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2005/05/25

誰でもキャリアになれるわけではない その1

 今年の国1受験者は、読んじゃ駄目です(笑)。

 今年の国家1種の官庁訪問の解禁は、最終合格発表日の翌日(6月22日)午前9時だそうな。その日から、採用の内々定の解禁日となる7月7日(たなばた)まで、合格者たちは、意中の省庁へ出向き、面接なるものを何度か受けることになる(はっきり言って、これが一番大事な活動です)。
 人事院の担当者は、「一次試験日(5月1日)から訪問開始日まで、あるいは、訪問開始日から内々定解禁日まで各省庁は、人事院主催の説明会を除き、受験者への勝手な採用アプローチを一切行ってはならない…」と言っているが、それは嘘(うそ)ではないと思いたい。けれど、これから書くようにキャリアへの道はコネクションで敷き詰められているので、人事院の言葉は、形骸化した極めて空疎なニュアンスを帯びざるを得ない。
 難しい試験をクリアしても、誰もがキャリアになれるわけではなく、意中の省庁に入れるわけではないのだ。

 合格者が受ける省庁での面接について書く前に、みなさん、毎年秋ごろに主要大学の教室で開催される人事院の官庁説明会なるものをご存知だろうか? 10年ほど前のこと、わが名古屋大学では行われなかったと思うが、この前、昼食を一緒に食べた経産省2種の青年は、「名大(めいだい)じゃあ、いまでもやってないでしょう。とにかく東大・京大・早稲田・慶応…ぐらいなら確実なんですが。この時点で既にフェアじゃない、間違いなくギャップ(格差)が出てきます」と笑った。
 さらに、人事院の説明会を出し抜くように、各省が勝手に説明会を開いているのは周知の事実だ。有名なのは、僕の出身大学を鼻で笑った男が働いているケーサン省だ。この説明会でOBや人事担当者とつながりをつけることができれば、30点ぐらい稼げる(笑)。

 小説オンリーだった僕が、霞が関で働き始めてビジネス本を読むようになったのだが、最近のお勧めは、神一行『大蔵官僚―超エリート集団の人脈と野望』(講談社文庫)という古本で、ここには、次のようなくだりがある。
 
 大蔵省の青田刈りのパターンは、二通りあるといわれている。そのひとつは、東大のゼミを通じての引き抜き作戦。……二つ目の方法が、すでに伝統ともいわれている東大の運動部からのルート。「とくに東大ボート部は、大蔵官僚予備軍といわれるところで……」ボード部だけにかぎらず、最近の大蔵省新採用者は東大運動部からの引き抜きが目立っているのが特徴だ。

 先の2種青年は、「そんなの、いまじゃ甘いですよ、だって高校閥があるぐらいですから」と「読売ウィークリー」みたいなことを本当に言うのだから呆(あき)れた。今年の『政官要覧』春号を開くと、要職は、財務省を筆頭に東大法学部のオンパレードだ。外務省の大使で東大じゃない人は、タイとフィリピンとミャンマーとモンゴルとパプアニューギニアとアルゼンチンとグアマテラと…だいたいそんなところ(数と場所)だった。
 試験によって公平に選抜されているはずの各省庁のキャリアに、これほどまで学歴の偏重が見られるのはなぜなのか? ちなみに一昨年の国1試験に、わが名古屋大学からは15人がクリアしており、全国8位と上出来の成果をあげているのもかかわらず(笑)。
 東大は、239人の合格者を出しているので、それは絶対数だから仕方がないとお思いか?
 ……しかし、ここで大きな問題が現出する。
 な、な、なんと、名古屋大学の国1合格者15人のうち、省庁に採用された者は、たった1人なのだ!! 東大は、130人が採用されている。

 いったいなぜ?

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