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2005/01/11

組合に入る人の芯の強さ

 国公一般の担当者として、一番嬉(うれ)しい経験は、やはり、労働相談や宣伝行動などで知り合った国公職場で働く職員とずっと関係をあたためてきて、彼・彼女が、国公一般の組合員になると決意してくれる場面に立ち会うときだろう。
 年末から新年にかけて、国公一般の組合員が相次いで生まれていることを報告しておきたい。
 ある女性職員は、1月6日大雨のなか、休みを取って国公労連の本部を訪れた。彼女の手には、この間、職場の仲間たちと食事などをした際に口に出てきた職場の不満をメモにした紙が握られている。「なぜ、交通費がでないの?」「退職金はどうなるの?」「休暇があまりに少ない」などなど。彼女は、要求を携えてやってきたのだ。
 彼女は「私たちは、キャリア官僚の一言でクビになる。彼らの一挙手一投足にいちいちビクビクしなきゃならないんです」と言う。セクハラが日常的に行われていて、それを批判した女性がクビになるということもあったという。彼女はとても有能で、正規職員から「あなた、そろそろこんな職場は辞めて、その才能を活かせる民間へ行った方がいいのではないか?」と言われることもあるという。
「私たちは、職場で正規職員と同じ、いやそれ以上の仕事をしているのに、大切にされていないという気持ちがするのです。それが働きがいの喪失となっているのです。高いレベルの仕事がしたいし、それをしているのにそれに対する評価もないのです」
 たとえ非常勤職員であろうと、更新を続けてキャリアを積めば、その職場でなくてはならない存在になる。経験に基づいて状況を深く把握しているベテランの非常勤職員は、今後どんどん増えていくだろう。しかし、彼・彼女らの賃金は、人件費としてではなく、事務費や繁忙費でまかなわれており、まるで文具や名刺のように扱われる運命にあるのだ。
 彼女は次のように言って、国公一般加入を決意してくれた。名前、職場、年齢、連絡先…加入用紙に文字が埋まっていく。
「産休を取った仲間がいたのです。彼女は、とても仕事ができました。けれど、ただ産休を取ったというだけで、キャリアの上司に『勝手に取りやがって!』と言われ、職場復帰後から陰湿な嫌味を言われるなどいじめにあいました。結局、彼女は職場を辞めることになりました。私は、『彼女にも家族があるんだよ!!』と文句を言いたかった(けれど言えなかった)。いま、わたしは、彼女たちのためにも、不満を言うだけに終わらせたくない。わたしも、いつまで働けるかわからないけれど、組合に入って職場の労働条件をよくするために何か力になりたい」
 前納4カ月分の組合費。彼女の差し出したお札をもらう、僕の手が震えた。
 彼女は、女優さんのような品格を持った女性だった。
 
 僕は、彼女の信頼を絶対に裏切ってはならないと改めて決意したいと思います。

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