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2005/02/23

霞が関は「不夜城」だった!

 「広辞苑」によれば、「不夜城」とは、夜も日が出て明るかったという中国のお城のことを言ったらしい。日本においては、歓楽街を意味する。例えば、新宿の歌舞伎町のような。しかし、いつ誰が名付けたのかわからない、日本の中央官庁が集う霞が関――ここもまた「不夜城」と呼ばれているのだ。
 soumusho 午後6時半、国公一般の「(職員のみなさん)お疲れさま」宣伝は総務省前から始まった。国公労連史上初の取り組みだ。毎週水曜日は、政府自身が決めた「定時退庁日」だというのに、7時を過ぎてもほぼ90%の部署の灯りがついている(写真1枚目)。どんどん職員が出てくる。組合員が「お疲れさまでした」「国公一般です」「アンケートをお寄せ下さい」と訴えると、次々に手を差し出してくれる。地下鉄「霞が関」駅へ向かう庁舎の地下通路には、全建労(旧建設省の組合)の仲間5人が駆けつけ、「ここは、おれたちにまかせろ!」とばかりにリーフをまく。裏口には、店屋物(てんやもの)を運んできたオートバイが何台も停まっている。「これ、みんな職員さんの?」と聞くと、ヘルメットのお兄さんが「はい、夕食ですね。忙しくて、外に出る時間がないんですよ、きっと」と応える。
 庁舎前では、弁士が「体を壊す仲間が増えている。みなさん、長時間過密労働とサービス残業をなくそう。せめて今夜は定時で帰りましょう」と訴え、声に力がこもる。総務省の向かいの建物は、東京地方裁判所。ほぼ100%灯りがついている(2枚目)。tisai裁判所で働く職員の組合・全司法から6人の若者たちが参加する。「あたし、各省庁がどんなになっているのか、この目で確かめてみたいんですよ~」(青年協の女性役員さん)。 
 
 午後7時30分、「500枚用意してきたリーフとニュースがなくなっちゃうよ~」との声が寄せられる。「すごい反応だな」「いったん引き返して『それ、ください』と言う人もいたよ」驚いた僕は、部長の許しを得て慌ててタクシーに乗り、本部へ。演説を聞いていたタクシーの運ちゃんが、いきなり「官庁の連中は、トップダウンで決めるのはやめて、民間のNGO、NPOの提言に耳を貸さなきゃな。社長や学者連中を信じての諮問会議もいいけどよ、役人は、そもそも俺たちのようなドライバーを人間と思っちゃいない人種なんだから」などど言い、説教される。
 午後8時ごろの国土交通省(写真3枚目)kokudokoutu、厚生労働省(左下)、法務省(右下)。「これから仕事だぜ」っていう感じで、ほぼ100%灯りがついている。全運輸、全港建(どちらも国交省庁舎にある組合)の役員さんが、職員たちと対話を試みる。国交省だという職員が、リーフを開きながら、「本省がこんなんだから、地方の職員も帰れないんだよね。ほら、こっちが勝手な問い合わせとか地方にするから」とふてくされたように話す。
 kourou hpomu 
 

 


 

 
 午後9時になると財務省と外務省(写真6枚目)の正門は閉まるが、物々しい警官たちは、いつまでも仁王立ち。外務省の裏門には、ピザ屋の宅配カブが停まる。きっと、夜食だ。gaimu これを書いているパソコンに、外務省の職員からタレ込みメール(僕らの活動を見ていたのだろうか?)。メールには、「外務では、午前3時、4時まで働いてタクシー帰りは、当たり前です。それで当日の9時に出勤するのですから、信じられないでしょ?」と書かれている。そういえば、タクシーの運ちゃんは、「わたしらは、官庁連中の寄生虫みたいなもんですから」と笑っていたっけ…。霞が関の深夜タクシー代(1年間)は、実に60億円也。「なんで職員を増やさないのか?」って腹立たしく思いながら、財務省前(写真下)の宣伝へ。zaimu組合員は、遠足にでも行くような感じで、なんだか生き生きしている(笑)。組合旗もはためくし、職員への声かけも抜群にいい。地下に「仮眠室」が並ぶ財務省は、まだまだ眠る時間ではないよな。
 

 
 午後9時を過ぎました。経済産業省(写真下)は? というと、やっぱり灯り全開だったぜー!!! ちなみに後ろの灯りも経産省の建物ですから(ちょっと小さいか)。 keisan経産省の組合(全経済)の委員長みずからマイクを握って職員へ呼びかける。すでにリーフは、1500枚を軽くこえて配布。「わたしたちは、民間企業のみなさんと連帯して、この春闘をたたかっていくことを決意します」。配布していた僕のところへ、ちょっと酔った職員がやってきて言うのだ。「なんだかまた、俺たちの給与が5%もカットされるらしいが、もう我慢の限界だ。このアンケートに、こころの内の全部を書くからな。お兄ちゃん、頼むぞ」。

 午前1時の霞が関
 いま、午前1時ごろの「霞が関ウォッチング」から帰還しました。特徴的な写真をいくつかアップしますね。左から厚労省、経産省、国交省、総務省、外務省です。ほとんど電気がついています。一番下のが、財務省です。東京地裁だけが、ほぼ完全消灯でした。
 kourou2  keisan2 kokkou2 soumu2 gaimu2
 虎ノ門辺りに集中している大手メーカー、大銀行や証券会社は、軒並みシャッターに全消灯でした。こうこうと光っているのは、コンビニと牛丼屋ぐらいだったか。大きなビルの屋上の赤いランプが点滅していて、ちょっとさびしい。道路を走っているのは、ほとんど黄色と緑と白いタクシー。オレンジ色のテールランプが、まぶしい。厚生労働省前に並んだタクシーは、人事院(さすがに、ここは、ほぼ完全消灯でした)の角を曲がって地裁前までずっと続いているようだ(!)。
 午前1時15分、顔面蒼白(そうはく)の痩(や)せた青年が、ゆるんだネクタイのまま、合同庁舎から出てくる。携帯電話を耳に当てている。青い点滅。いまから誰かへの「帰るコール」なのだろうか? それなら「あまりに無理をしていないかい?」と訊きたくなる。zaimu2 もちろん財務省の消灯は、まだまだだ。(午前2時記)


午前5時の霞が関
 国公労連の本部を出たとき、ちょうど新聞配達のお兄さんが朝刊を置いていった。各紙の一面は、フジ対ライブドアの泥仕合の続報だった。会社を起こす資本金を自らの汗で勝ちとっていない連中のマネーゲームなど何の興味もわかない。
 果たして、夜明けが近い午前5時の霞が関の灯は、消えているだろうか? 
 祈りにも近い気持ちで(なぜなら、国の役人が当局の強いるサービス残業に唯々諾々と従っている現実そのものが、日本社会に悪影響を及ぼしているからだ。これは、キャリアがよく言っているらしい「俺が日本を背負っている」などというプライド(笑)で帳消しになるものではない)、もはやタクシーさえ少なくなった通りを歩いていく。途中、腹ごしらえをしようと入ったセブンイレブン前では、ホームレスがゴミをあさっている。そんな姿を黒い野良猫が見ている。
 比較する写真をアップします。左から厚労省、経産省、国交省、総務省、外務省です。一番下は、財務省。やはり電気はついていました。しかし、法務省は、ほぼ完全消灯でした。
  kourou3 keisan3 kokkou3 soumu3 gaimu3
 外務省前で警備をしている警官に、「お巡りさんは、超勤手当は出るんですか?」と訊いてみた。すると警官は、「自分たちの場合、夜の警備などは夜間手当が出ます。規定の時間を超した場合には、超勤も出ます」。「満額出ていますか?」と僕。「自分の場合は、出ています」(裏金だったりして…)との返事。僕は警官に「この霞が関の灯りを見てくださいよ。み~んな、サービス残業なんですよ」と言って、外務省はいわんや向かいの農水省の建物を指さしました。zaimu3財務省は、やはり眠らないつもりのようだ。あ、満月が出ている。taxi タクシーの数は減ったが、国交省前は、まだまだ数珠繋(じゅずつな)ぎだった。この10年間は「構造改革」と称しての規制緩和が急速にすすんだ時期だった。新規参入を強行されたタクシー業界は、いま1人あたりの売り上げが月10万も減っているという暗澹(あんたん)たる状況だと聞いた。「タクシードライバーは、連続12時間運転なんか平気でやらなきゃ食っていけないんだよ」(自交総連のドライバー)。翌朝帰りの役人と彼が乗るのを待っている運ちゃん。2人の気持ちを考えると、この国は、やはりおかしい方向へすすんでいると痛感する。ああ、朝が明けていく…。(午前6時過ぎ記)

 朝がまたくる(ドリカムの名曲)
 霞が関に向かう道。午前6時30分、もう十分明るいのだ。新橋・虎ノ門一帯では飽和状態にあるカフェ店は、すでにシャッターが開き、若い女性がパンを陳列棚に並べたりコーヒーの準備をしていて忙しい。ビルの玄関では、清掃のおばさんがモップがけをしている。まじめに働く人たちの思いが報われるような日本をつくりたい。asa新橋方面の空が乳紅色に染まっている。小さな鳥の群、その影が視界を横切っていく。太陽が出てくる。もはや霞が関の省庁舎の灯りをカメラでおさめることは難しい。だって、もう朝なんだもん(笑)。
 霞が関の「不夜城」が陥落する日は、いつの日か? その日を一日でも近づけるために、犠牲を最小限にするために、僕ら国公一般の活動は続くのだ。 

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2005/02/22

ティッシュ配りで考えた

 今日のお昼は、経済産業省の組合(全経済)が行うティッシュ配りに参加しました。 
 虎ノ門から西新橋にかけて、霞が関で働く経産省の組合員が、「憲法九条を守ろう」「賃上げでデフレ脱出を」と書かれたビラ入りのティッシュを、通行人に配っていく。昼食に出る大量のサラリーマンたち。組合員が口々に「経産省の組合です」「いつもお世話になります」と言い、頭を下げる。そして「春闘が始まりました」と訴える。民間企業の人は、「え? 組合?」みたいな顔をするが、ほとんど取っていく。僕的には、実用的なティッシュが欲しいということもあるだろうけれど、さまざまな企業とのつながりがある専門家でもある経産省の職員(組合員)が、「賃上げでデフレ脱却を」と民間に呼びかけることにも興味を示していると思ったよ。その訴えは、とても説得的だと思った。ビラは、しっかりと企業の社会的責任(CSR)の問題にも触れていたしね。
 こういう活動、つまり省内の活動にとどまらない、外へ訴えながら出ていく組合活動は、とてもいいというか、これから必要になってくると思う。組合の先輩は「結局、要求実現とは対当局との力関係で決まる」などとしたり顔で言うけれど、実のところは、国民世論をどちらが背に受けてモノを言っているのかという問題なのだ。
 国民に対して「全経済です」と言うよりは、「経産省の組合です」と言った方がいいし、ビラを取ってくれれば「ありがとうございます」とお礼を言った方がいい。公共サービスを提供する側なのだから、「お世話になります」と言えばいい。
 大学時代にパチンコ屋のティッシュ配りをした経験があるけれど、あのときは、こんなこと考えなかったな…。「早く終わらないかな~」と空を眺めていた。ところが、あれから14年経って、経産省の組合が用意した2000余りのティッシュ配りは、あっという間(30分ぐらい?)で終わってしまった。

 今夜も労働相談がありました。
 霞が関で働く非常勤職員さんが、仲間と一緒に来られたのです。すごい勇気です(このことは、また後日詳しく書きますね)。

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2005/02/21

テスト

kokkomae

 根っからの文系人間で、大学の二次試験の数学が大ばくちだった(予備校のテキストのズバリ的中の問題が出てなんとか入学できた)身としては、コンピューターとかホームページ作成は、本当に骨が折れる。はっきり言って頭が痛い。だって、決算や予算などで、足し算・引き算さえ間違って怒られている人間なんですから~。
 いま、23日(水)の夜間おこなう「霞が関不夜城ウォッチング」(全司法の役員さんから寄せられた命名です!)の試し(テスト)をしているのですが、写真をブログ書き込み欄(らん)に設定したら、いきなりバーッと英語と記号と数字がいっぱい出てきて驚いています。「なんじゃ、こりゃー!?」という感じで、不安は募るばかりであります。
 …それで、この写真は、国公労連本部の3階から見える風景なんです。午後7時頃。本部は、西新橋のビル街にあるというのに、こんなに寂しい感じの駐車場があるわけなんです(苦笑)。訪問する人は、路地が入り込んでいて、途中で迷うみたいです。でも立派なビルです。

 このホームページを見ている方で、ホームページ作成を手伝っていただける方は、連絡下さい。アドレスは、soudan@kokko.or.jpです。
 あっ、それから、このブログだけ読んでいる方も多いようなんですが、国公一般のホームページhttp://www.kokko-net.org/kokkoippan/がありまして、そのメイン画面やほかのメニューもほぼ毎日(?)更新しているので、ご覧下さい。

 ああ、なんだか不安だな~。

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2005/02/18

小さな小さな歓迎会

 たったいま、国公一般の新組合員の歓迎会を終えてきました(焼酎飲んで、かなり酔ってます…)。

 新組合員の彼女は、国公職場で働く非常勤職員です。ほとんど正規職員と同じ仕事をしているのに、交通費もボーナスも出ないという労働条件で働いています。昨年の秋、国公労連の非常勤交流集会の存在を知って、国公一般とつながりができたのです。
 
 彼女が、国公一般の組合員加入届に名前を書いて、印鑑を押したとき、僕は、この人を絶対に裏切らないと決意しました。この先、働き続けようと思っても、彼女には「3年雇い止め」が待っています。職場の状況や彼女の身分がどうなるか分からないけれど、とにかく彼女の気持ちと意見を尊重しようと決めたのです。
 加入届をもらい、僕が彼女に何気(なにげ)なく「○○さんの歓迎会をしたいのだけれど、どうですか?」と聞きました。僕は、てっきり彼女から都合のいい日時が聞けると思っていました。
 …ところが、彼女の答えは、「私は、国公労連のみなさんのような、正規職員ではありません。非常勤の身分なのにみなさんと同席するのは、気が引けるのです。気持ちだけで十分です」というものだったのです。
 「!」
 僕は、彼女の言葉に胸が衝(つ)かれました。彼女は、続けます。「何度も言いますが、私の職場では、『組合』という言葉は禁句なのです」。ああ…、僕は、まったく相手の気持ちを考えずに、自分たちのペースで非常勤職員に言葉かけを行っていたのです。こんなにも非常勤職員が、正規職員に対して卑屈(ひくつ)な思いを抱えているとは! 本当に反省させられました。
 なんとか彼女の気持ちを説き伏せて、今夜の歓迎会を設定したのでした。本部の近くのおそば屋さんを予約しました。
 しかし――。
 声をかけていた、霞が関で働く国公一般の組合員は、サービス残業に追われ、次々と「仕事が終わらず、残念ながら歓迎会に行けません」というメールが届きます。最後には、3人しか参加できないという状況になりました。僕は、彼女に謝らなければなりませんでした。「勝手に日時を決めてスイマセンでした。そのうえ、今夜は、3人しか集まれないのです。本当にスイマセン」。ただでさえ心細い彼女の思いを考えると、僕は、泣けてきそうでした。
 …たった4人の歓迎会。小さな小さな歓迎会でしたが、彼女の口から、職場の忙しい様子が語られました。そして、僕らの側から、現在の国公職場の課題や運動の成果が語られました。お互いのふるさとの「お国自慢」から、どうして国家公務員になったのか、どうして組合活動をしているのか、そもそも何で組合に入ったのか、そんなことが語られました。美味しいお酒が入ります。笑いが起きました。やがて僕の不安は、少しずつなくなっていきました。
 国公一般の組織拡大は、始まったばかり…。
 彼女と連帯しつつ、彼女を励ませるような、そんな活動を進めたいと思いました。

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2005/02/17

オルグは、見た!

 書きたいことが山とあるのですが、ただでさえ、長々と書く癖(くせ)のある僕なので、小ネタをさらっとまとめてみます。「家政婦は見た!」みたいな感じで…。

 オルグは見た!

 先週末、愛知県豊田市で行われたトヨタ総行動(史上空前の儲けを上げているトヨタに、(全労連に結集する?)さまざまな組合が賃上げを要求する行動です)。11日(金)早朝7時半、トヨタ本社でビラまき。すると、玄関までの通路のところに何人かの人が並んで立っており、彼らが、こちらがまくビラを受け取った労働者につきまとい、ゴミ箱に捨てさせていた。あ~あ。あの人たち、誰? トヨタの管理職かな? 「違うよ。トヨタの企業内組合(連合)の幹部だろう」「うそっ?」「まあ、ああいう妨害に慣れている労働者は、ビラを受け取ったら、さっと鞄のなかに入れて工場に入っていくんだけどね」「ホントだ」。トヨタ本社に守られた企業内組合が、労働者がビラを読む自由さえ奪うという現実を見ました。

 霞が関のある省庁内を歩いていたら、ある局のフロアで「燃えないゴミ」の作業をしていた。よ~く見ていたら、職員たちが、まだ使える大量のビニールファイルをドサドサッという感じで捨てている。何十枚規模のものだった。うわ~、もったいね~。こういう無駄使いを普通のこととしてやっているので、お役所は批判されるのだと思う…。
 そのまま別の省庁舎に歩いていき、そこでコピーを取っている、明るい感じの服を着た女性職員(こういう人は、だいたい非常勤の人だけれど)がいて、「何枚取るの?」と声をかけたら、なんと彼女は「この本、一冊まるごと」と答えた。「800ページの本とかざらですよ。もう一冊、買えっていう話ですよね~」。ひえ~、開いた口がふさがらない。

 オルグは、考えた!

 さきごろ国公労連調査部が、組合員1350人をサンプルにまとめた「生活と労働に関する意識調査」がまとまった(詳しくは『調査時報』3月号参照)。現在の生活実感についての質問に、半数以上が「苦しい」「非常に苦しい」と回答。これからの暮らしの見通しについても、半数が「悪くなる」「どちらかと言えば悪くなる」。負担感の強いものは、①「税・社会保険料」、②「子どもの教育・保育費」、③「家賃・住宅ローンの返済」が上位三つ。
 約3割の人が「過労死の危険を感じてい」て、半数以上が「長時間労働と仕事のやり方の見直し」を求めている。自分の仕事が「国民のためになっていない」と感じている人が、約17%もいました。
 国家公務員の生活は、こういう実態です…、う~ん。

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2005/02/16

ポルトアレグレから愛を込めて

 昨日に引き続いて、午前、午後と単組まわり。
 単組本部の人と意見交換すると、霞が関本省で働く組合員の苦労が、よくわかる。それから、非組合員がどのように組合を見ているのかも…。
 国公労連の事務所に戻って、息つく間もなく、午後4時から会議。かんかんがくがくの議論で、少し参った。
 6時すぎに会議が終わり、遅すぎるメールのチェック。いくつかに返信。
 パソコンのキーを叩(たた)きながら、向かいにいる上司の部長に声をかける。
 僕「ブラジルのポルトアレグレで開催された世界社会フォーラムって、どうでした?」(僕は、労働相談があって、残念ながら彼の報告を聞いていなかったのだ)
上司「いや~、めちゃくちゃ暑くてね~、ビールをガバガバ飲んでも酔わない酔わない。それから、ブラジル航空のスチュワーデスさんが、めちゃくちゃ可愛かったんでツーショット写真、撮ってもらってさ~」(ウワッ、そんなこと聞いてない~っ!)
 
 …いやいや、真面目な話、上司が続けて言ったことは、「ポルトアレグレでは、世界各国の労働運動の最前線を肌で感じたわけだが、一番学んだのは、企業内組合主義からの脱皮と言おうか、新しい組合員像というものだったんだ。つまり、職場だけの組合活動にとどまらない、国公労連で言えば省内問題だけの取り組みに陥らない、もっと視野を広く、市民運動や社会運動、もちろん地域のつながりも大事にする、そういうたくさんのコミュニティーのなかで活動することで、幅広い組合活動として自立していくような、自分たちの要求の実現のためにいざというときには、そのコミュニティーに支えられるような、そんな労働組合の活動スタイルを学んだんだ」ということだった。
 さらに「しかし、日本には、日本の労働運動がある。国公労連という国公職場の産別運動がある。ここでの組織拡大をいかに進めるか、それはやりがいのある仕事だ。『先進国の最大のNGO運動』と言っても過言でない、日本の組合運動について改めて認識を深めた」

 なるほど…。
 上司の感じたことは、この間、僕が学んできたアメリカの新しい労働運動の傾向とほぼ同じだと思った。しかし、いまの日本の労働運動が、すぐに法則的な方向へかじを取れるかというと難しいだろう。日本の、日本らしいやり方を、みんなの知恵を集めて、もっともっと議論する必要があるのだ。

 実と言うと、中南米の熱気は、作家のガルシア・マルケスやバルガス・リョサ、ジョージ・アマードなどなどを読んできた僕にとっては、本当に憧れの雰囲気なのだった。そうして、革命的な国民の運動が前進する中南米の試みの魅力…。上司の感じた「ポルトアレグレから愛を込めて」を、いつか僕も感じたい。

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2005/02/15

今日の厚生労働省前

 今日は、午後いっぱいを使って単組まわりを行う。
 全経済(経済産業省の組合)→全労働→全厚生→全法務→全港建・全建労(国土交通省の旧建設省の組合)→全通信(総務省)とまわった。疲れたが、まだ、全運輸、全司法、全気象などなど残っていて、明日の午前中に行かねばならない。この間の議論でまとまった国公一般の春闘から6月ごろまでの具体的な取り組みについて説明するためだ。ああ、こちらが話すだけでなく、単組本省の取り組みについてもいろいろと有意義な話を聞く。
 しかし書き留めておきたいのは、今日の厚生労働省前の賑(にぎ)やかだったことだ。柵(さく)の前には、たくさんの障害者の人と彼らをサポートする人たちであふれていたのだ。自動車椅子に乗っている障害者が多くて、なかにはビニールチューブをつけている重度の人もいる。座り込みのように膨(ふく)らんだ人の群れは、弁護士会館の方までのびている。まだ寒いというのに、体を張った抗議行動のようだ。
 彼らは、何やら厚生労働省に訴えているようで、青いビラをもらう。読む。
 すると―。
 今国会に提出される法案の一つに「障害者自立支援法案」というものがあるようだ(まったく知らなかった!)。この法案によると、障害者が支払う支援・介護・医療の負担がさらに大きくなるのだそうだ。また、介護サービスを特定の専門家が一方的に決めるとか、新たに「障害程度区分」によって決められることになるようで、そこには、介護を受ける主体である障害者の意思がまったく反映しないものなのだそうだ。ビラの右側には、日本国憲法の第11条「基本的人権の尊重」、第13条「幸福追求権」、第14条「法のもとの平等」が抜粋してある。なるほど…。
 そして、ここでも、「私たちは、地域で暮したい。当事者の声を聞け!」というスローガンがあった。「当事者の声を聞け!」だ。
 柵の向こうには、厚生労働省の何人もの役人が、緑の腕章をつけて、物々しく監視していた。

 このブログでも「非常勤職員の声を聞け!」と書いたことがあるけれど、なんで当局や役人は、当事者の声を聞かないのだろうか? 公務とは、国民へのサービスのことだ。
 昨日、国公一般の労働相談にやってきた、ある省の女性非常勤職員さんは、「私たちの労働条件が、知らないところで決まり、その通知さえしない。それで上司は『決まったから』の一言で平然としている。民間では、ありえない」と嘆いていた。このことは、後日詳しく書くつもりだ。
 なんだか、霞ヶ関というところは、どんどん国民との距離を大きく深いものにしているようだ。

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2005/02/14

本末転倒な話

 この連休は、愛知県へ行っていました。
 そこで、ある地方公務員の仲間から、こんな話を聞いた。彼が働く自治体では、超勤手当ランキングなるものがあって、つまり、それは、誰が一番超勤手当をもらっているかという内部文書なのだ。そのランキングのトップ職員は、基本給以上の超勤手当をもらっているらしい(月60万ぐらい?)。「その男の仕事ぶりを見ているとね、日中はほとんど仕事をしないでさ、午後5時になったら『やるか~』と伸びをする。休日もインターネットをやりに職場に来て、休日手当をもらっている」「こんな公務員がいるから、僕らのような真面目に働いている職員までが批判されるんだ」「本当は、その職場にいる組合員が上司と相談して、不当な手当をもらっている職員を注意すればいいのに」。「悪徳」職員の存在を教えてくれた彼は、至極まっとうなことを言った。
 マルクスの『資本論』を持ち出すまでもなく、賃金(労働力)は、(社会的平均上)労働時間でしかはかれない。だから、霞が関の国家公務員は、「働いた分だけ賃金を払え」と主張するのだ。細田官房長官さえ官僚経験者としてサービス残業の存在を認めざるを得ない状況なのだが、いかんせん、予算がないのが問題なのだ(ここでは、霞が関における深夜帰宅のタクシー代が、年間50億円を超えるということは、ひとまず置いておく)。もちろん、定員を増やすことなど、深夜におよぶサービス残業を生み出す構造をなくさなければならない。大前提は、残業をなくすということなのだ。
 まあ、こういう状況だから、上記のような満額超勤手当が出る自治体の「悪徳」職員ような、本末転倒な事例は、霞が関では少ない(適当に超勤手当を割りふっている部署は、ごろごろあるけれど…)。
 
 …で、次の記事を読んで下さい。超勤手当の不正支給(大阪市は、カラ残業問題で揺れていますが)で問題になっている、またもや大阪の話だ。

 □ 大阪府が時間外手当に「上限」 削減目標達成できず設定(「朝日」関西版 05/1/20)

 財政難の大阪府が、減らない時間外勤務手当に頭を痛め、「上限」を設定する方針を打ち出した。01年度に約46億4千万円だった手当の総額を、03年度までに10%削減する目標が達成できず、逆に1千万円増えた。04年度もそれを上回るペース。新型肺炎SARSや鳥インフルエンザへの対応が影響しているという。
 教員や警察官を除く約1万4千人の職員の03年度の年間時間外勤務時間は1人平均132時間で、最高は1600時間だった。05年度からは、年間の時間外勤務の上限を1人360時間と設定。上限を超えた場合は、本人や上司に報告書の提出を義務づける。03年度に360時間を超えた職員は1割にのぼったという。
 府は01年に発表した行財政計画案に、警察官や教員、病院職員などを除いた府職員約1万人の時間外勤務手当の総額の10%削減を盛り込んだ。月5回の「ノー残業デー」を改めて徹底したほか、02年4月には、辞令の作成や確認業務に時間をとられないよう、辞令交付を廃止。同5月には総務部長名で時間外勤務縮減の通知を出した。
 この結果、02年度は01年度より5.2%減って44億円となったが、03年度は46億5千万円と逆に増えた。
 府人事室によると、新型肺炎SARSや鳥インフルエンザなど感染症への対応に追われた健康福祉部や、今春の府立大、大阪女子大、府立看護大の統合に向けた作業が続く生活文化部などで、時間外勤務の増加が目立つという。
 府人事室は「上限を設けることで、職員一人ひとりが、絶対にその範囲内で仕事を片づける、という意識を持ってほしい」と話している。

 …だから、仕事が多すぎるんだってば!!
 「悪徳」職員を追放しつつ、国民に業務の繁忙化を訴えて、職員を増やせばいいんだよ。霞が関なんて、定員削減した分を非常勤職員で埋め合わせしているんだから。
 本当におかしいよ。

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2005/02/10

チーム型組織には、成果主義はなじまない

 昨晩、国公労連会議室で開かれた「成果主義」学習会は、講師の城繁幸さん(元富士通人事部)の話が極めて具体的・体験的だったので、とても有意義だった。会場いっぱいの参加者、質問時間がなくなるほどの熱気。政府は、国家公務員の職場に(まず霞が関に)能力・評価制度の試行を始めようとしている。だから僕らは、民間企業でほぼ崩壊していると悪評高い能力・評価制度=「成果主義」制度なるものを改めて学び直そうと考え、企画を打ったのだった(今回は、昨年暮れの高橋東大教授の講演に続いての第二弾です)。
 結論から言うと、城さんは、「チーム型組織には過度な成果主義はなじまない」「目標管理制度は日本企業では機能しづらい」と述べた。僕なりに理解すれば、公務労働のような利潤の追求をしない、かつ多数人の職員の共同作業的な組織には、数値目標を押し付けて働かせる制度はマッチしないということだ。また、城さんは、「数値目標で評価するよりは、評価面接に十分時間をかけて、成果を上げる方向性を重視すべきだ」とか「まず、管理職に目標管理制度を導入するべきだ」とも主張した。城さんは、若いのに、本当に詰めた議論を展開する人でした。
 しかし、よく考えると「成果主義」制度の幻想は、中学生でも分かるのではないか?
 城さんが言っていたけれど、「成果主義」とは、目標を数値化し、その達成度を評価する制度=目標管理制度のことだ。それ以外の「成果主義」制度はない。社長が総売上げをぶちあげ、役員→本部長→部長→課長→社員と目標がブレイクダウンしていく。個々の社員が目標を達成すれば、その累積としての企業目標がクリアされるという理論だ。個人目標をクリアするかしないかで、「人生が変わるほど」給料に差がつく(ボーナスで2、3倍が普通というから、社員にとっては大問題だ)。
 この制度が、実際は、(期待されていた)営業や開発分野で役立たなかったというから、面白い。もともとタクシードライバーやデーラー、住宅販売など「ノルマ」制のある分野はあったが、それはあくまで個人の努力目標だ。「成果主義」制度というのは、絶対目標のハードルで、実は、大企業のチーム組織を分断するものだった。営業では、商談を持ってくる人・見積もりを立てる人・在庫確認から他社比較など調査する人など、さまざまな労働者が集まって活動して初めて国や自治体という最大ユーザーと何十億円という取引きが成立するわけで、ここに上司から「あなたは、今期一億円の目標をやり遂げなさい」と命令されても機能するわけがないのだ。これは、公務サービスの窓口で、例えば社会保険庁なら、「あなたは、一日10件の年金相談をやり遂げなさい」と言われるのと同じだ(笑)。城さんは言う、「社員は、だんだん知恵がついて達成できない目標は書かないし、滅茶苦茶な評価をつける上司に対して信頼関係は崩壊する、こうして制度そのものが形骸化していくのです」。
 昨年、経済産業省では、事務次官じきじき「能力・評価制度の試行を始め、平成18年度から参考資料とする」とのメールを全職員に出した。総務省は、まず霞が関本省に試験導入する評価制度づくりに血道を上げている。新行革大綱で、いかに公務の効率化をはかるかを考える政府だが、本当にこのまま突っ込んだら、いまより滅茶苦茶な働き方になるのは目に見えている。僕には、ソフトの使い方さえ教え合えないような、殺伐とした職場が、砂漠のように広がるのが目に見える。
 人事院、総務省のキャリアは、熱病を覚まして、もう少し冷静に「成果主義」制度なるものを学んでほしい。

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2005/02/09

具体化の問題

 この2月の末あたりに国公一般の初めての調査活動に取り組む(ワクワク!)。
 このブログでも散々書いてきたけれど、国公一般が第一に実現しなければならない課題として、霞が関の長時間・過密労働とサービス残業を是正するという課題がある。人事院や細田官房長官のコメントを引くまでもなく、この課題は、ほぼ霞が関で働く職員のコンセンサス(共通認識)になっている。しかし、予算の問題や間違った行政改革の「断行」によって、実現とは真逆の方向へ進んでいる(笑)。こういう場合、組合が、自らの行動によって世論を喚起(かんき)し、「政府よ、この現実を直視しなさい。誤れる方針を矯正しなさい」とキリストのように示してあげなくてはならないのだ、と思う。
 …で、国公一般の調査活動の出番なのです(頼りなすぎっ?)。
 まず、霞が関のほぼすべての省庁舎の「不夜城」ぶりを、このブログに写真でアップします。それから、全環境(環境省の組合)の取り組みのように、内部に入り込んで、退庁時間を守らない局や部、課をいちいちチェックします。吊るし上げにならない程度で明らかにしたいと思います。当然、深夜におよぶ調査になりますから、僕も健康に注意しなくてはならない。多くの国民が「不夜城」ぶりを知ることによって、国家公務員に対する「変な幻想」もなくなると思います。
 あと、全労連の「企業通信簿」運動をパクッて、国家公務員・霞が関版「省庁通信簿」運動をやります。いま、その具体化を急いでいるのだけれど、①あなたは、残業命令簿を見たことがありますか? とか②あなたの上司は、部下の意見を聞いていますか? とか③この5年間で特別昇給を受けましたか? ④あなたの職場には、納得できる評価制度はありますか? ⑤代休や年次休暇はちゃんと消化できていますか? ⑥メンタルの病気で休んでいる仲間がいますか? とか、こんな感じでチェック項目を詰めていき、リアルなものにしていきたいと思う。
 僕が見たところ、どこも大変な職場なので、働きやすい省庁ランキングを無理やり決めたところで五十歩百歩だから、逆効果になりかねないな(笑)。
 まあ、とにかく読者のみなさん、お楽しみに! 民間のお手本にならなければならない国家公務員の労働現場がどういうものか、明らかにできるところまで情報公開したいと思います。

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2005/02/08

経産省の地下食堂にて

 今日は、ある省で働く国公一般の組合員と昼食をともにした。午後12時20分、経済産業省の地下へ向かった。ここには、共済組合が職員のための福利厚生施設としてつくった食堂が三つあるのだ。和食「花かすみ」、中華「食通天」、洋食「イプリモ」。どちらも明るい感じで、味もなかなかいい。今日は、和食を選ぶ。
 食事をしながら組合の話をするというのも、相席の人に申し訳ない気持ちもしたのだが、いろいろと解決しなければならないことも山積しているので、他人の目を気遣っている場合ではなかった。短時間ではあるが、ただでさえ忙しい本省の仲間との打ち合わせは、大切な時間なのだ。

 (これまで組合活動をしたことのなかった)彼の話を聞いていると、これまで行われてきた国公労連の組合活動が、非組合員の目にどのように映っていたのか、よ~くわかった。何かの要求運動をする場合、霞が関本省で働く職員がいる建物に向かって「○○反対」とか「○○せよ」とシュプレヒコールする場合、国公労連の側と本省職員との間に、ズレというか仲間意識の分断が生じかねないのだ。まるで本省職員が「敵」であるかのような印象。新しく組合活動をしようとする職員にとっては、こうしたイメージの払拭(ふっしょく)から始めなくてはならない。
 しかし、彼は「でも、組合に対する期待というか、ぶつけたい意見というか、そういうものは思った以上に、僕の周りにいる仲間のなかにあると思う。それもこれも、いまの霞が関が異常な働き方を僕らに強いているからだと思う。少しずつ理解を示してくれる仲間を増やしていきたい」と言う。加えて「単なる圧力団体として見られていたら困ったことになる」とも言う。僕は、彼の柔軟な思考に学ぶことが多い。

 国公一般が抱えている情報を彼に渡す。彼の掴んだ職場の状況を教えてもらう。こうやって、少しずつ少しずつ、楽観もせず悲観もせず、着実に着実に。霞が関の矛盾は、相当深いのだから…。

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2005/02/07

苦いコーヒー

 国公一般の仕事の大きな柱は、霞が関で働く国家公務員の労働相談に応えることだ。このところ、ある省で働く職員からの相談が相次いだ。一人は、メンタルの疾患で病気休暇中なのに退職勧告されていることに困っている、もう一人は非常勤職員で、労働条件の一方的な切り下げに怒っている。本格的に話を聞くのは、これからなのだが、政府の公務員リストラの弊害が少しずつ広がっているという印象を受ける。こういう危機(クライシス)を組織化へのチャンスに変えられるかどうかが、僕らオルグの力の見せどころだ。
 午後、人形町の全国一般東京地方本部へ行く。これも国公一般につなげられた、ある労働相談にかかわって、民間の労組の力を借りる必要があってのことだ。相談者と落ち合って事務所へ。大久保副委員長の諄々(じゅんじゅん)とした話を聞いていると、解雇撤回闘争の大変さがわかる。労基法上、こちらに正当性があっても裁判で勝てるとは限らないということ。また、交渉権が発生しても職場に守ってくれる仲間がいなければ、仲間を増やせなければ、当局側の勝手し放題になってしまうこと…。それから、健康でなくては最低3年ほどかかる解雇撤回の裁判闘争をたたかいぬくことができないということも。悔しいけれど、組合はヤクザの脅しとは違うので、正当性を持って堂々と正面から突破する道を選ぶのは、大変難しい。
 事務所を出て、相談者と一緒に近くの喫茶店でコーヒーを飲む。彼は、コーヒーに砂糖を入れながら、「こんな私のために、半日を使ってくれてありがとうございます」と頭を下げるので、僕は「とんでもない。これが仕事なんですから」と手を横に振る。「僕の方こそ、うまい解決策が見つけられずに申し訳ないです」。
 まだ終わったわけじゃない。苦いコーヒーを飲みながら、現実の壁の厚さを痛感した時間だった。

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2005/02/04

行革推進事務局、縮小へ…

 インフルエンザから回復したのはいいのだが、どうも仕事のキレが戻らない。まあ、40度近い高熱にうなされて、腰が痛くなるほど寝ていたんだから、すぐに日ごろの勝負勘が戻るとは思わない。ゆっくりやるべよ。

 さて、2000年12月の「行政改革大綱」決定以来の4年間、政府は、内閣官房直属に行革推進事務局(たぶん、みんなキャリアだぜ)を置いて公務員制度改革を進めてきたのだが、2度に及ぶ公務員制度改革法案の挫折を経て、先日、体制縮小を余儀なくされるというニュースを読んだ。いま事務局は、虎ノ門の第10森ビルに入っているが、通常国会にも法案が出せないんだから、全滅の日も近いな…。しかし、なんという税金の無駄遣いだ…。

 「読売」は、次のように書く。「政府は1月14日、公務員制度改革の法制化を担当する公務員制度等改革推進室の人員を、現行の31人から7人減らす人事異動を実施した。改革法案の国会提出の見通しが立たない現状の打開を目指すことなく、法制化の「実動部隊」の体制を縮小した形だ。改革断行に対する小泉首相のリーダーシップが問われそうだ」。
 われわれ国公労連は、公務員制度改革の筆頭に、労働基本権の拡大を規定するよう求めてきた。相手は、それにまともに応えないで、任用システムに一律網をかけるような実績・評価制度を導入させようとしてきた。それも、評価の基準が定まらないという、噴飯物だった(民間の企画書を学ばなければならないのは、推進事務局の連中だぜ)。
 今回の異動は人事院からの出向者が原職へ復帰したものだ。推進事務局の挫折と縮小、この無念を今度は人事院が引き継いで晴らそうと、給与構造の見直しや評価システムの導入にうごめき始めているのだ。
 この前、人事院にフラッと寄って地下の食堂でカレーを食いながら、人事院の職員と話したけれど、彼いわく「しかし、人間が人間を評価するって、そもそも出来ることなのかしら?」と言っていた。
 この9日、(大失敗したという)富士通という会社の「成果主義」について、元人事担当者(31歳、若い!!)を招いて学習会を開くけれど、このあたり、原理的に勉強したいものだな。だって、行革推進事務局のキャリアが4年間30人体制で取り組んでも、ちゃんとした制度をつくれなかったんだからな(笑)。

 僕も早く仕事にキレを取り戻さないと、成果主義でクビになっちゃうわ(ウソ)。

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2005/02/02

早朝宣伝、寒い!

 今朝は、定時退庁日の宣伝があった。ビラの片面には、郵政民営化反対の文字が躍(おど)っていて、公共サービスの切捨て反対の行動も兼ねている。僕は、拡声器を持って、いつものように財務省前へ行く。そこには、全税関や全国税の仲間がいて、みんなで腕章を巻いて、元気にビラをまきはじめた。
 しかし、今朝は、めちゃくちゃ寒い!! ビラを差し出すのだが、職員の方もなかなか手が出せないほどだ。でも、拡声器で「ぜひ、ビラを手にとってもらい、小泉『構造改革』の本質を知ってください」と訴えれば、ビラは確実に受け取ってもらえる。45分の行動で、200枚ほどはけた。
 春闘が始まって、こうやって官民の労働者が目に見えるかたちで組合活動することは、とても大切なことだ。

 午後からは、お茶の水にある全労連へ。僕は、全労連の組織拡大基金によるオルグの1人でもあるので、その会議があった。中央線のなかでは、携(たずさ)えた報告書を開きながら、何を話せばいいかなあ…、この間の成果について話をしようかな…などと思ったりする。

 国公一般は、この2月・3月を、残業を考える月間として位置づけて、「不夜城」霞が関の退庁調査に取り組む決意だ。その具体化が遅れている。インフルエンザから回復したのはいいけれど、いきなりの会議会議…、宣伝宣伝…、いやいや目が回るほど忙しい。

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2005/02/01

再び、東京公共一般

 このブログの一番最初に書いたのは、「東京公共一般」という組合で働く専従者に話を聞いたことだ。いま、自治体で働く非常勤職員の首切りが大量に行われていて、東京公共一般は、「雇い止め阻止」を合言葉にして、たくさんの団体交渉を抱えている。「青年ユニオン」という若者たちの組合も元気だ。15年前に165人で出発した組合は、いま3000人を超えている。非常勤職員のため、「雇い止め」にあって組合員として残れない人も含めれば、5000人ぐらいの組織化に成功している。
 今朝、僕のメールボックスに入ったニュース(「連合通信・特信版」)を紹介しておこう。とても元気になる記事だった。国公一般には、東京公共一般のようなダイナミズムはないけれど、見習いながら頑張りたい。オルグっていう仕事の魅力が、伝われば嬉(うれ)しい。

 050205・首都圏青年ユニオンが青年専従2人を配置/3カ月間に50人を組織/フリーター・派遣労働者
 フリーターや派遣労働者など、主に不安定雇用で働く青年たちでつくる首都圏青年ユニオン(東京自治労連)では、学者や弁護士、教育関係者300人余りが支援金を出し合い、若い2人の専従オルグを配置しました。わずか3カ月で、新たに組合員を50人増やしています。

●黙っていられないと
 菅原良子さん(27歳)は米国留学で身につけた英語力を生かし、専門的技術を磨いてきました。オルグになる前は、静岡の自動車部品工場でITシステムの専門職として企画立案作業に従事。「このまま進めば年収数千万円も夢ではありませんでした」と笑って話します。
 転機となったのは、同僚のバイヤー(仕入れなどの交渉担当者)と呼ばれる女性たちの劣悪な労働条件を目の当たりにしたことでした。彼女たちは英語力も抜群なのに、派遣という雇用形態を強いられ、短期契約を更新しながら年収わずか200万円で働いています。退職金はもちろん交通費もなく、残業代もカット。
「『もう黙っていられない』と思っていた時に出会ったのが青年ユニオンでした。日本の女性は交渉になれていないので私が役に立てればと思ったのです」。
 わずか半年前は労働組合を全く知らなかったという菅原さん。「ビジネスシステムを築く仕事で培ったノウハウを、働く人々の運動に生かせられればと思っています」と語ります。
 中川勝之さん(32歳)は昨年11月に司法試験に合格。先輩弁護士に要請され「一助になれれば」との思いで、司法修習を1年見送り青年ユニオンに。
 「研修の延期は珍しくはありません。普通は海外旅行に行くところを労働運動に入っただけです」と気負いはありません。

●あまりに多い労基法無視
 フリーターや派遣など、彼らを守るべき労組がない職場はまさに「使い捨て」のし放題。「突然解雇された」「社保に加入してもらえない」「勝手に時給を下げられた」。中には、「上司の暴力に脅え、休むこともできない」という「現代版タコ部屋」というような訴えも集まります。
 2人はオルグになって早々、労働相談や争議に日夜駆け回っています。抱えている争議数は何と20件。中川さんは「労働基準法を守らない事業所があまりにも多い。特に派遣労働では違法の野放し状態です。私たちの活動の多くは明白な違法を是正するものですから、9割方解決します」と述べます。
 ユニオンでは、青年労働者の実情を国に知らせる取り組みを重視。関係行政機関国に交渉の窓口を開かせるために、各地のユニオンとともに全国協議会の結成をめざしています。
 不安定雇用労働者、特に若者の組織化は労働運動の重要課題です。組織力と問題解決能力を備えた担い手をつくるためにも、中川さんは「人的物的資源を思い切って出してほしい」と語っています。

●日本で初の成功例/東京公務公共一般労組 小林雅之・本部書記長
 仕事も住所も短期間で移ることの多い「液状化」した若年労働者の組織化に、これほど成功した例は日本の労働運動で他にないのではないか。 
 労組を支援することには様々な意見があるが、青年労働者の窮状は待ったなしだ。今、新たな運動の担い手をつくらなければ必ず将来に禍根を残すことになるだろう。

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