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2004/10/27

『人事院月報』一気読み

 われらが人事院が毎月出している出版物に『人事院月報』というものがあり、今朝、財務省の前で定時退庁を呼びかけるビラを配った後(1時間で500枚が勢いよくはけてビックリ)、全国税の事務所で一服していたときに雑誌棚にあったのを見つけたので、久しぶりに読んでみた(ちなみに10月号)。一読して、建前と現実のギャップに驚いた。
 特集は、「『多様な勤務形態に関する研究会』の中間取りまとめ」で、そのなかに「勤務時間制度の弾力化・多様化をすすめるに当たっては、適正な勤務時間管理が必要不可欠である。同時に、IT化などを通じて勤務時間管理の効率化を図るべきである」と書いてある。すぐ思いついた反論。「霞が関では、適正な勤務時間管理が行われていないばかりか、ある省ではIT(パソコンに勤務時間を打ち込むシステム)を利用しても、その適正な時間が、会計の部分で改ざんされて手当に反映している有様である」。
 次。「公務員倫理モニターへのアンケート調査結果」。真っ先に書かれている見出しは、「国民の利益を第一に考えて!」。国家公務員には、これがほとんどできていないらしい。連日、新聞を賑(にぎ)わしている国家公務員の不祥事、いったいどうなっているのか? それで、解決策は「倫理保持のためには、トップの姿勢や組織風土が重要」。トップから腐っているところもあるのだから、大問題のわけだろう…(悲)。
 次、ある大学教授による、上司と部下の関係が大切と説く論文。小見出しを拾うと、「全員参加の職場:全員が参加して『知恵』を出す」。何々? …現場に安心モードがあり、個人的なことでも話し合える明るい職場、上司は部下の問題を解決してくれる、われわれの提案を活かしてくれる、そんな職場が成功している企業の特徴…、これって、政府・人事院がやろうとしている職場「改革」とは正反対のものではないのか!! 憤懣(ふんまん)やるかたない。
 気を取り直して、次っ。「平成15年度人事院政策評価結果等について」。「民間準拠」の給与勧告、実績重視の給与体系への転換整備など「自画自賛」。他方、「適正な勤務環境の整備及び健康の保持増進」については、「公務における自殺者の増加、精神・行動の障害による長期病休者の増加、また、セクシュアル・ハラスメントの被害者数がまだ高い水準」にあるから、「対策はより一層の推進が必要」だと。国家公務員の異常さを裏付けている。前段のようなことに血道をあげているから、後段のようになるということに気がつかないのか、まったく本末転倒もはなはだしい(怒)。
 次。「国家公務員の育児休業等実態調査結果」。すでに、メニューの「霞が関情報」にアップしているが、男女参画社会にはほど遠い現実…。続いて、「国家公務員健康週間に当たって」。はっきり言って、スローガンだけじゃ駄目です。全国で国家公務員7000人が長期休業を強いられているんだよ!! 
 それで、あっという間に、「編集後記」。「最近、360度評定を取り入れたある官庁では、幹部の自画像と、部下たちが描いた人物像とが大きく異なることがしばしばで」などと書いている。『内側から見た富士通』にも書いてあったけれど、成果主義システムの大問題は、部下に成果主義を実践させる管理職の側の評価が不問にされること。官庁でも、すでにそのままのことが起きていること認めているじゃん。
 あ~、疲れた…。天下の『人事院月報』が、確かな現実に裏付けられているはずなのに、なんだか色あせて見えるのはなぜだろう。

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