非常勤職員さんとランチ(天声人語風)
若い非常勤職員二人と昼食をともにした。同じ国公職場で働く仲間として、いろいろな話がしたいと思った▲彼女たちが揃って口にした不満は、給料が安いことと職場の人間関係の悪さだった。日給8千円と少し。税金や保険料を引いたら月14万円を切るかもしれないと暗算してみる。明るい感じの服を着ていた一人は「家賃を払ったらいくら残るんだ!って。せめて基本給ぐらいの手取りがほしい」▲彼女たちは、「事務補助員」として働いているが、受付や計算事務から正規職員がする調査までやっているのが実態だった。「あたしたちのことを『バイトさん』と言ってくれるけれど、内容も量もめちゃくちゃなんですよ」「自分の仕事を非常勤にふっておいて、先に帰る係長がいてびっくり」「堂々とセクハラする職員がいるので、ちょっと怖い」。中華を食べながらの話は次第に具体的になり、エスカレートする▲民間から霞が関に転職したという彼女たちは、「毎日終電の仕事に疲れてこちらに来たけれど、国家公務員のみなさんがこんなに働いていたとは知らなかった」と苦笑いした▲「誰にも言えない話を聞いてくれてありがとうこざいました」と頭を下げた二人。感謝したいのは、自分の鈍感さを教えてもらった僕の方だった。国公一般のことを知ってもらいたいという思いを噛み殺した。
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