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2004/12/20

公務員制度改革をめぐる「冒険」

 村上春樹さんの小説風にタイトルをつけたけれど、この「冒険」は、ほとんど「たたかい」と言い換えてもいいほどの強いニュアンスを含んでいる。

 この間、政府は、公務員制度「改革」法案をめぐって迷走を続けてきた。報道では、来年の通常国会にも法案を提出することは難しいらしく、2001年の改革大綱で約束した06年度新人事制度移行は、事実上、先送りとなる(つーか、仕切り直しで新大綱をつくるという汚い手を使おうとしている)。
 なんでこんなことになったのか? 僕が思うに、第一に、国公労連と連合が「剥奪されている労働基本権を回復せよ」と足並みを揃(そろ)えて、その線を崩さなかったからだ。第二に、ユーザーである各省庁のキャリアたちが、行革推進事務局がつくった「改革」法案を見て、「これじゃあ、使えない!」と反発したからだろう。つまり、こちらが明確に改革のビジョンを示したのに対して、政府は、新人事制度の全体像さえ示しえなかったのだ。僕らは、昨年に続いて2度目の法案提出断念を勝ち取った。このブログでも、さんざん批判してきた(笑)。
 国公労連は、わずか二カ月という短時間で、「ILO勧告を尊重し、労働基本権を回復せよ」の団体署名を約11000団体から集めて、国会の全議員に請願・要請行動をぶつけてきた。その結果、衆議院58人(民主44、共産9、社民4)、参議院12人(民主3人、共産9人)が、紹介議員になってくれた。前回を大きく上回る理解度だった。

 そして、公務員制度「改革」と同時並行して動いているのが、人事院による「給与構造の見直し」の策動だ。11月に明らかになった「素案」は、給与水準を大きく引き下げて、20%の格差をつけた地域手当を乗せる、その際、「実績評価にもとづく昇給制度」確立に向けて「査定昇給」を導入するという方向を打ち出したものだ。ここでは、同一労働同一賃金という大原則が否定され、主観的評価にもとづく賃金格差を是としている。とにかく政府は、公務員の賃金をざっくり削減したくて仕方がないのだ。これが、狙(ねら)いですから。

 うわ~、しかし、困った動きだぜ。公務が、民間の滅茶苦茶なところを採用しようとしているぞ~。これこそ「悪魔のサイクル」だぞ~(狼少年のようにふれまわりましょう)。
 いま、国公労連は、全力をあげて、人事院「給与構造の見直し」のねらいを撃つ学習会を全国で展開しているところだ。文字通り、組合員みんなが講師となって活動している。
 来年夏の人事院勧告が山となる。
 公務員制度改革をめぐる「冒険」は、まさに時間とのたたかいだ。
 霞が関の職場は、「本省手当」がつくから大丈夫、などと言ってはいられないことを伝えなくてはならない。それが、僕の仕事だ。

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