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2004/11/30

勇気をもって相談を

 国公一般の組織拡大担当になって半年――、霞が関で働く職員から、結構な数の職員相談を受けている。異動・配置にかかわる任用の問題から職場におけるメンタルヘルスの問題、さらには国公労働者の権利と義務の問題まで、実に幅広い。匿名での電話相談もあれば、休日を使ってわざわざ国公労連の事務所まで足を運んできて、いきなりの面接相談を受けるケースもある。
 相談者は、霞が関で定期的に配っている国公労連・国公一般のビラを手にとって駆け込んでくる人もいれば、たまたま当局に対して国公労連が抗議行動している際に見ていた、「国公労連」というロゴをつけた宣伝カーを思い出して訪れたという人もいれば、このホームページを見てメールでの相談というものもある。
 これまで僕は、全力で相談を受けて、解決の糸口をつかんできたと自負できる。僕のモットーは、何度も書くけれど、「僕の方からは、絶対にあなたを裏切らない」ということ。言い換えれば、「あなたが手を離すまで、僕はあなたの手を離さない」ということ。こうした姿勢は、誰かから教えられたというより、実は、文学(批評)から学んだことだと告白しておきたい。このことはさらに、相談ごとに、徹底的に、とことん付き合うということだ。
 …しかし、職員の抱える相談ごとを解決していく主体は、僕ではなくて、あくまで相談者本人だということを忘れてはならない。僕は、法律の調査や当局との交渉といった、いわば「お手伝い」ができるということにすぎない。そして、彼あるいは彼女が組合員になってくれなくては、僕は交渉にのぞめないのだ。組合員になって要求実現に挑んでいく相談者はすべからく、自分だけが助かればいいのではなく、職場のみんなことを考えて行動するということも法則的なことだ。
 いまの霞が関が異常で、病んでいることは間違いない。しかし、異常のなかで安住していたら、サービス残業を終えた、深夜のタクシー代で年間何十億円も使ってしまって民間から批判されるという(「霞が関情報を参照」)、とんでもない事態に突き進んでいくばかりだ。
 そんな異常さから抜け出るためにも、少しだけ勇気を振り絞って、国公一般の職員相談に電話をかけてみてほしい。
 ちなみに人事院の苦情処理係には、年間600件ほどの相談が寄せられているが、解決率は5%にも満たないと言われている。それに比べて、国公一般の解決率は、30%を越えている。
 これは、胸をはっていいですよね?

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2004/11/29

立ち上がれ、小千谷!!

 先週末、僕たち国公労連と国公一般の仲間は、全省庁前で配布した「中越新潟震災ボランティア募集」ビラに応募してくれた霞が関の職員と一緒に、夜の9時に日比谷公園・西幸門を出発し、一路、小千谷市へと向かった。すでに第3次となる行動で、長岡市、十日町などで、被災者訪問や物資の運搬などの活動をしてきた。
 小千谷市の状況は、物資は揃っているものの、倒壊家屋の片づけや倒壊していなくても家の中の整理など、救援というよりは復旧の活動が必要とされている。ボランティアセンターには、被災者からの要求が次々と寄せられている。僕たちは、物資の運搬係(国公労連の大型宣伝カーが威力を発揮する)、全壊家屋の整理、壊れた障子の張り替えなどの仕事に分かれる。
 僕は、全壊した家の、折れた柱やら曲がった板金、ズタズタになった断熱材や防音マットなどの整理を行った。築8年だというのに、基礎となるコンクリの地下室だけが残った。だんなさんは、「ローンも丸々残っています」と力なく笑う。長野から来たキースヘリング似の(ウッディアレンにも似ている)フリーター青年、山口から大工の仕事を放り投げてボランティアに駆けつけたサッカー中田くんとだんなと4人で、黙々と柱や板を集め、近くの田んぼで燃やした(焚き火は禁止されているが、今回は許可をもらった)。破壊された家のなかから、ポケモンカードや色鉛筆の欠片が出てきて、一瞬の揺れが奪ったものの大きさと、残されたものの切なさを感じざるを得なかった。
 だんなさんは言う。
「いま役所さ行ったら、全壊保障の200万円のほか、一銭も出ねえって言ってから、それじゃ、解体費にもなんねえ」。燃える炎がまぶしい。「田んぼも駄目だぁ、…っていうより、来年、やる気さえ起きねぇ」
 僕は、こういう非常時にも解体されたものの分別回収をいちいち強いる行政に腹立たしく思ったし、何より、好きで被害にあったわけじゃないのに、その被害を個人持ちにする国のやり方に納得いかなかった。震災から2週間して電気がつき、2、3日前にガスが通ったという。奥さんは、「仮設のお風呂が出来て、やっと安心できた」と言う。
 だんなさんも奥さんも、僕らボランティアにとても優しく接してくれ、お昼など、魚沼産コシヒカリと絶品つけものを「食べていってくれ」と言うのだった。絶望の淵にいるはずなのに…と、胸が熱くなる。とてもとても美味しい食事だった。
 僕は、今こそ国が思い切って公共性を発揮し、被災者の被害を公的保障で埋める政策をとってほしいと願う。他方、「国公労連」のロゴを付けた宣伝カーは、行く先々で住民から「あー、国家公務員の人がよくやってくれよる」と言われ、運転手を勤めた仲間は、「いつもは公務員バッシングを食らっているけれど、とてもうれしかった」と言う。
 「立ち上がれ、小千谷! 団結して頑張ろう!」
 これが、ボランティアセンターが発行しているステッカーのコピーだった。

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2004/11/22

総務省人事・恩給職組結成50年、おめでとう!

 先週の金曜日(19日)のブログが飛んだのは、もちろん深夜過ぎまでお酒を飲んでいたからです。
 「仕事は終わった。今夜は、花金」だとか言って舞い上がって飲んだのではありません。仕事が終わって、同僚と駆けつけたのは東京・新宿区にある総務省第2庁舎で、タイトルのような、なんと組合結成半世紀を祝う盛大なパーティーが行われた、その末席に寄せてもらったのです。
 総務省人事・恩給職組は、戦後の恩給法改正によって、軍人恩給が復活し、遺族恩給も始まったことによって大量に採用された臨時職員たちが結成したもの。のちに全員正規職員の地位を勝ち取るという偉業をなし遂げた歴史をもつ組合なのだ。その出自を問うまでもなく、戦争を二度と起こさせないことを誓った組合だ。現委員長は、「イラクでの戦争を許していいのか。われわれ人事・恩給職組は、平和の取り組みにいっそう力を入れたい」とのべた。
 もちろん平和と民主主義の課題とともに、職場のたたかいにも力を入れてきた。各種保険への加入、生理休暇、女性差別人事の是正などを求めてたたかってきたのだ。毎年のように、当局交渉で「定年退職時は少なくとも6級以上にする努力をする」という答弁を引き出してきた、小さいが、職員全員の身を考えてきた組合なのだ。
 結成当時の委員長は、昨年亡くなったという。2代目委員長は、かくしゃくとしていて、彼を初めとして、多くのOBたちが会場で肩を抱き合い、満面の笑みを浮かべ、美味しい料理に舌鼓を打った。みんなの温かな喧騒で、マイクで挨拶(あいさつ)する人たちの声が聞こえない。いつの間にか、太い腕を組んでの円ができ、「うたごえ」が始まる…。そこで、僕は、初めて「民族独立行動隊」なる歌を聴いたのだった!! やがて「かんばろう」へ歌い継がれていく。僕には経験のしようがない、しかし、確かに存在した、戦後の混乱期の、60年安保の、70年安保の鼓動がひたひたと近づいてくるようだ。
 遺族恩給をもらう方々の平均年齢は80歳をこえたという。恩給局の業務も小さくなりつつある。
 しかし、集まった仲間たちは、この日を、新しいたたかいの一歩にすると誓った。みんなの声から、「イラク戦争反対」「憲法を守ろう」という言葉が自然に出てくる。そんな言葉を聞きながら、僕は、国公一般のリーフレットを渡して、非常勤職員さんの組織化などの協力を仰いだ。
「そ、そこの若いの、来なさい」「飲むぞ、まだ飲むぞ」
 ……この勢いと流れで、新大久保の飲み屋さんをはしごすることになったのだ。いやいや参った。

 明日から長期出張で、そのまま長岡市へ救援ボランティアに行くので、1週間ほど更新できません。

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2004/11/18

組合活動をする理由

 組合運動をやる理由って何ですか? それも(ちまたでは高収入で安定した職場で働いていて、みんなから、いいな~って羨ましがられている)公務員が…。
 「給料を上げたいから」「国の行政の民主化のため」「公務労働者の力を借りたいと思っている、たくさんの争議団のため」…「まあ、先輩が無理矢理『組合に入れ』って言ったから」「なんとなく」「適当」
 国公労連13万人の組合員、一人ひとり、理由は違うと思うんだけど。当然、組合運動を「しない」人たちの理由も千差万別だと思う。
 『学習の友』っていう、組合活動のガイドみたいな雑誌がある。月刊で、400円。登山で言えば『岳人』、釣りで言えば『フィッシャーマン』、野球で言えば『ベースボールマガジン』、プロレスで言えば『週刊プロレス』とか『ゴング』みたいなニュアンスの雑誌(ちょっと違うか?)。
 今月号(12月号)は、公務のリストラ問題の特集で、国家公務員は読んだ方がいいと思う。公務の民営化の流れは、いったい何をもたらすのか? 真剣に分析して、自分の職場に引き付けて考える時期に来ている。国公労連の小田川書記長も特集の執筆陣の一人として、ことの始まりである「橋本行革」の問題点に対し、論を絞った批判をしている。
 
 ……で、しかし、僕がここで書きたいのは課題の問題ではなくて、その『学習の友』の巻頭に、名古屋市職員組合の26歳の青年が、「私が組合活動をする理由」という題で、手記を載せているということだ。
 「職場の先輩にしつこく勧誘され」て入った組合で、それゆえ「組合活動には関心がなく、全くやる気のない、何もしない組合員」だった彼が、いま「いつまでも他人任せしているのではなく、私達自らがみんなと一緒に労働組合を強く、大きく」していかねばならないと思っている、その心境へといたった理由が切々と書かれているのだ。彼がやる気を出すようになった動機の一つには、いまもたらされている日本の平和と、破壊されつつある世界の平和の問題があったのだ。組合活動をする理由は、本当に千差万別だよね。

 アメリカの労働運動について学んだとき、「理念」とか「思想」とかという問題の大切さを感じたけれど、僕自身の動機で言うと、「人間が人間と連帯することはできるのか」という思想的な問題の解答を、組合運動をするなかから得たいと思ってやっているのかもしれない。建前では、金八先生のように「人は一人では生きていけない」とか「友だちは大切だ」とか言えるけれど、いまのような二極間格差がはなはだしくなった、不安定な時代において、果たして「連帯の思想」は生き残れるだろうか? と思うのだ。

 …でもね、国公一般の組合員が増えていくとき、あるいは加入対象者が広がって彼らと腹を割って話し合うとき、やはり現代に生きる連帯の思想はあるのだと思うときがあるんですよね。

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2004/11/17

独自宣伝は、大成功?

 今日は、まったく忙しい一日だった。
 朝、午前8時半から、財務省の前で、定時退庁宣伝のビラをまく(この時間、各省庁前で、同じ宣伝が行われている)。そのときに、第3次の新潟中越ボランティアの募集の呼びかけをすると、レスポンス(応答)が次々と来ましたよ~。現地のボランティア受け入れ状況が毎日のように変化しているので、その様子をつかみながら、一両日中に、連絡しますね(本当にどうもありがとう!!)。

 そうして、お昼は、いよいよ国公一般独自の宣伝行動を行いました。
 国公一般は、霞が関の省庁で働く職員さんなら、どこでも(つまり組合がなくても)、誰でも(正職員だけでなく非常勤職員の方も)、いつでも1人でも入れる省庁横断型の新しい組合なのです。要求を持ち寄って当局と交渉ができる人事院登録の職員団体なのです。
 宣伝の場所は、財務省と外務省が並ぶ桜田門通り沿いで、まったく画期的な取り組みになりました。お昼休みのわずかな時間でしたが、組合員が元気よく国公一般のリーフをみなさんに手渡しました。
 「新しい組合です。よろしくお願いします」「1人でも入れます」「いつもご苦労さまです」
 たかだか40分の声かけ行動でしたが、な、な、なんと約500枚のリーフがはけました(!!)。反応もすごくよくて、リーフを開いた若い職員さんが「え~、国家公務員の死因の第2位が自殺なの~」とか「サービス残業って犯罪だったんだ!!」とか、いろいろと声をあげていました。
 
 それで…、財務省で働くみなさん、外務省で働くみなさん。
 国公一般は、本気で霞が関の「不夜城」(長時間過密労働とサービス残業の野放し)を攻め落とすつもりです。そのためには、みなさんの力を合わせなくてはなりません。一人では、当局に鼻であしらわれるだけで、何にもできないのは明らかになってきました。一番大切で重要なのは、一人ひとりが団結すること。そして、行動すること。それが、まともな労働組合をつくることになります(掲示板に組合の一方的な主張を書いた紙を貼って、それで「活動はおしまい」っていう組合なんていらない!!)。
 リーフには、アンケートがついています。ぜひ、ご記入してお送りください。
 あんまり、忙しかったので、機関紙に載せる写真をとるのを忘れてしまいました。
 組合員の仲間のみなさん、今日は、本当にご苦労さまでした。

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2004/11/16

韓国が燃えている!!

 イギリスのパンクバンドに「クラッシュ」という奴らがいて、彼らの代表作が「ロンドンは燃えている(ロンドン・コーリング)」っていうので、それをもじってタイトルにしたけれど、その意味するところは、今朝の「しんぶん赤旗」の国際面には、「韓国公務員が全国スト 争議権含む労働三権求め」という記事があり、とてつもなく衝撃を受けたからだ。「朝日」「読売」「毎日」には、載ってなかったと思う。思想信条の違いは、脇においても、労働運動をする者にとっては、政党機関紙に目を通すことは必要だ。その点で、「赤旗」は、労働運動の面があり(連合系の報道もちゃんとある)、国際面は(商業紙と同じ)2面あって、偉い人の動向より、その国の国民の運動が仔細に報じられている。先月行われた「欧州社会フォーラム」(全国から2万人の活動家がロンドンに集まって、反戦運動から労働運動まで熱心に討論した会議)を唯一報道したのも「赤旗」だった。思想信条の違いは脇において、読むべきものは読むべきなのだ。
 …さて、その記事によると、韓国では公務員の労働組合そのものが認められておらず、ストは「違法」なのだ。韓国政府は、スト参加者全員を罷免(ひめん)・処分する方針だというが、ストに突入した全国公務員労働組合によると全国で4万5000人の公務員がストに参加している。実は、情勢的には日本とよく似ていて、韓国政府は、この10月の国会で公務員労組法案を提出したのだが、団結権と団体交渉権を認めるかわりに争議権は禁止するという内容。これに怒った公務員労組が、ストという強硬手段に出たというプロセスだ。それにしてもスゴイ!! 日本では、政府が法案も出せない始末だ。
 ちまたでは、テレビや映画で韓国ブームだが、労働運動でも日本は先を越されているようだ。一度、韓国の状況を調べてみたいものだ。
 さあ、明日は、各省庁の前で、定時退庁の早朝宣伝だ。韓国に負けないように、がんばるぞ~。

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2004/11/15

むなしい官庁のペーパー

 今日は、終日会議だったので、どうせ外は雨だったし動くこともなく、特段、書くことはないのだけれども、やはり「このブログ、なかなか面白い」とか「組合の顔が見える珍しいブログ」などと誉(ほ)められると、やめるにやめられない(嘘)。とにかく理論と実践の統一を原則に、突っ走りますのでよろしく。
 …で、僕の手もとにあるのは、総務省と厚生労働省のペーパー(発表物)で、さっき、デスクの引き出しを整理していたら出てきたものだ。最初は「何じゃ?」と思ったが、「ああ、本気じゃなかった奴ね…」と空(むな)しい気持ちになったペーパーだ。
 一つは、「平成16年度国家公務員超過勤務縮減キャンペーン週間実施要領」。総務省の人事恩給局が出したものだ。何々? 「今年のキャンペーン標語 『メリハリを つけた仕事で よい成果』」。アホか!! この標語のポスターとかパンフレットを作成して貼り出すというが、職場で、見たことがないぞ。…と、その前に、そんなもの作るなんて、それこそ税金の無駄。そんな金があるなら、タイムカードを導入せよ!! 怒り心頭で、そのままクシャクシャに丸めて捨てた。
 もう一つは、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて」。ふむふむ。そういえば、霞が関で心の病で休職に追い込まれる職員が増加しているという噂(うわさ)を聞いて、何とかしようと考えて、政府の指針を取り寄せたのだった。前月(10月)発表のものだ。
 厚生労働省は、病気休業から職場復帰後のフォローを含めて、5段階の流れをつくっている。医師の診断や本人の意思確認、職場環境の評価、再発の有無など、なかなかきめ細かくまとめている。
 ……って、あんたら、この通りのことを、霞が関でやってんのかよ? という怒りと反論が沸(わ)いてくる。
 …というのも、この間、組合の仲間から聞いた話なんだけれど、本省の労働者がちょっと休んだだけで、当局は、病休ではなく「休職」扱いにしようとするらしいのだ。病休制度が3カ月(給与全額保障)で、期間に制限はないということは、公務労働者の権利だというのに、当局は、「分限」という処分にも近い「病気休職」(給与は8割しか出ず、退職強要の理由とされる)に持っていこうとするのだ。汚(きたな)いね~。もしかしたら、この文書をつくった人が、心の病になってしまったりして…。絶対にあり得る、厚生労働省ってのは、酷(ひど)い扱いをするところだからな~。
 サービス残業の野放しといい、労働者の職場復帰に水をさすやり方といい、霞が関ほど本音と建前の違うところも珍しいよ。
 しかし、本当に空(むな)しくなる文書だ。クシャクシャクシャ。

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2004/11/12

アメリカ労働運動の教訓

 全労連主催の学習会「アメリカ労働運動をめぐる情勢」は、とても面白かった。長らくイギリスとアメリカの労働運動を研究してきた戸塚秀夫・前東大教授が講師で、先生は、慎重な物の言い方で、現在アメリカ労働運動で起きていることをまとめられた。僕自身の、経験は大切だが、いまは、経験主義で乗り切れるほど生易しい情勢ではない、とにかく頭を柔らかくして何でもやってやろう!!という問題意識と合致(がっち)するものだった。
 新自由主義が席巻(せっけん)するアメリカで、組合のあり方が変わってきている。労働司法の反動化で、底打ちした労働戦線が、これまでの役員請負型・経済闘争一本やりの方針(つまり、ここではオルグは企業の営業マンと同じ)から、「社会的ユニオニズム」と呼ばれる、(経済的サービス向上闘争より)社会的正義を実現する組織としての組合へと大きく転換して、組織を大きくしている。
 戸塚先生は、「社会的ユニオニズム」について、①「インクルージョン(包括)」概念…差別され、排除されてきたマイノリティー(女性、移民、障害者など)の組織化、アメリカでは女性は「マイノリティー」(少数派)概念なんですよね、②人権と環境を守るという動機を中心にすえること、③以上のことを行うのは組合だけではないという自覚のもとで、諸団体と共同すること、④「街頭に出よう」を合言葉に…地域と職場でたたかうこと(あなたのたたかいと共同してくれるコミュニティーは、いくつありますか?という大切な問いがある)、⑤司法の反動化のもとで、文化人・知識人・宗教家などで組織する労働者権利委員会を立ち上げ、日本でいうような「労働委員会」を全国展開していくこと、と特徴づけた。一言で言えば、オルグが労働者と住民と一対一で語り合うこと。彼らに「オーナーシップ(自身の権利と義務)のもとで、人間らしく生きよう」と訴える取り組みのことなのだ。ここでは、オルグは重い責任と倫理を兼ね備えた「教育者」(!)であるという。オルグは、組合員との関係を一生続ける決意を固めないといけない。な、なるほど…。先生の本(『アメリカ労働運動のニューボイス』)を読むと、弁護士を辞めてオルグになる人たちが、ごろごろ出てくる。
 アメリカ労働運動が問いかけるのは、経済闘争を乗り越える、より理念的なたたかいの是非だ。新自由主義の蔓延(まんえん)で、アメリカも日本も、団結とか連帯がズタズタにされてしまっている。その断裂を、どのように修復し、強化するのか? 僕は日々の活動に取り組みながら、思想とか理念とかいうものの大切さを考え始めている。

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2004/11/11

先取りとしての国金「人事考課」裁判(補強版)

 午前中、東京・大塚にある東京地評へ、国公労連が集めている「ILO勧告にそった公務員法の改正を求める」団体署名のお願いに行く。この署名は、国際労働機関(ILO)結社の自由委員会が、日本政府に「日本の公務員に団体交渉権と争議権を与えるために協議しなさい」と注意したことを受けて、国公労連が、国会に対して「ちゃんと労働基本権を回復してください」と請願するものだ。
 東京地評へ行くと、東京争議団の部屋がある。たくさんの争議団がひしめいていて、泣き寝入りせずに、会社や行政当局の不当労働行為・合理化とたたかう人たちが、こんなにもいるのか教えられる。国鉄分割民営化に負けない国労や全動労の仲間、NTTの合理化とたたかう職員たち、郵政公社の過酷な深夜勤を違法だと訴える〒職員たち。そのなかの一つ、国民金融公庫(国金)=現在の特殊法人・国民生活公庫の不当労働行為を裁判でただそうとしている仲間がいる。19年間におよぶ長期裁判の判決が、来週17日(水)にある。Yさんが、「ここの人たちに署名を訴えれば、すぐに10や20集まるよ、一緒に行ってあげる」と言ってくれる。勝手を知らない僕は、その声で、ホッとする。みんな団結と連帯のすばらしさを知っている、優しい男たちだ。
 Yさんから国金裁判について概要を聞く。地方労働委員会で完全勝利したものの、監督官庁である大蔵省が和解斡旋を蹴(け)って、無理やりに裁判に持ち込んだ。一審では、逆転敗訴(3人勝訴、16人都労委命令取消)し、現在高裁でたたかっている。労働委員会の命令では、当局が組合員の活動を嫌悪して、差別処遇をしたことは明確だと認定。その通りに、組合員と同期職員との格差は歴然としている。こうした事実自体、不当判決を出した地方裁判所判決も追認している。公庫側は、高裁で事実認定(不当労働行為の成立要件)を争っていない。問題は、そうした不当労働行為の事実があるにもかかわらず、公庫側の「人事考課は、仔細に整備さている」として、「正しいものだ」と合理化されるのかどうかという点だという…。
 しかし、当局の「人事考課」の中身は、公開されていない。はっきり言って、ずさん極まりないものである可能性が高い。当局の一方的な「査定」というものが、不当労働行為意思と事実があるにもかかわらず無条件で「正しい」とされるなら、これは国民金融公庫という一職場にとどまらない、国公の公務一般に導入されようとしている能力・実績主義の「うさんくささ」に大きく関連してくる問題だ。今国会では、法案提出は断念させたけれど、その隙(すき)に司法の反動化がどんどん進むと大変なことになる…。
 国公権利裁判では、裁判所は、ILOの勧告内容を当然のように認めなかった。怖いことだ。
 …と、そんなことを考えている間に、団体署名が10余り集まった。

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2004/11/10

霞が関から長岡市へ救援バスが出ます!!

 新潟中越地震から約2週間が経つ今も、被災者3万5000人が避難所生活を強いられている。余震も続いている。被災者のみなさんに何かできないかと、国公労連と国公一般は、義援金の呼びかけを行った(現在、数十万円にのぼっている)。そして、先週末の第1陣に続き、今週末(13-14日)には、第2陣の国公ボランティア隊が新潟県長岡市へ救援支援に入る。
 みんな、国の行政機関に働く労働者として、「いまこそ国が具体的な支援を!!」「いまこそ公務の公共性の発揮を!!」という思いなのだ。山古志村の「砂防対策」や国道291号線の工事など、国が取り組むことになった。国土交通省の組合(全港建、全建労の仲間たち)は、必死でガンバっている。
 職場でいち早くボランティアとして参加した仲間から状況を聞くと、長岡市の高台にある住宅地域では、いまだライフラインが復旧していないという。テント脇でにわか作りの「フリーマーケット」を行って、好きな物資をもっていってもらった。水、ウェットティッシュ、ガスボンベ、ジュース、軍手、餅(もち)、みかん…持ってきた物は、あっという間になくなった。また、現地のゴミ処理や片付けなども緊急に必要な作業となっている。まだまだやれるべきことは、たくさんあるのだ。
 国公労連は、単組ごとにボランティアを受け付けている。が、霞が関で働く国家公務員で組織する組合である国公一般の担当者としては、いよいよ第4陣として、25日の夜、大型バスをチャーターして救援活動をすることに決めた。夜9時ごろ発(た)って、翌日27日の朝8時から、さらに翌日28日のお昼まで活動する予定。長岡市の労働者センターを拠点に動きます。国家公務員には、ボランティア休暇年5日認められており、いま、本当にそれを使わない手はない。
 今回の地震で改めて露呈したのは、地方切捨ての政治の貧困であり、大型公共事業・軍事有事優先の政治の貧困であり、福祉より経済効率(大企業)優先の政治の貧困である。ならば、いまこそ、災害時の救援体制にも目を向けた公共性の確保、つまり国民が経済的な理由で不利益をこうむってはならないという行政サービスの担い手として、われわれ国公労連・国公一般の出番ではないのか? と思うのだ。それが、僕らのオルタナティブ(対案)だ。 

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2004/11/08

他流試合で護憲を語れ!!

 先週の5日(金)、「朝日」編集委員の藤森研さんが、とても説得的な護憲論を展開してくれた。
 今年6月に出た自民党の改憲のためのポイント(論点整理)には、「憲法9条の虚構性」「愛国心」という言葉だけでなく、実は、「家族」を「小さな公共」と位置付け、「大きな公共」としての「国家」につなげる、という筋書きが述べられている。冒頭、藤森さんは、「いよいよ改憲派は、国家価値=生き方の規範としての憲法という立場で、われわれがどのように生きるかということにも介入、憲法が決めるという地金を出してきた」と指摘する。
 藤森さんが、護憲へと向かうきっかけとなったのが、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の創作過程を追った取材によってだった。いまからちょうど100年前の日露戦争時、強烈な反戦歌をうたい、文壇・歌壇から猛烈な批判を浴び、石を投げられても筋を曲げなかった晶子の心には、どんな思想が流れていたのか? 藤森さんは、「これは、非戦論を張った文豪・トルストイへの返歌だったのです」とズバリッ。文学オタクの僕は、(うおおおおっ、文学者の心の連帯だ!!)と熱くなる。「女というもの、みんな、いくさ嫌いでございます」と言い切った晶子は、当時、東京「朝日」に連載されたトルストイの『非戦論』を読んでいて、その欄の隣りに別掲された日露戦争の戦死者紹介記事に、愛する弟の身を重ねていたのではないか? そして、藤森さんは、晶子の信念について、①戦争をやる人は、自分は安泰の場所にいて、殺し合うのは、いつも普通の人であること、②戦争そのものが「悪」であり、それは憲法9条の源流なのである、とまとめられた。
 その他、藤森さんは、アメリカに流れる戦争「非合法化」思想とヨーロッパの集団的安全保障の思想の「幸福な結婚」が、日本国憲法であることやコスタリカの非武装憲法の成り立ちのことなどを話し、最後に、「わたしたちは、本当に改憲論者に反論できるでしょうか?」と問いかける。「つくる会」の集会にも参加するという藤森さんは、「コーラスよりも他流試合をしてください」(!!)と呼びかける。なるほど。藤森さんの新鮮な護憲論の言葉…、それを考えるとき、憲法を守る運動とは、その人の全人生のなかで搾(しぼ)り出される言葉の信頼性にかかわるのだと思い知る。簡単に言うと、護憲派と改憲派と、どちらの言葉が力があり、信頼を呼び起こすか、ということだろう。
 各紙の世論調査では、「憲法9条を変えない方がいい」が相対多数だ。しかし、マスコミは全体として右へと舵(かじ)を切った。ここは、踏ん張りどき、負けてはならない。
 この日、国公労連は、改憲阻止闘争本部を設けた。たたかいは、これからなのだ。

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2004/11/04

「公共サービスの商品化」反対キャンペーン

 今朝、国公労連と各単組の組合員は、JR新橋駅と地下鉄・虎ノ門駅の二カ所で、「公共サービスの商品化」反対キャンペーンに取り組みました。秋からのたたかいが、いよいよ本格化していく。
 僕は、虎ノ門へ。ちょうど文部科学省の前あたり、ぞくぞくと駆けつけた組合員たちは、舗道の脇に次々と幟(のぼり)を立てていく。「公務員べらしはサービスの切り捨て」「国の責任切捨ての『市場化テスト』反対」「人権をおかす医療・教育の民営化反対」の文字が、久しぶりの快晴の空から吹いてくる風になびく。
 小泉首相が強行してきた「構造改革」について、当初流布されたような、ばら色のイメージはなくなったけれど、逆に、景気がなかなか回復しない状況を反映してか、「財政再建のため、公務員はもっとリストラせよ」「官業は、民営化せよ」という声が根強いのが正直な感触だ。国公労連は、国民のそうした声を受け止めながら、「この間、50万人の公務員が削減されたけれど、国の借金はどんどん増えているんです」「先進国の比較では、日本の公務員は少なすぎるぐらいです」「なんでもかんでも民営化して、本当にいいのでしょうか?」と訴えるビラをまく。
 例えば、社会保険庁の民営化で医療保険が商品化されれば、アメリカのような事態になってしまう。保険料の支払能力のない人は、病気になっても病院にいけなくなる(すでに日本の若者たちに起きている現象だ)。すでにアメリカでは約4000万人の人が無保険者だ。それから、現役世代が退職世代の年金を支える現制度がなくなって、株式会社の運営する私的年金だけがはびこれば、株価によって年金額が左右されるような事態になりかねない。さらにさらに、ハローワークがなくなって、民間の人材派遣会社だけになれば、失業給付を受けて生活しながら職を探す、なんてことは出来なくなる(特区である足立区では、リクルートとハローワークが競合して業務を始めたが、ハローワークのきめ細かな対応が評価されつつあるという)。
 国公労連は、公務にはたらく職員の組合として、職員の生活を守ることと同時に、国民への公共サービスがどうなるのかという観点から、このキャンペーンに取り組んでいるのだ。
 しかし、道行く人に、元気に声をかけてビラを渡すのだが、先日の財務省前の宣伝行動のようには、なかなか受け取ってもらえない。
 まあ、運動は始まったばかり、がんばっていきましょう。

 追伸)筆者は、2日前から風邪をひいています。今年の風邪は、喉(のど)にきて咳がでます。みなさん、気をつけてください。治るまで、ブログが不定期になるかもしれないこと、申し添えておきます(苦笑)。

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2004/11/01

情報公開請求

 イラクの残虐なテロリストたちによって、何の罪もない日本人青年が殺された。青年の死は、いろいろな問題を、まさに解読しなければならない意味として、不合理と無慈悲な世界に残された僕らに投げかけている。満身の怒りと抗議の念を、小泉首相とテロリストたちにぶつけたい。
 東京は、あたたかい雨。灰色の外務省に向かう道すがら、市民団体の人たちが抗議集会を開いているのに出くわす。韓国人がハングル語で何やら熱く訴えている。多くはない人たちを囲むように、動員された多数の警察官が見守り、なんとも物々しい。市民は武装していないのだから、こんなことのために税金を使うなよな…。

 外務省の前で警備の人に身分を告げ、情報公開室へ向かう。
 実は、急ぐ用があって、外務省が隠し持っている資料を公けにする必要があるのだが、問い合わせたものの、向こうが文書で「管理に支障をきたす恐れ」(文書ママ)などと書いて閲覧拒否してきたのだったから、僕の気持ちは尋常(じんじょう)ではないよ(怒)。さすがに情報公開率のワースト官庁らしい対応だよ。小奇麗な部屋には、4台の検索パソコンがあるものの、文書名を打ち込んでも「データはありません」と返ってくる。アホらし。仕方なく、情報公開する申込み用紙に必要なことを書いて、受付に渡す。受付職員によると、30日以内に返事が返ってくるらしい。もしかしたら、墨塗りかもしれない。しかし、300円取られて、領収書をもらう。国民の権利を行使して、お金が取られる現実が腑(ふ)に落ちず、怒りが倍増してくる。

 まあ、今日はこの辺にしておくけれど、結果は、ちゃんと公開しますね。

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